大映映画（1963年度分）

大映映画（1963年度分）

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ここでは1963年に公開された大映映画を紹介します。

注）出演者の欄の最後に●のある作品は、クレジットを抜けなく順に全員分、書き写しています。

　　1月

　　　第三の悪名
　　　　監督／田中徳三　脚本／依田義賢　撮影／宮川一夫　音楽／鏑木創
　　　　出演／勝新太郎、田宮二郎、長門裕之、月丘夢路、藤原礼子（後に麗子）、若杉曜子、
　　　　　　　西岡慶子、西村晃〔東宝〕、南道郎、天王寺虎之助、矢島陽太郎、菅井一郎、
　　　　　　　夢路いとし、喜味こいし、丸凡太、西川ヒノデ、宮シゲオ、島田洋介（後に洋之介）、
　　　　　　　今喜多代（後に今日規汰代）、北野拓也、安川洋一、若原進、西岡弘善、小林芳宏、
　　　　　　　有村（後に勝村）淳、岸本勝、万代たけし　●
　　　　　　　酒井修三（後に修）〔クレジットなし〕、他
　　　　…“悪名”シリーズ第5作。10年前に死んだ弟分・“モートルの貞”（田宮二郎）の妻・お照
　　　　　（藤原礼子〔後に麗子〕）の家（表札は田口姓）に居候になっている村上朝吉（勝新太郎）。
　　　　　朝吉は天王寺の粟津一家の女親分（先代親分の後妻）・お妻（月丘夢路）に依頼され、義理の
　　　　　息子である二代目・粟津修（長門裕之）をカタギ者にする依頼を受ける。修は戦時中の朝吉の
　　　　　上官で小隊長だった。朝吉の子分の清次（田宮二郎）〔二役〕は、そうとは知らずに兄の貞の
　　　　　仇の一人であるカポネ（南道郎）の経営するキャバレー“ドリーム”で働いている。修はカポ
　　　　　ネの上前をハネようとしていて…。西村晃さんが、修が籍を置いている松嶋組の元締めに扮し
　　　　　て、凄みのあるところを見せておられます。今喜多代（後に今日規汰代）さん扮する松島遊廓
　　　　　の客引きのやり手婆が相手が朝吉とは知らずに、朝吉が戦死したという噂話をします。「何で
　　　　　も、戦車に頭突きかますゆうて、一人でパーッと行きゃはってね、あんた、戦車と心中しゃは
　　　　　ったんですって」（笑）。また、後の酒井修さんが、“ドリーム”のボーイとしてチラッと顔
　　　　　を見せておられます。“Three Notorious Men”の英語題名があるようです。

　　　　　→詳細データ　

　　　新選組始末記
　　　　監督／三隅研次　脚本／星川清司　撮影／本多省三　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／市川雷蔵、藤村志保、城健三朗（後に若山富三郎）、天知茂、小林勝彦、
　　　　　　　成田純一郎（後に加藤博司）、松本錦四郎、田崎潤〔東宝〕、近藤美恵子、
　　　　　　　藤原礼子（後に麗子）、島田竜三、丹羽又三郎、中村豊（後に猿若清三郎）、
　　　　　　　矢島陽太郎、高見国一、石黒達也、毛利郁子、須賀不二男、千葉敏郎、伊達三郎、
　　　　　　　堂本寛、寺島雄作、香川良介、荒木忍、水原浩一、舟木洋一、嵐三右ヱ門、南条新太郎、
　　　　　　　原聖四郎、石原須磨男、玉置一恵、堀北幸夫、浜田雄史、沖時男（後にときお）、
　　　　　　　岩田正、木村玄（後に元）、志賀明、越川一、大林一夫、藪内武司、小南明、千石泰三、
　　　　　　　谷口昇、小柳圭子、高森チズ子、三星富美子、小松みどり、佐山竜一郎　●
　　　　…子母沢寛原作作品。親子二代の浪人・山崎蒸（市川雷蔵）は恋人・毛利志満（藤村志保）の反
　　　　　対をも聞かず、新選組に入ることになるが、新選組の中は策略や裏切りに満ちていたというの
　　　　　が大筋。新選組隊長・近藤勇には城健三朗（後に若山富三郎）さん、主人公と反目しあう同副
　　　　　隊長・土方歳三には天知茂さんが扮しています。また、ここで沖田総司に扮した松本錦四郎さ
　　　　　んは、そもそも日活の第三期ニューフェイスに合格、穂高渓介という名義で石原裕次郎さん主
　　　　　演の57年『鷲と鷹』など数作に出演、その後には松竹に移籍、改名されたようです。
　　　　　　《情報提供／sanaeさん／ツカさん》

　　　雪之丞変化
　　　　監督／市川崑　脚本／伊藤大輔、衣笠貞之助　撮影／小林節雄　音楽／芥川也寸志
　　　　声／徳川夢声
　　　　出演／長谷川一夫〔二役〕、山本富士子、若尾文子、船越英二、林成年、柳永二郎、
　　　　　　　市川中車〔東宝〕、中村鴈治郎（二代目）、中村豊（後に猿若清三郎）、真城千都世、
　　　　　　　千葉敏郎、水原浩一、伊達三郎、大辻伺郎（後に司郎）、浜村純、毛利菊枝、加藤嘉、
　　　　　　　尾上栄五郎、沖時男（後にときお）、菊野昌代士、越川一、志賀明、木村玄（後に元）、
　　　　　　　井上武夫、藪内武司、有村（後に勝村）淳、小南明、小柳圭子、市川雷蔵、勝新太郎　●
　　　　…三上於菟吉原作作品。長谷川一夫主演300本記念の大映スター顔見せ映画。歌舞伎の女形・
　　　　　中村雪之丞（長谷川一夫）の仇討ちに女賊・お初（山本富士子）、悪玉の豪商・川口屋（伊達
　　　　　三郎）と広海屋（柳永二郎）、雪之丞の仇である元・長崎奉行の土部三斎（中村鴈治郎〔二代
　　　　　目〕）などが絡む話。長谷川一夫さんの役は、雪之丞の他に、義賊・闇太郎、若尾文子さんの
　　　　　役は、土部三斎の娘で雪之丞に恋する浪路。女賊・お初に扮した山本富士子さんがこの作品を
　　　　　最後にフリーに。“The Revenge of Yuki-No-Jo”“Revenge of a Kabuki Actor”“An
　　　　　Actor's Revenge”などの英語題名があるようです。《情報提供／ツカさん》

　　　黒の報告書
　　　　監督／増村保造　脚本／石松愛弘　撮影／中川芳久　音楽／池野成
　　　　出演／宇津井健、叶順子、高松英郎、見明凡太朗、小沢栄太郎、殿山泰司、神山繁、
　　　　　　　上田吉二郎、近藤美恵子、弓恵子、緋桜陽子、仲村隆、中条静夫、潮万太郎、高村栄一、
　　　　　　　早川雄三、花布辰男、飛田喜佐夫、伊東光一、小山内淳、大山健二、渡辺鉄弥、中田勉、
　　　　　　　武江義雄、山中雄司、杉森麟、槙俊夫、小杉光史、原田■（言ベンに玄）、石黒三郎、
　　　　　　　村田扶実子、須藤恒子、小牧洋子（後に広瀬みさ）、田中三津子、加藤雅子、
　　　　　　　影山さゆり、松村若代　●　三夏伸（後に紳）〔クレジットなし〕
　　　　…“黒”シリーズ第2作（第3作という計算方法もあるようです）。江戸川乱歩賞受賞作である
　　　　　佐賀潜原作《華やかな死体》を脚色。若い検事・城戸明（宇津井健）が食品会社社長である柿
　　　　　本高信殺害事件を担当し、狡猾なベテラン弁護士・山室竜平（小沢栄太郎）や彼が仕組んだ集
　　　　　団偽証を相手に、正義と真実を求め苦闘する話。凶器は青銅の花瓶、死体の周りには赤い曼珠
　　　　　沙華と白い菊が蒔き散らされているという殺しの現場設定も凝っています（残念ながらモノク
　　　　　ロ作品ですが）。叶順子さんの役は、殺された社長の秘書で愛人でもある片岡綾子（主人公が
　　　　　参考人として彼女に接見するのが河東警察署で、警察官に付き添われてすれ違いニヤける男に
　　　　　扮しているのが、クレジットなしの三夏伸〔後に紳〕さん）、近藤美恵子さんの役は、社長の
　　　　　後妻・柿本みゆき、弓恵子さんの役は、柿本みゆきの愛人で、元・富士山食品の社長秘書だっ
　　　　　た人見十郎（神山繁）にアリバイ作りを依頼をされる銀座のバー“ボタン”のホステスで“ツ
　　　　　ーちゃん”こと中里常子。“The Black Report”の英語題名があるようです。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　2月

　　　温泉芸者
　　　　監督／富本壮吉　脚本／下飯坂菊馬　撮影／小原譲治　音楽／広瀬健次郎
　　　　出演／叶順子、川崎敬三、中村鴈治郎（二代目）、加茂良子、渋沢詩子、宮島健一、清川玉枝、
　　　　　　上田吉二郎、八波むと志、大辻伺郎（後に司郎）、左卜全、三角八郎（後に八廊）、
　　　　　　工藤堅太郎、早川雄三、穂高のり子、目黒幸子、町田博子、倉田マユミ、小笠原まり子、
　　　　　　石井淑子、響令子、藤野千佳子、長谷川峯子、他
　　　　…斉藤米次郎原作《しわんつ》を脚色。“温泉”シリーズ第1作。不具者の性器は上味だとして
　　　　　、芸のない芸者・“しめ香”ことたみ（叶順子）がニセの唖をかたって売れっ子になるという
　　　　　のが大筋ですが、参議院文教委員会が人権蔑視だと取り上げた問題作品だそうです。川崎敬三
　　　　　さんの役は、しめ香と恋愛関係になる中学校の教師・田代。

　　　破れ傘長庵
　　　　監督／森一生　脚本／犬塚稔、辻久一　撮影／今井ひろし　音楽／鏑木創
　　　　出演／勝新太郎、藤村志保、天知茂、万里昌代、中村鴈治郎（二代目）、福田公子、
　　　　　　　丹羽又三郎、中村豊（後に猿若清三郎）、角梨枝子、多々良純、伊達三郎、南条新太郎、
　　　　　　　西岡慶子、橘公子、小林加奈枝、他
　　　　…悪徳医師・村井長庵（勝新太郎）がズル賢さで欲しいものは何もかも手に入れようとしたため
　　　　　に、悪事を重ね、最後には非業の死を遂げるまでを描いています。藤村志保さんの役は、長庵
　　　　　に陥れられる浪人・藤掛道十郎（天知茂）の妻・りよ、福田公子さんの役は、馴染みの深川芸
　　　　　者・小鶴、万里昌代さんの役は、吝坊の良伯（中村鴈治郎〔二代目〕）の養女・お加代。

　　　八月生れの女
　　　　監督／田中重雄　脚本／舟橋和郎　撮影／高橋通夫　音楽／北村和夫
　　　　出演／若尾文子、川崎敬三、浜田ゆう子、宇津井健、村田知栄子、角梨枝子、渋沢詩子、
　　　　　　　東野英治郎、北原義郎、左卜全、北城寿太郎、春本富士夫（後に泰男）、夏木章、
　　　　　　　阿部脩、早川雄三、町田博子、橘喜久子、清原万栖子、松村若代、沖良子、中田勉、
　　　　　　　伊達正、谷謙一、仲村隆、志保京助、杉森麟、森矢雄二、森一夫、山中雄司、
　　　　　　　藍三千子　●
　　　　…若尾文子さんの役は、亡くなった父親の跡を継いで滝川光学の女社長になった、気が強いと言
　　　　　われる八月生まれの滝川由美、宇津井健さんの役は、滝川光学のライバル会社である〔トウヨ
　　　　　ウ〕光学の社長の息子・小柳吉兵衛（前衛劇団の役者である村瀬力は芸名）。力が、劇団の運
　　　　　営資金百万円を父親から出してもらうために、滝川光学の新製品の機密を盗もうと、由美のス
　　　　　ポーツカーにぶつかり接近するが、やがて二人は恋に堕ちて結ばれるというお話。川崎敬三さ
　　　　　んの役は、四国のデパートの社長の弟で、由美の見合い相手の志野村次郎、東野英治郎さんの
　　　　　役は、由美の父親の代からの秘書・津田数右衛門、角梨枝子さんの役は、由美の日本舞踊の師
　　　　　匠で、密かに数右衛門と付き合っている春影菊、浜田ゆう子さんの役は、由美の友人である石
　　　　　黒興信所の探偵・杉本早苗。《情報提供／由美子さん／ツカさん》

　　　背広の忍者
　　　　監督／弓削太郎　脚本／白坂依志夫、江戸川弦　撮影／石田博　音楽／池野成
　　　　出演／田宮二郎、滝瑛子、高松英郎、竹村洋介、伊藤雄之助、杉田康、高村栄一、夏木章、
　　　　　　　早川雄三、谷謙一、堀川真智子、伊東光一、北城寿太郎、千波丈太郎、仲村隆、
　　　　　　　大山健二、花布辰男、阿部脩、宮島健一、南方伸夫、小原利之、酒井三郎、河原侃二、
　　　　　　　遠藤哲平、原田■（言ベンに玄）、隅田一男、竹内哲郎、武江義雄、山中雄司、
　　　　　　　吉葉司郎（後に千郎）、橋本力、杉森麟、長田健二（後に豪健司）、此木透、
　　　　　　　津田駿二（後に駿）、高田宗彦、響玲子、竹里光子、日高加月枝、田中三津子、
　　　　　　　大西泰子、耕田久鯉子、志保京助、中原健、三夏伸（後に紳）、石黒三郎、森一夫、
　　　　　　　当銀長次郎、松沢仁、中川邦彦、滝圭二郎、横山明　●
　　　　　　　佐々木正時〔クレジットなし〕、九段吾郎〔同〕、佐藤八郎（後に喜多大八）〔同〕、
　　　　　　　佐山真次〔同〕、松島新一〔同〕、他
　　　　…邦光史郎原作作品。この作品を“黒”シリーズの第4作とするという節もあるようです？？？
　　　　　。磯村産業調査事務所に勤める日沼隆司〔ヒヌマ・タカシ〕（田宮二郎）が、怪死した所長・
　　　　　磯村尚平（南方伸夫）の遺品の中にあった妙な枯れ葉に疑問を抱き、その死因を探る中、電機
　　　　　メーカーの小型テレビ開発競争（その製造過程で出る排気ガスで工場付近の葉っぱが枯れてい
　　　　　る）の陰謀に巻き込まれ、ついにはサンエス電機の町田英俊（伊藤雄之助）らの悪事を暴くと
　　　　　いうのが大筋。滝瑛子さんの役は、磯村所長の娘・暁子、高松英郎さんの役は、主人公の同僚
　　　　　（珍しく悪役ではないんですね？…笑）・遠藤宏治。《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　3月

　　　停年退職
　　　　監督／島耕二　脚本／斎藤良輔　撮影／渡辺公夫　音楽／大森盛太郎
　　　　出演／本郷功次郎、藤由紀子〔新スター〕、船越英二、中田康子、伊藤雄之助、
　　　　　　　倉石功〔新スター〕、江波杏子、浦辺粂子、石井竜一、片山明彦、仲村隆、平井岐代子、
　　　　　　　花井弘子、大谷圭子、耕田久鯉子、飛田喜佐夫、小山内淳、隅田一男、杉森麟、伊達正、
　　　　　　　伊東光一、中条静夫、小原利之、北城寿太郎、三角八郎（後に八廊）、丸井太郎、
　　　　　　　ジョー・オハラ、南方伸夫、小杉光史、米沢冨士雄、穂積明、
　　　　　　　川島真二（後に河島尚真）、滝圭二郎、響令子、若月笙子、松浦いづみ、田中三津子、
　　　　　　　松山新一　●
　　　　…源氏鶏太原作《男と女の世の中》の映画化作品。停年退職をひと月半後に控えたサラリーマン
　　　　　・矢沢章太郎（船越英二）が停年までに遭遇する騒動を、失恋する娘・のぼる（藤由紀子）や
　　　　　再婚を迫るバー“ぐんじ”のマダム・郡司道子（中田康子）、部下で妻子ある男と不倫中の小
　　　　　高秀子（江波杏子）などを絡めて描いています。
《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　　影を斬る
　　　　監督／池広一夫　脚本／小国英雄　撮影／武田千吉郎　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／市川雷蔵、瑳峨三智子（松竹）〔二役〕、坪内ミキ子、成田純一郎（後に加藤博司）、
　　　　　　　松本錦四郎、小林勝彦、藤原釜足（東宝）、大辻伺郎（後に司郎）、千葉敏郎、荒木忍、
　　　　　　　山路義人（松竹）、稲葉義男、真城千都世、太田優子、井上明子、高森チズ子、
　　　　　　　月宮乙女、毛利郁子、木村玄（後に元）、細谷新吾（後に日高晤郎）、越川一、岩田正、
　　　　　　　千石泰三、森田健二、大林一夫、藤春保、前川広三、松田剛武、黒木英男（後に現）、
　　　　　　　米田照子　●
　　　　…題名のイメージとは違い、中身はコメディタッチの娯楽時代劇です。市川雷蔵さんの役は、昼
　　　　　はお役目をさぼり青葉城の天守閣で藩主・伊達忠宗（成田純一郎〔後に加藤博司〕）と昼寝を
　　　　　したり、夜は飲み屋をハシゴしている放蕩三昧の伊達藩藩士で剣術指南役・井伊直人〔なおん
　　　　　ど〕、瑳峨三智子さんの役は、城代家老・伊達将監（稲葉義男）の娘で直人の嫁になる定〔さ
　　　　　だ〕と、定にそっくりな江戸の芸者・君竜〔きみりょう〕の二役（実は同一人物なので、二役
　　　　　と言えるのかどうかですが）。婚礼の夜に定に巴投げで投げられた上に、忠宗や忠宗が頭の上
　　　　　がらない奥方・和子（坪内ミキ子）の見守る中、再び長刀で徹底的にやられた直人は、江戸へ
　　　　　剣術の修行に出る。柳生道場で修行を積み、ついには定を倒すことに。定は、夫を尻に敷くと
　　　　　いう考えを改めた和子とともに、貞淑な妻の座に納まることになるというのが大筋。タイトル
　　　　　は、劇中に出てくる“おのが心の影を斬る”という言葉より。クレジットはないようですが、
　　　　　ナレーションは牟田悌三さんの声のように聞こえるのですが？？？。《情報提供／由美子さん》

　　　人斬り市場
　　　　監督／西山正輝　脚本／井手雅人　撮影／竹村康和　音楽／高橋半
　　　　出演／藤巻潤、万里昌代、天知茂、島田竜三、城健三朗（後に若山富三郎）、
　　　　　　　遠藤辰雄（後に太津朗）、杉山昌三九、尾上栄五郎、水原浩一、寺島雄作、玉置一恵、
　　　　　　　伊達三郎、若杉曜子、井上明子、近江輝子、沖時男（後にときお）、越川一、
　　　　　　　木村玄（後に元）、谷口和子、小林加奈枝、他
　　　　…江戸時代末期の長崎を舞台に、鵬一平（藤巻潤）や雲切陣十郎（城健三朗〔後に若山富三郎〕
　　　　　）、二階堂平馬（天知茂）などの浪人たちが活躍する活劇のようです。万里昌代さんの役は、
　　　　　丸山遊廓の売れっ子・あざみ。

　　　黒の札束
　　　　監督／村山三男　脚本／高岩肇　撮影／宗川信夫　音楽／土橋啓二
　　　　出演／川崎敬三、三条江梨子（後に魔子）、高松英郎、宮川和子、藤原礼子（後に麗子）、
　　　　　　　見明凡太朗、杉田康、北城寿太郎、大辻伺郎（後に司郎）、中条静夫、夏木章、
　　　　　　　小原利之、守田学（後に学哉）、丸山修、藤山浩二、春本富士夫（後に泰男）、阿部脩、
　　　　　　　長田健二（後に豪健司）、千波丈太郎、花布辰男、浜口喜博、森矢雄二、森一夫、
　　　　　　　真塩洋一、中田勉、此木透、佐藤八郎（後に喜多大八）、小山内淳、当銀長次郎、
　　　　　　　竹里光子、岡崎夏子、田中三津子、小山優子、永井由美、高山（後に東）京子、
　　　　　　　清原万栖子、三浦友子、茅典子、一條淳子、長谷川峯子、池上多加子、三島愛子　●
　　　　　　　三夏伸（後に紳）〔クレジットなし〕
　　　　…“黒”シリーズ第3作（第5作という計算方法もあるようです）。佐野洋原作《重い札束》の
　　　　　映画化作品。経営陣の交代のあおりを受けてアジア化工の係長をクビになった桧山賢二（川崎
　　　　　敬三）が、ニセ札を換金するグループの仲間になり、破滅するというのが大筋。三条江梨子（
　　　　　後に魔子）さんの役は、賢二の恋人で同僚だったが、今ではミナミ美容院に勤めている柏木瑛
　　　　　子、宮川和子さんの役は、主人公と同窓だった石渡謙吉（高松英郎）の内縁の妻・千鶴子、藤
　　　　　原礼子（後に麗子）さんの役は、宮川印刷所の社長・宮川新平（見明凡太朗）の愛人で、ニセ
　　　　　札を見つけたことが新聞に載る樋口澄江。澄江は以前はアジア化工に勤めていて、今では月島
　　　　　でCLUB “SUMI”を営んでいます。《情報提供／ツカさん》

　　　新・座頭市物語
　　　　監督／田中徳三　脚本／犬塚稔、梅林貴久生　撮影／牧浦地志　音楽／伊福部昭
　　　　出演／勝新太郎、坪内ミキ子、近藤美恵子、真城千都世、河津清三郎〔東宝〕、丹羽又三郎、
　　　　　　　中村豊（後に猿若清三郎）、須賀不二男、遠藤辰雄（後に太津朗）、舟木洋一、
　　　　　　　水原浩一、杉山昌三九、伊達三郎、南条新太郎、武智豊子（後に武知杜代子）、
　　　　　　　南部彰三、東良之助、尾上栄五郎、高倉一郎、玉置一恵、浜田雄史、
　　　　　　　沖時男（後にときお）、春口清、細谷新吾（後に日高晤郎）、藤川準、福井隆次、
　　　　　　　志賀明、木村玄（後に元）、高森チズ子　●
　　　　…“座頭市”シリーズ第3作。故郷に帰った主人公が剣の師匠の伴野弥十郎（河津清三郎）の18
　　　　　歳の妹・弥生（坪内ミキ子）と結婚しようとするが、金に目がくらんで卑怯な裏切り方をした
　　　　　弥十郎を斬ることになるという話。前作に続き、今度は主人公の帰る場所さえ取り上げてしま
　　　　　ったわけですね。“New Tale of Zatoichi”“Zatoichi Enters Again”“Zatoichi: The
　　　　　Blind Swordsman's Return”“Masseur Ichi Enters Again”などの英語題名があるよ
　　　　　うです。《情報提供／ツカさん》

　　　嘘〔オムニバス映画〕
　　　　監督／増村保造、吉村公三郎、衣笠貞之助　脚本／白坂依志夫、笠原良三、新藤兼人
　　　　撮影／石田博、小原譲治、渡辺公夫　音楽／芥川也寸志、橋本国雄
　　　　出演／叶順子、滝瑛子、乙羽信子〔東宝〕、中田康子、森光子〔東宝〕、船越英二、川崎敬三、
　　　　　　　宇津井健、小林勝彦、ジェリー・藤尾（ジェリー藤尾）、滝沢修、山茶花究、益田喜頓、
　　　　　　　江波杏子、鹿内タカシ（後に孝）、潮万太郎、渋沢詩子、穂高のり子、町田博子、
　　　　　　　村瀬幸子、北原義郎、大辻伺郎（後に司郎）、中条静夫、杉田康、丸山修、花布辰男、
　　　　　　　春本富士男（後に泰男）、早川雄三、伊達正、伊東光一、三角八郎（後に八廊）、
　　　　　　　大川修、此木透、森矢雄二、宮嶋健一、原田■〔言ベンに玄〕、村田扶実子、
　　　　　　　耕田久鯉子、三島愛子、半谷光子、目黒幸子、竹里光子、白井玲子、花村泰子、
　　　　　　　当銀長次郎、吉葉司郎（後に千郎）、青柳直人（後に三城康裕）　●
　　　　　　　仲村隆〔クレジットなし〕、三夏伸（後に紳）〔同〕、山中雄司〔同〕、
　　　　　　　杉森麟？〔同〕、鈴木光子〔同〕、岡崎夏子〔同〕、高村栄一〔同〕、中田勉？〔同〕、
　　　　　　　高田宗彦〔同〕、武江義雄〔同〕、佐山真次？〔同〕、竹内哲郎〔同〕、他
　　　　…第一話“プレイガール”は数人のボーイフレンドと掛け持ちで付き合う短大生・林万里子（滝
　　　　　瑛子）が六本木族の男・菊村葉介（ジェリー藤尾）と寝たことで、真実の愛に目覚める話。江
　　　　　波杏子さんの役は、万里子の友人・竹中美恵。第二話“社用2号”は、製薬会社の社長・山中
　　　　　重兵衛（益田喜頓）が東京出張の時の愛人・晴海新子（叶順子）が金使いが荒いので手を切る
　　　　　ために芝居を仕組む話。新子は社長の用事で来た青年・仙崎康夫（川崎敬三）と関係を持って
　　　　　しまって…。第三話“女体”は射殺された宝石のセールスマン・田代幾馬（船越英二）を巡る
　　　　　三人の女たちの証言が法廷で二転三転して真相が薮の中になる話。乙羽信子さんの役は、幾馬
　　　　　の内縁の妻・道代、森光子さんの役は、幾馬の正妻の安子、中田康子さんの役は、謎の女・時
　　　　　枝。“Lies”“When Women Lie”の英語題名があるようです。《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　　女系家族
　　　　監督／三隅研次　脚本／依田義賢　撮影／宮川一夫　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／京マチ子、若尾文子、田宮二郎、中村鴈治郎（二代目）、高田美和、鳳八千代、
　　　　　　　浪花千栄子、北林谷栄、浅野進治郎、山路義人〔松竹〕、遠藤辰雄（後に太津朗）、
　　　　　　　高桐真、深見泰三、嵐三右ヱ門（三右衛門）、天野一郎、南部彰三、近江照子、
　　　　　　　浅尾奥山、高見国一、葛木香一、石原須磨男、玉置一恵、芝田総二、小松みどり、
　　　　　　　高原朝子、小林加奈枝、桜井勇、木村玄（後に元）、菊野昌代士、谷口和子、松岡信江、
　　　　　　　里見弥生、高木峰子、高森チズ子　●　越川一〔クレジットなし〕、他
　　　　…山崎豊子原作作品。大阪・船場にある老舗の綿布太物卸商“矢島嘉蔵商店”が舞台。四代目当
　　　　　主であった嘉蔵（深見泰三）の遺産の配分を巡って争う三人の娘、出戻りの長女・藤代（京マ
　　　　　チ子）と跡継ぎになるつもりで婿養子を迎えた次女・千寿（鳳八千代）、花嫁修業中の三女・
　　　　　雛子（高田美和）と、突然現われる嘉蔵の愛人で、七年前から関係があったらしい32歳の有馬
　　　　　温泉の温泉芸者だった浜田文乃（若尾文子）を巡る物語。田宮二郎さんの役は、藤代の踊りの
　　　　　師匠・梅村芳三郎、中村鴈治郎（二代目）さんの役は、店の大番頭である大野宇市、浪花千栄
　　　　　子さんの役は、店の分家で雛子の相談役になる叔母の芳子。劇中、三姉妹が京都へ出かけます
　　　　　が、そこで二条城と宿泊先として二条城そばにあった京都国際ホテルが登場します。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　4月

　　　その結婚異議あり（パシフックプロ＝大映）
　　　　監督／音楽／近江俊郎　脚本／近江俊郎、松井稔　撮影／岩橋秀光
　　　　出演／佐川ミツオ（後に満男）、西田佐知子、五月みどり、森山加代子、仲宗根美樹、
　　　　　　　川畑愛光、大辻伺郎（後に司郎）、緋桜陽子、佐々木功、森川信、由利徹、並木一路、
　　　　　　　扇町京子、大原永子、真山くみ子、大原譲二、他
　　　　…この作品も監督が近江俊郎さんですので、何だか新東宝映画のテイストがありますね。六年前
　　　　　に妻を亡くしたすき焼き屋“成増”の主人・成田増五郎（森川信）は、しっかり者の娘・八重
　　　　　（五月みどり）が月給の安いサラリーマン・平井達夫（川畑愛光）と付き合っていることが面
　　　　　白くない。そんな親子の結婚騒ぎを描いています。森山加代子さんの役は、売り出し中の歌手
　　　　　・北村さゆり、西田佐知子さんの役は、ジャズ喫茶で唄う歌手・上田良子、仲宗根美樹さんの
　　　　　役も歌手。

　　　若い樹々
　　　　監督／原田治夫　脚本／相良準、甲斐千代　撮影／秋野友宏　音楽／西山登
　　　　出演／姿美千子、倉石功、渚まゆみ、本郷功次郎、青山ミチ、高野通子、町田博子、三田村元、
　　　　　　　市川好郎（後に好朗）、八潮悠子、須藤恒子、村田知栄子、滝花（後に瀧花）久子、
　　　　　　　平井岐代子、穂高のり子、岸正子（後に加賀ちかこ）、堀川真智子、
　　　　　　　三角八郎（後に八廊）、小山内淳、若月笙子、森矢雄二、他
　　　　…壷井栄原作作品。上京した立花理々子（姿美千子）が未亡人・本橋品枝（滝花〔後に瀧花〕久
　　　　　子）の家のお手伝いさんになり、品枝の娘婿・三宅要助（三田村元）の家や、意地悪なオール
　　　　　ドミスの三姉妹・三宅幾代（平井岐代子）の家へ派遣されて苦労しながらも、強く生きていく
　　　　　というのが大筋。倉石功さんの役は、クリーニング店の御用聞き・橘悟、渚まゆみさんの役は
　　　　　、三姉妹の末娘・三宅蘭子、高野通子さんの役は、理々子の同級生・三沢千鶴子、青山ミチさ
　　　　　んの役は、やはり理々子の友人で、両親のいないジャズ歌手の野添ミチ。

　　　夜の配当
　　　　監督／田中重雄　脚本／田口耕三　撮影／高橋通夫　音楽／木下忠司
　　　　出演／田宮二郎、藤由紀子、高松英郎、見明凡太朗、山茶花究、浜田ゆう子、八潮悠子、
　　　　　　　倉田マユミ、角梨枝子、竹村洋介、仲村隆、杉田康、早川雄三、夏木章、北城寿太郎、
　　　　　　　小山内淳、花布辰男、伊東光一、三角八郎（後に八廊）、丸山修、谷謙一、小原利之、
　　　　　　　大山健二、高村栄一、町田博子、新宮信子、藍三千子、田中三津子、長谷川峯子、
　　　　　　　橋本力、藤山浩二、網中一郎、工藤堅太郎、伊達正、隅田一男、
　　　　　　　長田健二（後に豪健司）、津田駿二（後に駿）、中田勉、武江雄義、
　　　　　　　川島真二（後に河島尚真）、森矢雄二　●　赤沢未知子？〔クレジットなし〕、
　　　　　　　志保京助？〔同〕、三夏伸（後に紳）〔同〕、石黒三郎〔同〕、竹内哲郎〔同〕、
　　　　　　　高山（後に東）京子？〔同〕、清原万栖子？〔同〕、吉葉千太郎（後に千郎）〔同〕、
　　　　　　　佐山真次〔同〕、九段吾郎〔同〕、森一夫〔同〕、杉森麟〔同〕、中原健〔同〕、
　　　　　　　高田宗彦〔同〕、真杉美智子〔同〕、佐藤八郎（後に喜多大八）〔同〕、他
　　　　…梶山季之原作の同名小説の映画化作品。この作品を“黒”シリーズの第6作とするという説も
　　　　　ありますが？？？。八年間勤めた大手繊維会社“世界レーヨン”を辞めて“伊夫伎〔いぶき〕
　　　　　トラブル・コンサルタント”を開業する伊夫伎亮吉（田宮二郎）が、産業スパイ事件で“世界
　　　　　レーヨン”と戦う物語。亮吉への愛情と、カリエスの弟の病院費を得るためから、スパイ行為
　　　　　を引き受けた“世界レーヨン”の秘書・小泉かおる（藤由紀子）だが、変貌して行く亮吉の姿
　　　　　が恐ろしくなって会社を辞め、バー“シシリア”のホステスに。次に亮吉がスパイ行為を依頼
　　　　　するのは、デザイン課の一井〔いちのい〕鮎子（浜田ゆう子）。彼女の名前でショーを行なう
　　　　　ことを条件に、将来は自分の店をパリで開きたいと考える鮎子はスパイを行ない、後に洋裁店
　　　　　“アコ”を開く。倉田マユミさんの役は、“世界レーヨン”と契約している服飾デザイナーの
　　　　　藤原ミチコ、角梨枝子さんの役は、赤坂の料亭の女将で“世界レーヨン”の常務・石神（山茶
　　　　　花究）の愛人・徳光せつ。《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　　第三の影武者
　　　　監督／井上梅次　脚本／星川清司　撮影／本多省三　音楽／鏑木創
　　　　出演／市川雷蔵〔二役〕、高千穂ひづる〔松竹〕、万里昌代、小林勝彦、天知茂、島田竜三、
　　　　　　　石黒達也、角梨枝子、金子信雄、伊達三郎、守田学（後に学哉）、浅野進治郎、
　　　　　　　浜田雄史、南条新太郎、荒木忍、尾上栄五郎、高見国一、中野清、不破潤、堀北幸夫、
　　　　　　　藤川準、井上明子、南部彰三、木村玄（後に元）、菊野昌代士、志賀明、大林一夫、
　　　　　　　森宏之、上原寛二、千石泰三、谷口昇　●　酒井修三（後に修）〔クレジットなし〕、他
　　　　…南条範夫原作作品。市川雷蔵さんの役は、三田谷城城主・池本安高とその影武者・二宮杏之助
　　　　　。安高の影武者になってから三ヶ月、杏之助は、安高の側室・小萩（万里昌代）にも悟られな
　　　　　いほどになっていたが、安高が合戦で左目を失明すると杏之助も左目を潰されることに。夜襲
　　　　　で安高が右腕を失い、このままでは右腕も切り落とされかねないと思った杏之助は安高を殺害
　　　　　、一国一城の主となる。しかし、正体を暴かれてしまい、城の座敷牢に閉じ込められてその生
　　　　　涯を終えるという話。高千穂ひづるさんの役は、桜洞城城主・三木自綱（荒木忍）の息女・照
　　　　　姫。《情報提供／由美子さん／ツカさん》

　　　悪名市場
　　　　監督／森一生　脚本／依田義賢　撮影／今井ひろし　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／勝新太郎、瑳峨三智子〔松竹〕、田宮二郎、芦屋雁之助、芦屋小雁、茶川一郎、
　　　　　　　白木みのる、曽我我廼家五郎八、藤田まこと〔松竹〕、藤原礼子（後に麗子）、
　　　　　　　真城千都世、島田竜三、田中春男、花沢徳衛、永田靖、松居茂美、東良之助、
　　　　　　　杉山昌三九、西岡慶子、毛利郁子、高森チズ子、近江輝子、寺島雄作、横山アウト、
　　　　　　　玉置一恵、橋本力、芝田総二、沖時男（後にときお）、志賀明、越川一、西岡弘善、
　　　　　　　前川広三、黒木英男（後に現）、酒井修三（後に修）、伊東裕則、北野拓也　●
　　　　　　　岩田正？〔クレジットなし〕、薮内武司？〔同〕、他
　　　　…“悪名”シリーズ第6作。詐欺師・柿本（田中春男）のせいで刑務所に入れられる清次（田宮
　　　　　二郎）。朝吉（勝新太郎）は日本海浜協会の村井こと柿本を追って香川県を訪れる。何と柿本
　　　　　はニセの朝吉こと一郎（芦屋雁之助）とニセの清次こと二郎（芦屋小雁）を操っている。そこ
　　　　　で朝吉は、義姉のお照（藤原礼子〔後に麗子〕）に保釈してもらった清次と合流、柿本の親分
　　　　　でもある追風〔おいて〕組の元締め・鷺山（松居茂美）たちを退治するというのが大筋。瑳峨
　　　　　三智子さんの役は、港通りでパチンコ店“ヴイナス”を経営する咲枝、西岡慶子さんの役は、
　　　　　パチンコ店“ヴイナス”の店員・初子。そしてラストの船上では、藤田まことさん扮するもう
　　　　　一人のニセ者の清次が、清次のテーマ曲を歌いながら現われるあたりが秀逸です。
　　　　　♪ワイも　いっちょう　ヤッたろか　／　ジス・イズ・トラブル　まかしとけ
　　　　　　ドヤのあの娘（こ）が　アイ・ラブ・ユー　／　清次兄キのド根性
　　　　　そして、同じ恰好をするな…と、お得意のフレーズで本物の清次を脅します。
　　　　　三郎「耳から手ェ突っ込んで、奥歯ガタガタ言わしたろか！？」（笑）。
　　　　　“Impostors' Paradise”の英語題名があるようです。

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　　5月

　　　赤い水
　　　　監督／山本薩夫　脚本／山本薩夫、柳沢類寿、山形雄策　撮影／小林節雄　音楽／池野成
　　　　出演／船越英二、八波むと志〔東宝〕、伊藤雄之助、滝瑛子、中田康子、森光子〔東宝〕、
　　　　　　　川崎敬三、城健三朗（後に若山富三郎）、山茶花究、宇野重吉、
　　　　　　　織田政雄（後に真佐男）、多々良純、大辻伺郎（後に司郎）、北城寿太郎、石井竜一、
　　　　　　　加藤嘉、潮万太郎、小山内淳、三角八郎（後に八廊）、星ひかる、高村栄一、伊達正、
　　　　　　　大山健二、南方伸夫、丸山修、花布辰男、酒井三郎、山口健、小杉光史、
　　　　　　　春本富士夫（後に泰男）、村田知栄子、平井岐代子、響令子、竹里光子、岡崎夏子、
　　　　　　　橘喜久子、町田博子、谷謙一、橋本力、中田勉、河原侃二、遠藤哲平、ジョー・オハラ、
　　　　　　　杉森麟、高田宗彦、杉山明、毛利敏夫、此木透、隅田一男、槙俊夫、当銀長次郎、
　　　　　　　新宮信子、耕田久鯉子、松村若代、藍三千子、明石百合子、花村泰子、清原万栖子、
　　　　　　　松浦いづみ、園八雲　●　竹内哲郎〔クレジットなし〕、三島愛子〔同〕、
　　　　　　　三浦友子〔同〕、日高加月枝〔同〕、真杉美智子〔同〕、白井玲子〔同〕、
　　　　　　　佐々木正時〔同〕、田中三津子〔同〕、津田駿二（後に駿）〔同〕、中原健〔同〕、
　　　　　　　本郷功次郎〔同〕、叶順子（写真のみ）〔同〕、他
　　　　…杉浦明平原作作品。ある地方都市・ツバメ町では、地方事務所所長の野沢（山茶花究）が、酔
　　　　　った勢いで温泉が出ると口走ったことから騒動になり、町長の福田（織田政雄〔後に真佐男〕
　　　　　）たちも一儲けし損なうという顛末に、地方自治批判を絡めた佳作。滝瑛子さんの役は、町議
　　　　　会の議長でもある福住（船越英二）が営む料亭“福住”の仲居・ふみ子、森光子さんの役は、
　　　　　うどん屋の“リキ”こと大川利吉（八波むと志）の妻・お勝。

　　　　　→詳細データ　

　　　温泉あんま
　　　　監督／木村恵吾　脚本／下飯坂菊馬、小滝光郎、桜井康裕　撮影／石田博　音楽／小川寛興
　　　　出演／林成年、高千穂ひづる、川崎敬三、伊藤雄之助、柳家金語楼、叶順子、多々良純、
　　　　　　　八波むと志、宮川和子、三原葉子、若水ヤエ子、小笠原まり子、紺野ユカ、渋沢詩子、
　　　　　　　加茂良子、若松和子、市田ひろみ、響令子、耕田久鯉子、穂高のり子、大西恭子、
　　　　　　　村田知栄子、山茶花究、大辻伺郎（後に司郎）、潮万太郎、他
　　　　…“温泉”シリーズの第2作だとか。斉藤米二郎原作作品。平和な温泉郷は美人あんまの一派と
　　　　　温泉芸者の一派で二分されている修徳寺という温泉郷で、美人あんまNo.1の桐子（叶順子）
　　　　　と温泉芸者の〆奴（高千穂ひづる）が対立しながら、パラジリアンという国のオリンピック選
　　　　　手団の誘致運動に励むというのが大筋。

　　　江戸無情
　　　　監督／西山正輝　脚本／犬塚稔、松村正温　撮影／武田千吉郎　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／長谷川一夫、坪内ミキ子、津川雅彦、天知茂、近藤美恵子、千之赫子、阿井美千子、
　　　　　　　松本錦四郎、丹羽又三郎、島田竜三、柳永二郎、沢村宗之助、嵐三右衛門、浜世津子、
　　　　　　　寺島貢、石黒達也、水原浩一、玉置一恵、沖時男（後にときお）、高原朝子、
　　　　　　　高森チズ子、里中位子、高木峰子、他
　　　　…富田常雄原作作品。大奥女中たちが美男の僧・日道（島田竜三）目当てにやってくる谷中の延
　　　　　命院を不審に思った寺社奉行・脇坂淡路守（長谷川一夫）が、日道を操る柳全（沢村宗之助）
　　　　　や、その配下の浪人・近藤辰之助（天知茂）たちの悪事を暴くというのが大筋。坪内ミキ子さ
　　　　　んの役は、淡路守の密偵・つや、津川雅彦さんの役は、その恋人の名越兵馬、千之赫子さんの
　　　　　役は、小料理屋“万太”の看板娘・お蔦。

　　　手討
　　　　監督／田中徳三　脚本／八尋不二　撮影／牧浦地志　音楽／伊福部昭
　　　　出演／市川雷蔵、藤由紀子、城健三朗（後に若山富三郎）、佐々十郎、柳永二郎、阿井美千子、
　　　　　　　真城千都世、小桜純子、毛利郁子、細川ちか子、加藤嘉、名和宏、菅井一郎、
　　　　　　　成田純一郎（後に加藤博司）、中村豊（後に猿若清三郎）、矢島陽太郎、浅野進治郎、
　　　　　　　香川良介、荒木忍、伊達三郎、尾上栄五郎、南条新太郎、松浦いづみ、高森チズ子、
　　　　　　　木村玄（後に元）、山中登志子、小林加奈枝、他
　　　　…旗本の新藤源次郎（城健三朗〔後に若山富三郎〕）はあくびが原因で切腹するはめになる。こ
　　　　　れを機に旗本と大名の仲が険悪になり、旗本たちは“白柄組”を結成し、各所で大名と問題を
　　　　　起こす。そのため自らが頭領となった青山播磨（市川雷蔵）だが、加賀藩の大名行列と大乱闘
　　　　　になるに至り、播磨は責任を取ることに…という岡本綺堂原作作品。藤由紀子さんの役は、播
　　　　　磨の愛情を試すために家伝の皿を割る腰元・お菊。

　　　対決
　　　　監督／安田公義　脚本／柳川真一　撮影／本田平三　音楽／渡辺宙明
　　　　出演／藤巻潤、藤村志保、小林勝彦、稲垣美穂子、島田竜三、浜村純、毛利郁子、小桜純子、
　　　　　　　永田靖、伊達三郎、南条新太郎、玉置一恵、木村玄（後に元）、水原浩一、美吉かほる、
　　　　　　　小林加奈枝、他
　　　　…南条範夫原作《無明逆流れ》の映画化作品。師匠・岩本虎眼（永田靖）の手によって盲目とな
　　　　　った剣術使いの伊良子清玄（藤巻潤）が、虎眼の愛人・いく（藤村志保）と木曽山中で修行を
　　　　　行ない、再び道場に戻ってきて、師匠を倒し、弟子の藤木源之助（小林勝彦）の片腕も切り落
　　　　　とす。その後、ある藩同士のいさかいに巻き込まれた清玄と源之助が三たび戦うことになると
　　　　　いうのが大筋。稲垣美穂子さんの役は、虎眼の娘・三重。

　　6月

　　　わたしを深く埋〔うず〕めて
　　　　監督／脚本／井上梅次　撮影／渡辺徹　音楽／伊部晴美
　　　　出演／若尾文子、田宮二郎、川崎敬三、浜田ゆう子、江波杏子、安部徹、北原義郎、
　　　　　　　村上不二夫、紺野ユカ、竹村洋介、守田学（後に学哉）、中条静夫、大川修、星ひかる、
　　　　　　　伊東光一、ジョー・オハラ、中田勉、小山内淳、飛田喜佐夫、中原健、
　　　　　　　原田■（言ベンに玄）、竹内哲郎、大塚弘、小杉光史、長田健二（後に豪健司）、
　　　　　　　青山良彦、杉森麟、花井弘子、田中三津子、藤江津子（後に十和田翠）、有島圭子、
　　　　　　　須藤恒子　●　志保京助〔クレジットなし〕、此木透〔同〕、真杉美智子〔同〕、
　　　　　　　石黒三郎〔同〕、他
　　　　…ハロルド・Q・マスル原作作品。九州への出張を早く切り上げて帰って来た弁護士・中部〔ナ
　　　　　カベ〕京介（田宮二郎）のマンションでヌードダンサーの“ミッチイ丘”（浜田ゆう子）が変
　　　　　死するが、彼女は交通事故で死んだ富豪・徳丸正三郎（伊東光一）の遺産相続人だったことか
　　　　　ら、京介は事件に巻き込まれる。そのうち、京介の幼なじみ・芥川一郎（川崎敬三）も殺され
　　　　　て…というサスペンスもの。若尾文子さんの役は、芥川と離婚調停中の妻・千津、江波杏子さ
　　　　　んの役は、徳丸の姪・徳丸めぐみ、田中三津子さんの役は、徳丸と郷田興業の社長・郷田隆造
　　　　　（安部徹）と二重結婚をしていたナイトクラブのホステス・松本恵子、紺野ユカさんの役は恵
　　　　　子の兄・秀雄（大川修）の愛人である“デコ”。英語題名として“Bury Me Deep”があるよう
　　　　　です。《情報提供／ツカさん／由美子さん》

　　　　　→詳細データ　

　　　黒の死球〔デッドボール〕
　　　　監督／瑞穂春海　脚本／田口耕三　撮影／中川芳久　音楽／池野成
　　　　出演／宇津井健、藤由紀子、倉石功、近藤美恵子、浦辺粂子、菅井一郎、河野秋武、神山繁、
　　　　　　　風間圭二郎、北原義郎、杉田康、早川雄三、花布辰男、丸山修、村上不二夫、
　　　　　　　春本富士夫（後に泰男）、小原利之、伊達正、飛田喜佐夫、南方信夫、大山健二、
　　　　　　　遠藤哲平、渡辺鉄弥、小山内淳、丸井太郎、酒井三郎、村田扶実子、小笠原まり子、
　　　　　　　田中三津子、藤野千佳子、花井弘子、三島愛子、大西恭子、池上多加子、
　　　　　　　高山（後に東）京子、市田ひろみ、中田勉、此木透、隅田一男、佐々木正時、杉森麟、
　　　　　　　武江義雄、竹内哲郎、原田■（言ベンに玄）、山中雄司、小杉光史、中原健、飯塚昌二、
　　　　　　　三夏伸（後に紳）、清水昭、網中一郎、沢善郎、中川邦彦、吉葉千太郎（後に千郎）、
　　　　　　　長田健二（後に豪健司）、津田駿二（後に駿）　●　志保京助？〔クレジットなし〕、他
　　　　…“黒”シリーズ第4作（第7作という計算方法もあるようです）。高原弘吉原作《あるスカウ
　　　　　トの死》の映画化作品。元・球団イーグルスのピッチャーで、現在ではルビースのスカウトマ
　　　　　ンをしている柏木茂久（宇津井健）が、高校野球ナンバーワンの左腕投手・菊川浩（倉石功）
　　　　　を狙っていたイーグルスの先輩スカウトマン（柏木をスカウトしてイーグルスに入団させた恩
　　　　　人）・浜田信一（河野秋武）の死に疑問を持ったことから事件に巻き込まれるというのが大筋
　　　　　。藤由紀子さんの役は、浜田の娘で画廊に勤務するしず子、近藤美恵子さんの役は、キャバレ
　　　　　ー“銀馬車”のホステス・竹村伸子、市田ひろみさんの役は、銀座のバー“MAIDEN”のマ
　　　　　ダム。《情報提供／ツカさん》

　　　囁く死美人
　　　　監督／村山三男　脚本／目白一夫　撮影／宗川信夫　音楽／土橋啓二
　　　　出演／川崎敬三、万里昌代、浜田ゆう子、緋桜陽子、響令子、堀川真智子、花布辰男、
　　　　　　　小原利之、中条静夫、夏木章、伊東光一、小笠原まり子、緑愛子、沖良子、
　　　　　　　高山（後に東）京子、松浦いづみ、伊達正、長田健二（後に豪健司）、高見貫、
　　　　　　　佐藤八郎（後に喜多大八）、山中雄司、武江義雄　●
　　　　…原田光夫原作作品。河田病院の院長の娘・令子（浜田ゆう子）との結婚話が持ち上がり、愛人
　　　　　の看護婦で妊娠三ヶ月である丹羽不二子（万里昌代）が邪魔になった青年外科医・菅英一（川
　　　　　崎敬三）が事故に見せかけて不二子を殺す。しかし半年後、令子と暮らす英一の周りに殺した
　　　　　はずの不二子の影がちらつき始めるという話（ネタばれになりますが、不二子は双子の妹で、
　　　　　万里昌代さんがその姉にも扮しています）。万里昌代さんが美しいだけに、より怖いのです。
　　　　　テレビドラマ『ザ・ガードマン』の怪談シリーズの原形のような雰囲気の現代劇ですね。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　怪談鬼火の沼
　　　　監督／加戸敏　脚本／浅井昭三郎　撮影／竹村康和　音楽／高橋半
　　　　出演／城健三朗（後に若山富三郎）、小林勝彦、近藤美恵子、高野通子、丹羽又三郎、
　　　　　　　中田ダイマル、中田ラケット、沢村宗之助、山路義人〔松竹〕、浜村純、天野一郎、
　　　　　　　浦辺粂子、浜田雄史、戸村昌子、三藤愛子（後に頼枝）、里見弥生、井上武夫　●
　　　　…天領地問題を巡って不正を行なった将軍付きの御数寄屋坊主頭・榎本宗伯（沢村宗之助）を恨
　　　　　んで斬りかかってきた奥州戸田藩国家老・篠原甚左衛門（浜村純）とそのお付きの男・左平次
　　　　　（浜田雄史）を斬り捨てた宗伯の甥・戸畑敬助（小林勝彦）は、宗伯から遊ぶ金を無心するよ
　　　　　うになるが、次第にしぶる叔父を殺害することを目論む。ところが間違って宗伯のお気に入り
　　　　　の侍女・八重（高野通子）を宗伯が花を育てている温室に閉じ込めていぶり殺してしまう。八
　　　　　重の安否を気づかうその兄で旅回りの役者・清蔵（丹羽又三郎）までも遊び仲間の浪人・仁科
　　　　　三郎太（城健三朗〔後に若山富三郎〕）に依頼して殺させて井戸に放り込んでしまう。その後
　　　　　、怪しい幽霊事件が起こり始める。実は篠原甚左衛門の息子であった三郎太と左平次の弟であ
　　　　　った清蔵が組んで復讐を行なっていたということが判るというのが大筋。近藤美恵子さんの役
　　　　　は、宗伯の妾で敬助の愛人・お蓮。併映作品は『囁く死美人』のようです。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　てんやわんや次郎長道中
　　　　監督／森一生　脚本／八尋不二　撮影／今井ひろし　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／市川雷蔵、坪内ミキ子、姿美千子、藤原礼子（後に麗子）、ミヤコ蝶々、南都雄二、
　　　　　　　真城千都世、名和宏、島田竜三、芦屋雁之助、芦屋小雁、茶川一郎、夢路いとし、
　　　　　　　喜味こいし、藤田まこと〔松竹〕、天王子虎之助、平参平、白木みのる、寺島雄作、
　　　　　　　伊達三郎、芝田総二、若杉曜子、　西川ヒノデ、北野拓也、愛原光一、藪内武司、
　　　　　　　細谷新吾（後に日高晤郎）、千石泰三、馬場勝義、有村（後に勝村）淳、森内一夫、
　　　　　　　谷口和子、滝のぼる、戸村昌子、三藤愛子（後に頼枝）、高森チズ子、金泥阿字子、
　　　　　　　山中登志子、美吉かほる　●
　　　　…黄金が出たと騒ぐ男金〔おがね〕という宿場町にやって来て、顔役である長兵衛（喜味こいし
　　　　　）の元にわらじを脱いで事件に巻き込まれて行く謎の旅鴉（市川雷蔵）、彼の正体は？（ネタ
　　　　　ばらしになりますが、もちろん彼こそが清水の次郎長）というミステリータッチのコメディ時
　　　　　代劇。木挽きの久助（寺島雄作）とその孫娘・おかよ（姿美千子）が所有する山吹谷から金が
　　　　　採れるらしいというので、悪代官・芹沢九郎二郎（名和宏）が、宿場の顔役である長兵衛（喜
　　　　　味こいし）とあいまい宿の主人・“美濃辰”（夢路いとし）、料亭“尾州屋”の主人・大八（
　　　　　天王子虎之助）と結託して乗っ取りを企てる。主人公が芹沢を父の仇と付け狙う女郎に売られ
　　　　　た娘・おきん（坪内ミキ子）やおかよを助け、宿場の女目明かし・お安（藤原礼子〔後に麗子
　　　　　〕）の協力も得て、悪玉を退治するというのが大筋。関西の喜劇俳優さんが大挙して登場、居
　　　　　酒屋“お蝶”の女将・お蝶にはミヤコ蝶々さんが、旅の僧（実は森の石松）には藤田まことさ
　　　　　んが、槍を持った浪人（実は大政）には芦屋雁之助さんが、あいまい宿“美濃辰”の新米の板
　　　　　前（実は小政）には南都雄二さんが、山伏（実は法印大五郎）には芦屋小雁さんが、お蝶の亭
　　　　　主・みの吉には茶川一郎さんが、小坊主・珍念には白木みのるさんが扮しています。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　　視界ゼロの脱出
　　　　監督／村野鐵太郎　脚本／安藤日出男　撮影／渡辺公夫　音楽／山内正
　　　　出演／本郷功次郎、三条江梨子（後に魔子）、中田康子、高松英郎、見明凡太郎（凡太朗）、
　　　　　　　大辻伺郎（後に司郎）、三田村元、川畑愛光、石井竜一、藤山浩二、千波丈太郎、
　　　　　　　橋本力、森矢雄二、早川雄三　●
　　　　…保管用バッグの中のドライアイスが溶け始めるタイムリミットの午後4時までに鹿児島から奄
　　　　　美大島へ到着するという依頼を受けた富士航空のパイロット・東健一（本郷功次郎）。看護婦
　　　　　の並木玲子（三条江梨子〔後に魔子〕）を乗せて離陸した双発のセスナ機“ボナンザ”だった
　　　　　が、奄美大島そばにある珊瑚礁に囲まれたサソリ島の台風観測所からの緊急通信を受けて着陸
　　　　　すると、そこにはニセ札を持ったギャング団が待ち受けていて…というアクションもの。中田
　　　　　康子さんの役は、ニセ札を売りさばこうとしているギャング団のボス・エミ（父親もニセ札を
　　　　　印刷していたらしい）、高松英郎さんの役は、その部下で、2,500時間くらいの飛行経験のあ
　　　　　る三上。指宿近辺でオールロケされているようです。《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　7月

　　　雑兵物語
　　　　監督／池広一夫　脚本／小国英雄　撮影／宮川一夫　音楽／浜口庫之助
　　　　出演／勝新太郎、船越英二、藤村志保、小林勝彦、柳家金語楼〔東宝〕、ミヤコ蝶々、
　　　　　　　中村豊（後に猿若清三郎）、柳谷寛、遠藤辰雄（後に太津朗）、山路義人〔松竹〕、
　　　　　　　堺駿二、伊達三郎、丸山修、水原浩一、三角八郎（後に八廊）、尾上栄五郎、
　　　　　　　沖時男（後にときお）、東良之助、寺島雄作、太平洋子、今喜多代（後に今日規汰代）、
　　　　　　　横山アウト、平和日佐丸、平和ラッパ、ノック（漫画トリオ。横山ノック）、
　　　　　　　フック（漫画トリオ。後に青芝フック）、パンチ（漫画トリオ。後に上岡龍太郎）、
　　　　　　　越川一、三上哲、三浦志郎、山岡鋭冶郎（鋭二郎）、黒木英男（後に現）、
　　　　　　　細谷慎吾（新吾。後に日高晤郎）、滝のぼる、美吉かほる　●
　　　　…清水崑原作作品。戦国時代、荒れた寒村・〔トミオカ〕村にも織田信長（小林勝彦）率いる南
　　　　　軍から徴兵のおふれが届く。和尚の了海（柳家金語楼）たちは、茂平（勝新太郎）を中心に、
　　　　　弥十（船越英二）や仙太（堺駿二）、優男の猪之吉（中村豊〔後に猿若清三郎〕）、五郎八（
　　　　　横山アウト）、孫六（遠藤辰雄〔後に太津朗〕）、藤七（三角八郎〔後に八廊〕）などの十三
　　　　　名に加え、女性である於莵〔オト〕（藤村志保）や仙太の妻で妊婦である大女のおたつ（太平
　　　　　洋子）までに男装をさせて頭数を揃えるというムチャな一兵団を作る。彼らは、二つの軍の勝
　　　　　敗を博打のネタにしたり、おたつの出産で敵にお帰りいただいたり（笑）、敵方にいる隣の〔
　　　　　キタノショウ〕村の知人・留吉（横山ノック）と示し合わせて両軍の旗を盗んで交換、うまく
　　　　　立ち回ったり、戦地の遺留品を盗品買いの婆（ミヤコ蝶々）に売ったりして生き延びる。つい
　　　　　には、信長が南蛮商人から買い受けた新型爆弾“国崩し”を清州城まで運ぶ仕事を引き受ける
　　　　　…。

　　　風速七十五米〔メートル〕
　　　　監督／田中重雄　脚本／高岩肇、田口耕三　撮影／高橋通夫　音楽／木下忠司
　　　　出演／田宮二郎、叶順子、宇津井健、高松英郎、北原義郎、菅原謙二（後に謙次）、
　　　　　　　浜田ゆう子、見明凡太朗、菅井一郎、村上不二夫、早川雄三、北城寿太郎、星ひかる、
　　　　　　　竹村洋介、伊東光一、夏木章、伊達正、小山内淳、中田勉、大川修、須賀不二夫、
　　　　　　　横山明、川島真二（後に河島尚真）、森一夫、山中雄司、網中一郎、松山新二、
　　　　　　　藤江津子（後に十和田翠）、田中三津子、町田博子　●　橋本力？〔クレジットなし〕、他
　　　　…東洋一の巨大なネオン塔の建設を巡る陰謀で殺人事件が起こり、殺された丸高組の社長の娘・
　　　　　丸山照子（叶順子）が工事を継ぐことになる。名古屋にある遠道興業の社長・遠道（菅井一郎
　　　　　）の部下である木谷明（田宮二郎）と照子、毎朝新聞社会部の記者・田村信一郎（宇津井健）
　　　　　の三人は大学での同級生。そんな中、ネオン塔完成間近の東京へ大型の台風が近付いてくる…
　　　　　。東京を台風と津波が襲うシーンが見ものです。浜田ゆう子さんの役は、丸高組の設計者・山
　　　　　口安治（菅原謙二〔後に謙次〕）の妻・広子。

　　　　　→詳細データ　

　　　ぐれん隊純情派
　　　　監督／増村保造　脚本／増村保造、小滝光郎　撮影／小林節雄　音楽／池野成
　　　　出演／本郷功次郎、三条江梨子（後に魔子）、藤巻潤、中村鴈治郎（二代目）、
　　　　　　　千波丈太郎〔新スター〕、大辻伺郎（後に司郎）、中村是好、藤原礼子（後に麗子）、
　　　　　　　宮川和子、弓恵子、ミヤコ蝶々、北城寿太郎、三角八郎（後に八廊）、大川修、
　　　　　　　伊東光一、春本富士夫（後に泰男）、花布辰男、大山健二、早川雄二（雄三）、
　　　　　　　星ひかる、高村栄一、当銀長次郎、杉田康、守田学（後に学哉）、小原利之、谷謙一、
　　　　　　　夏木章、小山内淳、藤山浩二、中条静夫、穂高のり子、三木裕子、須藤恒子、町田博子、
　　　　　　　伊達正、飛田喜佐夫、南方伸夫、橋本力、河原侃二、此木透、山中雄司、佐々木正時、
　　　　　　　佐藤八郎（後に喜多大八）、森矢雄二、網中一郎、篠崎一豊、原田■（言ベンに玄）、
　　　　　　　三島愛子、松村若代、清原万栖子、池上多加子、竹里光子　●
　　　　　　　工藤堅太郎〔クレジットなし〕、長谷川峰子〔同〕？、響令子〔同〕？
　　　　…藤原審爾原作作品。組が解散になり、その日暮らしの落ち目のチンピラ・中村銀之助（本郷功
　　　　　次郎）、その兄貴分の松（藤巻潤）、豊（千波丈太郎）らが、死んだ銀之助の父親・妻三郎が
　　　　　座長だった旅役者の一座を継ぐことになる。松と豊は、この一座を売り払って金儲けをしよう
　　　　　と企んでいたが、次第に芝居にのめり込むようになるというのが大筋。三条江梨子（後に魔子
　　　　　）さんの役は、一座の興業先である上州のとある町の篠原病院の病院長の娘で、銀之助と恋仲
　　　　　になる雅子。“Hooligans, Pure Thoughts”の英語題名があるようです。
　　　　　　《情報提供／由美子さん／ツカさん》

　　　温泉女中
　　　　監督／瑞穂春海　脚本／高橋二三　撮影／中川芳久　音楽／伊部晴美
　　　　出演／滝瑛子、川崎敬三、姿美千子、伊藤雄之助、益田喜頓、清川玉枝、森川信、村田知栄子、
　　　　　　　渋沢詩子、紺野ユカ、藤江津子（後に十和田翠）、響令子、半谷光子、若松和子、
　　　　　　　宮川和子、螢雪太朗、小山内淳、花井弘子、守田学（後に学哉）、高山（後に東）京子、
　　　　　　　市田ひろみ、岡崎夏子、田中三津子、吉見明子、南雲鏡子、他
　　　　…“温泉”シリーズ第3作。ある温泉旅館を舞台に、女中たちが若旦那・幸一（川崎敬三）の嫁
　　　　　取り問題を巡って画策するというのが大筋。滝瑛子さんの役は、一番の美人女中・美代、姿美
　　　　　千子さんの役は、その妹でやはり女中になる弓子、紺野ユカさんの役も女中・富江、渋沢詩子
　　　　　さんの役も女中・ウタ。

　　8月

　　　続忍びの者
　　　　監督／山本薩夫　脚本／高岩肇　撮影／武田千吉郎　音楽／渡辺宙明
　　　　出演／市川雷蔵、山村聡（後に聰）、藤村志保、坪内ミキ子、城健三朗（後に若山富三郎）、
　　　　　　　天知茂、東野英治郎、永井智雄、石黒達也、松本錦四郎、山本圭、沢村宗之助、
　　　　　　　須賀不二男、伊達三郎、荒木忍、南条新太郎、市川謹也（後に蝙蝠〔二代目〕）、
　　　　　　　浅尾奥山、浜田雅史、玉置一恵、沖時男（後にときお）、原聖四郎、越川一、小柳圭子、
　　　　　　　小林加奈枝、他
　　　　…“忍びの者”シリーズ第2作。本能寺の変を中心に歴史的事実を交え推理劇風に仕上げた村山
　　　　　知義原作作品。織田信長（城健三朗〔後に若山富三郎〕）の伊賀攻めで伊賀の里は潰され、忍
　　　　　者狩りが続けられ、下忍・石川五右衛門（市川雷蔵）と妻・マキ（藤村志保）は子供を殺され
　　　　　、復讐を誓う。徳川方の忍者・服部半蔵（天知茂）から情報を得た主人公は、本能寺でついに
　　　　　信長を討つが、今度は羽柴秀吉（東野英治郎）に命を狙われ、マキも殺される。秘術で聚楽第
　　　　　に忍び込むが鴬張りの廊下に気付かず捕えられ、三条河原で釜煎りの刑に処せられることにな
　　　　　るというのが大筋。“The Ninja Part II”の英語題名があるようです。

　　　座頭市兇状旅
　　　　監督／田中徳三　脚本／犬塚稔　撮影／牧浦地志　音楽／伊福部昭
　　　　出演／勝新太郎、高田美和、万里昌代、成田純一郎（後に加藤博司）、小林勝彦、北城寿太郎、
　　　　　　　名和宏、安部徹、松居茂美、水原浩一、嵐三右ヱ門、村瀬幸子、若杉曜子、近江輝子、
　　　　　　　羅門光三郎、玉置一恵、石原須磨男、浜田雄史、沖時男（後にときお）、堀北幸夫、
　　　　　　　藤川準、岩田正、大杉潤、越川一、志賀明、加賀美健一、西岡弘善、山岡鋭二郎、
　　　　　　　黒木英男（後に現）、種井信子、谷口和子　●
　　　　…“座頭市”シリーズ第4作。夏祭りで賑わう上州下仁田が舞台。主人公は泊まった旅人宿（元
　　　　　ヤクザだったが、五年前に先代・下仁田佐吉に縄張りを取り上げられ、追い出される代わりに
　　　　　旅籠を営んでいる）“小幡屋”の娘（実は捨て子だった）・のぶ（高田美和）と彼女の恋人で
　　　　　ある下仁田組の二代目・下仁田佐吉（成田純一郎〔後に加藤博司〕）を助け、悪玉である“矢
　　　　　切の東九郎”（安部徹）を始めとする下仁田の親分衆と、浪人・棚倉蛾十郎（北城寿太郎）と
　　　　　戦うことになる話。この回から主人公のキャラクターが若干ユーモラスになってきますね。そ
　　　　　れは第3作までで因縁のようなものを断ち切ったからだとも考えられています。しかし、この
　　　　　回では、棚倉の愛人になっている、昔、好きだったたね（万里昌代）に裏切られたような形に
　　　　　なるのですが。名和宏さんの役は、国定忠治。ほとんどが当地でのロケのように見えましたけ
　　　　　ど（笑）。“Masseur Ichi, the Fugitive”“Zatoichi, Crazy Journey”などの英語題名
　　　　　があるようです。《情報提供／ツカさん》

　　　舞妓と暗殺者
　　　　監督／三隅研次　脚本／新藤兼人　撮影／本多省三　音楽／小杉太一郎
　　　　出演／高田美和、津川雅彦、城健三朗（後に若山富三郎）、成田純一郎（後に加藤博司）、
　　　　　　　松本錦四郎、山本耕一、島田竜三、阿井美千子、真城千都世、若杉曜子、中村芳子、
　　　　　　　伊達三郎、荒木忍、近江輝子、橘公子、他
　　　　…幕末の京都が舞台。祇園の舞妓・ひな菊（高田美和）と、見廻り組の隊士に追われていたとこ
　　　　　ろを彼女が救った倒幕派の若侍・九鬼進二郎（津川雅彦）の話。島田竜三さんの役は、桂小五
　　　　　郎。

　　　女が愛して憎むとき
　　　　監督／富本壮吉　脚本／菊島隆三　撮影／小原譲治　音楽／伊部晴美
　　　　出演／若尾文子、田宮二郎、森光子〔東宝〕、江波杏子、加茂良子、仲谷昇、片山明彦、
　　　　　　　若宮忠三郎（後に大祐）、早川雄三、春本冨士夫（後に泰男）、中條（中条）静夫、
　　　　　　　夏木章、仁木多鶴子、若松和子、緋桜陽子、市田ひろみ、高村栄一、飛田喜佐夫、
　　　　　　　沢善郎、此木透、螢雪太朗、耕田久鯉子、新宮信子、田中三津子、竹里光子、石井淑子、
　　　　　　　網中一郎、吉葉千太郎（後に千郎）、長田健二（後に豪健司）、武江義雄、森一夫、
　　　　　　　森矢雄二、青山良彦、松山新一、藍三千子、奈良ひろみ、真杉美智子、
　　　　　　　一條（一条）淳子　●　佐山真次〔クレジットなし〕、宇津井健〔同〕、槙俊夫〔同〕、
　　　　　　　高田宗彦〔同〕、竹内哲郎〔同〕、他
　　　　…大阪・北新地のバー“シャトオ”を舞台に、事業に人生の全てを賭ける東京の興行プロモータ
　　　　　ー・尾関圭介（田宮二郎）と、愛に全てを捧げる“シャトオ”のマダム・生田敏子（若尾文子
　　　　　）との愛憎を描くラブロマンス。田宮二郎さんは関西弁はOKですが、若尾文子さんは不安だ
　　　　　と思っていたら、東京から大阪の造り酒屋に嫁いで来た女性という設定となっています（笑）
　　　　　。森光子さんの役は、敏子が昔働いていた大阪一の高級バー“うつみ”のマダム・内海理恵。
　　　　　尾関と敏子が京都旅行をするシーンもあり、八坂の塔や産寧坂なども登場します。また日曜日
　　　　　に敏子が出かけて理恵と会う映画館の壁には、宇津井健さんの写真が掲げてあります（笑）。
　　　　　《情報提供／由美子さん／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　9月

　　　黒の商標〔トレードマーク〕
　　　　監督／弓削太郎　脚本／長谷川公之　撮影／石田博　音楽／池野成
　　　　出演／宇津井健、藤由紀子、高松英郎、江波杏子、三島雅夫、浜村純、早川雄三、夏木章、
　　　　　　　谷謙一、南方伸夫、武江義雄、伊東光一、槙俊夫、此木透、原田■（言ベンに玄）、
　　　　　　　志保京助、津田駿二（後に駿）、杉森麟、川島真二（後に河島尚真）、沢善郎、穂積明、
　　　　　　　荒木康夫、森一夫、横山明、目黒幸子、堀川真智子、大西恭子、藤野千佳子、
　　　　　　　奈良ひろみ、吉見明子、高山（後に東）京子、沖良子、松浦いづみ、日高加月枝　●
　　　　…“黒”シリーズ第5作（第8作という計算方法もあるようです）。邦光史郎原作《仮面の商標
　　　　　》の映画化作品。国際レーヨンの調査係・井手（夏木章）が関西への出張中、列車の洗面所で
　　　　　殺された事件を発端に、同じ係の杉野浩治（宇津井健）がレーヨン原反の横流しに絡む連続殺
　　　　　人事件を追及するというのが大筋。藤由紀子さんの役は、主人公が紹介される関西地方の業界
　　　　　情報通である田子一孔（浜村純）の一人娘・雪子、江波杏子さんの役は、雪子の父の友人であ
　　　　　る悪玉・寺沢竜一（三島雅夫）の手先・垣内昭男（高松英郎）の内縁の妻・浜中順子、目黒幸
　　　　　子さんの役は、杉野の姉で、タカセ薬局を営む高瀬義夫（谷謙一）の妻・満州子。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　悪名波止場
　　　　監督／森一生　脚本／依田義賢　撮影／本多省三　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／勝新太郎、滝瑛子、田宮二郎、水原弘、藤原礼子（後に麗子）、紺野ユカ、青山ミチ、
　　　　　　　藤田まこと〔松竹〕、清川虹子、弓恵子、真城千都世、毛利郁子、太田優子、
　　　　　　　ミス・ワカサ、伊達三郎、水原浩一、矢島陽太郎、吉田義夫、天王寺虎之助、島ひろし、
　　　　　　　杉狂児、滝のぼる、谷口和子、三藤愛子（後に頼枝）、金泥阿字子、馬場勝義、
　　　　　　　和泉圭馬、北野拓也、堀田英子、ジニー・マリッチ、小林加奈枝　●
　　　　　　　越川一〔クレジットなし〕、西岡弘善〔同〕、薮内武司？〔同〕、
　　　　　　　酒井修三（後に修）〔同〕、有村（後に勝村）淳〔同〕、他
　　　　…“悪名”シリーズ第7作。四国からの帰り（ただ、前作の最後には“比叡丸”という船に乗っ
　　　　　ていたはずですが、ここでは“第二和加丸”という船で港に着きます）、広島の“鬼瓦の吉”
　　　　　（吉田義夫）と三鯛〔みつたい〕運輸株式会社の社長（伊達三郎）の一味が、おげん（清川虹
　　　　　子）率いる女ばかりの乗っている“おなご船〔ぶね〕”を利用して外国船を通じて麻薬の密売
　　　　　をさせていることを知り、朝吉（勝新太郎）と清次（田宮二郎）がこれを倒すというのが大筋
　　　　　。藤田まことさんの役は、前作と同じくニセの清次に扮する三郎、滝瑛子さんの役は、クラブ
　　　　　のホステス・悦子、紺野ユカさんの役は、三郎の妹で悦子と同居する“おなご船”の女・おと
　　　　　し、水原弘さんの役は、おとしの夫で“鬼瓦の吉”の子分・仙太郎、弓恵子さんの役は、清次
　　　　　と良い仲になる“おなご船”の一員・おみつ、青山ミチさんの役は、クラブで歌う女性。ラス
　　　　　ト、悦子の亡き姉の娘である少女・マリ（ジニー・マリッチ）にチョコレートを貰い、見送ら
　　　　　れる清次に朝吉が言います。
　　　　　朝吉「ええ友達が出来たやないけ」
　　　　　清次「そうでんにゃがな」
　　　　　朝吉「われにピッタリや」
　　　　　清次「おおきに！。…無茶、言いよんな」（笑）。
　　　　　“The Notorious Harbor”の英語題名があるようです。

　　　　　→詳細データ　

　　　末は博士か大臣か
　　　　監督／島耕二　脚本／舟橋和郎　撮影／渡辺公夫　音楽／大森盛太郎
　　　　出演／フランキー堺〔東宝〕、船越英二、藤村志保、倉石功、根上淳、渚まゆみ、轟夕起子、
　　　　　　　高松英郎、北原義郎、早川雄三、仲谷昇、南部彰三、片山明彦、見明凡太朗、
　　　　　　　北城寿太郎、杉田康、丸山修、大山健二、花布辰男、町田博子、浜世津子、高村栄一、
　　　　　　　谷謙一、飛田喜佐夫、酒井三郎、河原侃二、小山内淳、伊達正、小笠原まり子、
　　　　　　　市川容之助、南方伸夫、津田駿二（後に駿）、ジョー・オハラ、山中雄司、小杉光史、
　　　　　　　仲村隆、耕田久鯉子、平井岐代子　●　三夏伸（後に紳）〔クレジットなし〕、
　　　　　　　松村若代〔同〕？、岡崎夏子〔同〕？、竹里光子〔同〕？、橘喜久子〔同〕？、
　　　　　　　若月笙子〔同〕？、吉見明子〔同〕？、大西恭子〔同〕？、
　　　　　　　高山（後に東）京子〔同〕？、富田邦子〔同〕？
　　　　…文豪でもあり、初代・大映の社長でもあった菊池寛の伝記。芥川龍之介（仲谷昇）、夏目漱石
　　　　　（北原義郎）などの登場人物も実名で出てきます。菊池寛（フランキー堺）と運輸大臣まで勤
　　　　　めた綾部健太郎（船越英二）との友情を中心に、中学生時代から作家、政治家として大成する
　　　　　までを描いています。藤村志保さんの役は、寛の妻・包子、町田博子さんの役は、寛の母・カ
　　　　　ツ、轟夕起子さんの役は、健太郎が書生として世話になる下宿先の婦人・佐藤咲子、小笠原ま
　　　　　り子さんの役は、その下宿のお手伝いさんの一人・およし。劇中、『父帰る』が上演されるシ
　　　　　ーンがあり、市川猿之助（根上淳）が主人公の黒田賢一郎を演じます。その弟・新二郎に扮す
　　　　　る役者には倉石功さんが、その妹・おたねに扮する役者には渚まゆみさんが、彼らの母・おた
　　　　　かに扮する役者には耕田久鯉子さんが、同父・宗太に扮する役者には花布辰男さんが扮してい
　　　　　ます。《情報提供／ツカさん》

　　　温泉巡査
　　　　監督／原田治夫　脚本／高橋二三　撮影／宗川信夫　音楽／山内正
　　　　出演／伊藤雄之助、川崎敬三、姿美千子、浜田ゆう子、角梨枝子、宮川和子、加茂良子、
　　　　　　　潮万太郎、高橋元太郎、南利明、太平洋子、三升小粒、青空千夜・一夜、
　　　　　　　お笑いタッグマッチ（春風亭柳昇〔五代目〕、三笑亭夢楽、柳家小せん〔四代目〕、
　　　　　　　桂伸治〔二代目〕／後に桂文治〔10代目〕、金原亭馬の助〔初代〕、
　　　　　　　春風亭柳好〔四代目〕、三遊亭小圓馬〔四代目〕）、早川雄三、三角八郎（後に八廊）、
　　　　　　　大川修、谷謙一、飛田喜佐夫、高村栄一、伊達正、小山内淳、小原利之、藤山浩二、
　　　　　　　目黒幸子、花井弘子、橘喜久子、響令子、松村若代、橋本力、原田■〔言ベンに玄〕、
　　　　　　　杉森麟、佐々木正時、隅田一男、高見貫、武江義雄、毛利敏夫、津田駿二（後に駿）、
　　　　　　　中原健、竹里光子、三島愛子、池上多加子、藤江津子（後に十和田翠）、田中三津子、
　　　　　　　山中雄二、伊奈久男、横山明、長田健二（後に豪健司）、螢雪太朗、三夏伸（後に紳）、
　　　　　　　川島真二（後に河島尚真）、南雲鏡子、緑愛子、沖良子、高山（後に東）京子、
　　　　　　　清原万栖子、劇団ひまわり　●　九段吾郎？〔クレジットなし〕、
　　　　　　　佐藤八郎（後に喜多大八）〔同〕、藍三千子〔同〕、此木透〔同〕、佐山真次〔同〕、他
　　　　…“温泉”シリーズ第4作。静岡県内浦警察署湯の浜町巡査部長派出所に勤務する巡査部長・望
　　　　　月六郎太（伊藤雄之助）は取り締まりが厳しく、観光地として栄えないので困る湯の浜温泉の
　　　　　人々。町の旦那衆から依頼されたチンピラ・石田森松（川崎敬三）が日本一の警官として表彰
　　　　　されて警部補に昇進した望月を東京からの帰路、湯の浜町の手前の町で下車させて、様々な手
　　　　　を使って望月の生真面目な部分を柔らかくしようとするというのが大筋。姿美千子さんの役は
　　　　　、望月の娘・マリ、浜田ゆう子さんの役は、石田森松の恋人である芸者・夏子、角梨枝子さん
　　　　　の役は、石田森松と結託して一芝居打つ犬丸組の親分・千代、宮川和子さんの役は、夏子の姉
　　　　　貴分の芸者・鯉奴。《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　10月

　　　越前竹人形
　　　　監督／吉村公三郎　脚本／笠原良三　撮影／宮川一夫　音楽／池野成
　　　　出演／若尾文子、山下洵一郎、中村玉緒、中村鴈治郎（二代目）、西村晃、浜村純、伊達三郎、
　　　　　　　殿山泰司、寺島雄作、嵐三右ヱ門（三右衛門）、天野一郎、石原須磨男、村田扶実子、
　　　　　　　水島浩一、福井隆次、山岡鋭二郎、小中島亮、藪内武司、井上武夫、森宏之、
　　　　　　　黒木英男（後に現）、三木正八郎、小柳圭子、岡嶋艶子、種井信子、戸村昌子、
　　　　　　　美吉かほる、高森チズ子、山崎照子、原田清子　●
　　　　…昭和三十八年度芸術参加作品。水上勉さんの原作を映画化。越前にある貧しい竹神集落に住む
　　　　　竹細工職人・喜助〔21歳〕（山下洵一郎）は、名人と称された父親が生前愛していた芦原の
　　　　　遊郭“花見屋”の遊女・玉枝〔29歳〕（若尾文子）に母の面影を見い出し、同情からも夫婦
　　　　　になる。しかし肉体関係のないまま暮らすうち、妻は昔の客・崎山忠平（西村晃）に犯され妊
　　　　　娠、病院では妊娠四ヶ月と言われるが、堕胎にも失敗し、死んでしまう。喜助は玉枝の死後、
　　　　　竹人形も作らず、虚脱した数ヶ月を送っていたが、ある晩秋の夕方、自らもその若い命を絶っ
　　　　　たという…。中村玉緒さんの役は、ヒロインとは姉妹同然の仲である島原の遊女・お光。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　妖僧
　　　　監督／衣笠貞之助　脚本／衣笠貞之助、相良準　撮影／今井ひろし　音楽／伊福部昭
　　　　出演／市川雷蔵〔二役〕、藤由紀子、万里昌代、片岡彦三郎（後に新蔵）、小沢栄太郎、
　　　　　　　城健三朗（後に若山富三郎）、小林勝彦、近藤美恵子、中条静夫、
　　　　　　　成田純一郎（後に加藤博司）、丹羽又三郎、島田竜三、稲葉義男、花布辰男、
　　　　　　　杉山昌三九、南条新太郎、山路義人、荒木忍、近江輝子、橘公子、小松みどり、
　　　　　　　市川謹也（後に蝙蝠〔二代目〕）、他
　　　　…十年間の荒行を行なった末に不思議な法力を身に付けた修行僧・行道〔後の道鏡〕（市川雷蔵
　　　　　）が女帝（藤由紀子）の寵愛を受けることになるが、自分の権勢を守るために太政大臣・藤原
　　　　　良勝（城健三朗〔後に若山富三郎〕）が刺客を放って暗殺しようと企てる。“Priest and
　　　　　Empress”“Bronze Magician”“The Sorcerer”の英語題名があるようです。

　　　犯罪作戦NO.1
　　　　監督／井上梅次　脚本／高岩肇　撮影／渡辺徹　音楽／伊部晴美
　　　　出演／田宮二郎、本郷功次郎、藤巻潤、待田京介、滝瑛子、江波杏子、角梨枝子、根上淳、
　　　　　　　安部徹、北原義郎、北城寿太郎、村上不二夫、守田学（後に学哉）、山本礼三郎、
　　　　　　　春本富士夫（後に泰男）、花布辰男、中条静夫、藤山浩二、竹村洋介、小山内淳、
　　　　　　　中田勉、大川修、谷謙一、花井弘子、高見貫、小杉光史、大庭健次朗（後に健二）、
　　　　　　　此木透、大塚弘、高田宗彦、原田■（言ベンに玄）、津田駿二（後に駿）、竹内哲郎、
　　　　　　　中原健、吉葉千太郎（後に千郎）、飯塚昌二、中川邦彦、森一夫、松沢仁、松山新一、
　　　　　　　青山良彦、志麻貴彦、穂積明、山野景章、山根圭一郎、岡英三、加波義三、後藤武彦、
　　　　　　　林啓吾　●
　　　　…汚職事件を追う中で罠にはめられてクビになった元警視庁の刑事・田村信一（田宮二郎）は、
　　　　　中央不動産の先代社長だった父親を殺されている東京射撃クラブのヘッドコーチ・中西俊郎（
　　　　　本郷功次郎）、赤坂にあるクラブ“ギンガム”のホステスで恋人の朱実（花井弘子）を奪われ
　　　　　刑務所に三年いたボクサー・杉野浩（藤巻潤）、赤倉興業に縄張りを奪われた山下辰次郎（花
　　　　　布辰男）率いる山辰組の若頭で拳銃の名手・“ピス健”こと沢本健（待田京介）を集める。田
　　　　　村と火薬のことにも詳しい中西、電気工でもある杉野、元は鳶職で身の軽い沢本、元土建屋で
　　　　　爆破のことを熟知している山辰親分たちは、建設中の“マリン温泉タワー”を爆破することを
　　　　　計画する。その結果、誰にも悪事の尻尾をつかませない暗黒街のボスの〔オオトリ〕産業の社
　　　　　長・遠藤義太郎（安部徹）や黒幕の政治家・水島仙三郎（山本礼三郎）たちが行なった悪事を
　　　　　世に知らしめ、復讐を果たすというのが大筋。江波杏子さんの役は、田村に思いを寄せるクラ
　　　　　ブ“ギンガム”のホステス・由美、角梨枝子さんの役は、悪玉たちの連絡係になっている西銀
　　　　　座五丁目にある宝石商“孔雀堂”の社長・寺田三千代、滝瑛子さんの役は、その娘・佐知子。
　　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　　ど根性一代
　　　　監督／池広一夫　脚本／松村正温、吉田哲郎　撮影／本田平三　音楽／鏑木創
　　　　出演／勝新太郎、高千穂ひづる、長谷川待子、曽我廼家明蝶、杉田康、
　　　　　　　遠藤辰雄（後に太津朗）、沖時男（後にときお）、石原須磨男、伊井美貴、上田吉二郎、
　　　　　　　堀北幸夫、藤川準、西岡弘善、千石泰三、藪内武司、岩田正、小林加奈枝、金泥阿字子、
　　　　　　　戸村昌子、小柳圭子、小松みどり　●　有村（後に勝村）淳〔クレジットなし〕、
　　　　　　　黒木英男（後に現）〔同〕、越川一〔同〕、木村玄（後に元）〔同〕、他
　　　　…今東光原作《山淑魚》を脚色。昭和初期、四国の寒村から出て来た越智平助（勝新太郎）が駅
　　　　　仲仕の仕事などを手広く請け負っている橋本組の親分“みっちゃ寅”（曽我廼家明蝶）に気に
　　　　　入られ、組員として働くうちに組の小頭である南谷音吉（杉田康）の女房・お民（高千穂ひづ
　　　　　る）と深い仲になってしまい破門となる。お民と暮らすために山伏の修行をしたり、四天王寺
　　　　　の人力車夫になったりするがどれも失敗。その後、“みっちゃ寅”に盃を返して南谷組を作っ
　　　　　た音吉が橋本組の縄張りを荒すので、平助がこれに対抗することになるというのが大筋。長谷
　　　　　川待子さんの役は、平助が一目惚れしていたお民の妹で、芸妓から遊女にまでなるお峰。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　11月

　　　巨人大隈重信
　　　　監督／三隅研次　脚本／八尋不二　撮影／小林節雄　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／宇津井健、本郷功次郎、藤巻潤、船越英二、坪内ミキ子、三条江梨子（後に魔子）、
　　　　　　　根上淳、高松英郎、大辻伺郎（後に司郎）、早川雄三、千波丈太郎、北原義郎、
　　　　　　　片山明彦、北城寿太郎、渋沢詩子、滝花（後に瀧花）久子、神山繁、内藤武敏、
　　　　　　　岡田真澄（後に眞澄）、石黒達也、川畑愛光、花布辰男、小池朝雄、佐々木孝丸、
　　　　　　　石井竜一、中条静夫、伊東光一、守田学（後に学哉）、杉田康、
　　　　　　　春本富士夫（後に泰男）、大山健二、夏木章、谷謙一、星ひかる、藤山浩二、北原隆、
　　　　　　　小原利之、橋本力、三角八郎（後に八廊）、小山内淳、工藤堅太郎、遠藤哲平、仲村隆、
　　　　　　　風間圭二郎、武江義雄、原田■（言ベンに玄）、津田駿二（後に駿）、細川啓一、
　　　　　　　佐々木正時、森矢雄二、山中雄司、横山明、森一夫、当銀長次郎、石黒三郎、
　　　　　　　長田健二（後に豪健司）、大塚弘、佐藤八郎（後に喜多大八）、
　　　　　　　大庭健次朗（後に健二）、荒木康夫、三夏伸（後に紳）、佐山真次、木村玄（後に元）、
　　　　　　　森田健二、美山伸八（後に晋八）、伊奈久男、北川裕、ピーター（・）ウィリアムス　●
　　　　　　　日高加月枝〔クレジットなし〕、白井玲子〔同〕、花村泰子〔同〕、竹里光子〔同〕、他
　　　　…大隈重信生誕125年記念の伝記映画。明治新政府の一員となった大隈重信（宇津井健）が後
　　　　　に東京専門学校（現・早稲田大学）を創設することになる物語。その他、内藤武敏さんが伊藤
　　　　　博文に、藤巻潤さんが井上馨に、高松英郎さんが山県有朋に、伊東光一さんが岩倉具視に、北
　　　　　城寿太郎さんが木戸孝允に、佐々木孝丸さんが大久保利通に、千波丈太郎さんが犬養毅に、本
　　　　　郷功次郎さんが渋沢栄一に、船越英二さんが福沢諭吉に、津田駿二（後に駿）さんが板垣退助
　　　　　に扮しています。坪内ミキ子さんの役は、主人公の妻・綾子、三条江梨子（後に魔子）さんの
　　　　　役は、中井弘（根上淳）と別れた後に井上馨と結婚するお八重、渋沢詩子さんの役は、大隈家
　　　　　の使用人・お玉。物語は明治元年三月二十三日の京都から始まります。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

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　　　眠狂四郎殺法帖
　　　　監督／田中徳三　脚本／星川清司　撮影／牧浦地志　音楽／小杉太一郎
　　　　出演／市川雷蔵、中村玉緒、城健三朗（後に若山富三郎）、小林勝彦、高見国一、
　　　　　　　扇町景子（後に川口のぶ）、真城千都世、沢村宗之助、荒木忍、南部彰三、橘公子、
　　　　　　　木村玄（後に元）、伊達三郎、藤川準、志賀明、滝川潔、大杉潤、西岡弘善、布目真爾、
　　　　　　　黒木英男（後に現）、美吉かほる　●
　　　　…“眠狂四郎”シリーズ第1作。柴田錬三郎原作作品。“転びバテレン”（キリスト教を禁止さ
　　　　　れて教えから離れてしまった宣教師や信者のこと）と武家の娘との間に生まれた孤独と虚無を
　　　　　背負った剣士・狂四郎（市川雷蔵）が、“無想正宗”という名剣と得意の“円月殺法”で、豪
　　　　　商と組んで密貿易をする加賀の前田藩の悪行を暴く話。城健三朗（後に若山富三郎）さんの役
　　　　　は、唐人・陳孫、中村玉緒さんの役は、前田藩の間者・千佐、扇町景子（後に川口のぶ）さん
　　　　　の役は、芸者・歌吉。原作者が、『大菩薩峠』の主人公・机龍之介のような、身近なものから
　　　　　付けられた名前を考えようとして、“眠り”という苗字を考えついたようですね。また原作者
　　　　　は、主人公を剣豪として描こうとしたのではなく、主人公に現代の罪悪感を背負わせて、その
　　　　　ジレンマに苦しみながら生きていく姿が見たかったのだそうです。“Enter Kyoshiro, the
　　　　　Swordsman”“Sleepy Eyes of Death: The Chinese Jade”の英語題名があるようです。
　　　　　　《情報提供／ツカさん》

　　　高校三年生
　　　　監督／井上芳夫　脚本／池田一朗　撮影／中川芳久　音楽／西山登
　　　　出演／姿美千子、高田美和、倉石功、舟木一夫〔コロムビア〕、浜田ゆう子、渚まゆみ、
　　　　　　　高野通子、村田知栄子、坪内美詠子、細川ちか子、見明凡太朗、堺正章、高橋昌也、
　　　　　　　花布辰男、阿部脩、仲村隆、中條（中条）静夫、中原健、三夏伸（後に紳）、
　　　　　　　長田健二（後に豪健司）、杉森麟、北川裕、今井荘一郎、加波義三、清水昭、松村若代、
　　　　　　　日高加月枝、高山（後に東）京子、藍三千子、沖良子、南雲鏡子、劇団ひまわり　●
　　　　　　　片山順男〔クレジットなし〕、前野霜一郎〔同〕、他
　　　　…舟木一夫さんのヒット曲を元に富島健夫原作《明日への握手》を映画化。愛知県・一宮市にあ
　　　　　る実誠高等学校の3年A組の生徒・小杉知子（姿美千子）は祖母・梅乃（細川ちか子）が権力
　　　　　を持つ老舗の織物問屋の娘だが、姉・澄子（浜田ゆう子）はそのしきたりの古さに着いて行け
　　　　　ずに家出して、恋人・瀬木登（仲村隆）の下宿で同棲している。その下宿というのが3年B組
　　　　　の本多宏（倉石功）の実家だったことがきっかけで、知子は宏に好意を抱いてしまう…。高田
　　　　　美和さんの役は、知子の同級生で銀行の支店長の娘・島津小路〔コミチ〕、渚まゆみさんの役
　　　　　は、同じく同級生の坂本けい子。《情報提供／渚さん／ツカさん》

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　　　近世名勝負物語花の講道館
　　　　監督／瑞穂春海　脚本／八尋不二　撮影／竹村康和　音楽／斎藤一郎
　　　　出演／本郷功次郎、高田美和、藤巻潤、高千穂ひづる、城健三朗（若山富三郎）、北城寿太郎、
　　　　　　　石井竜一、伊井美貴、石黒達也、尾上栄五郎、高森チズ子、杉山昌三九、他
　　　　…村松梢風原作作品。明治末期。岡山から上京した三島英之（本郷功次郎）は講道館に入門する
　　　　　。修行に耐え、腕を上げた英之は、ヤクザに絡まれている娘、義太夫一座のスター・竹本お京
　　　　　（高田美和）を助け、彼女に心を奪われてしまう。修行も疎かになり、腕が落ちていく英之。
　　　　　そんな彼が岡山の恩師・野田権三郎（石黒達也）が死んだことを契機に、修行に励む姿を描い
　　　　　ているようです。高千穂ひづるさんの役は、野田権三郎の娘・お光。

　　　座頭市喧嘩旅
　　　　監督／安田公義　脚本／犬塚稔　撮影／本多省三　音楽／伊福部昭
　　　　出演／勝新太郎、藤村志保、島田竜三、丹羽又三郎、中村豊（後に猿若清三郎）、
　　　　　　　藤原礼子（後に麗子）、沢村宗之助、水原浩一、杉山昌三九、吉田義夫、寺島貢、
　　　　　　　東良之助、寺島雄作、吉田義夫、沖時男（後にときお）、堀北幸夫、木村玄（後に元）、
　　　　　　　越川一、細谷新吾（後に日高晤郎）、千石泰三、大林一夫、黒木英男（後に現）、
　　　　　　　岩田正、志賀明、愛原光一、小中島亮、大杉潤、西岡弘善、藤春保、竹谷俊彦、
　　　　　　　三木正八郎、伊藤祐則、前川広三、上原寛二、森宏之、南正夫、徳田竹司、森内一夫、
　　　　　　　有村（後に勝村）淳、小柳圭子　●
　　　　…“座頭市”シリーズ第5作。旅の途中、悪徳城主に手込めにされかけケガをして逃げてきた娘
　　　　　・お美津（藤村志保）を救い、彼女と江戸まで同行することになり、また彼女を付け狙う悪玉
　　　　　・“岬の甚五郎”（島田竜三）やその用心棒も倒すというのが大筋。藤原礼子（後に麗子）さ
　　　　　んの役は、“岬の甚五郎”の愛人・お久。“Zatoichi on the Road”“Blind Swordsman:
　　　　　Zatoichi, Fighting Journey”“Zatoichi and the Scoundrels”“Zatoichi's Fighting
　　　　　Journey”の英語題名があるようです。《情報提供／ツカさん》

　　　黒の駐車場
　　　　監督／弓削太郎　脚本／星川清司、石松愛弘　撮影／石田博　音楽／池野成
　　　　出演／田宮二郎、藤由紀子、中田康子、穂高のり子、加茂良子、見明凡太郎、千波丈太郎、
　　　　　　　小沢栄太郎、早川雄三、中条静夫、大山健二、松村達雄、仲村隆、伊藤光一、谷謙一、
　　　　　　　川畑愛光、志保京助、杉森麟、竹内哲郎、工藤堅太郎、田中三津子、日高加月枝、
　　　　　　　藍三千子、南雲鏡子、岡崎夏子、原田■（言ベンに玄）、此木透、
　　　　　　　長田健二（後に豪健司）、武江義雄、津田駿二（後に駿）、中原健、
　　　　　　　川島真二（後に河島尚真）、穂積明、森矢雄二、山中雄司、飯塚昌二、荒木康夫、
　　　　　　　風間圭二郎、横山明、清原万栖子、十和田翠、一條淳子、大西泰子、赤沢未知子、
　　　　　　　沢善郎、石黒三郎、山根圭一郎、松山新一、森一夫、吉見明子、高山（後に東）京子、
　　　　　　　藤野千佳子、池上多加子、白井玲子　●　高田宗彦〔クレジットなし〕、
　　　　　　　隅田一男？〔同〕、佐々木正時〔同〕、松村若代〔同〕、三夏伸（後に紳）〔同〕、
　　　　　　　後藤武彦〔同〕、他
　　　　…“黒”シリーズ第6作（第9作という計算方法もあるようです）。黒岩重吾原作《廃墟の唇》
　　　　　を映画化。製薬会社の合併と新薬の開発に絡む殺人事件を巡る“産業スパイもの”。五年前に
　　　　　は暴力バーを経営していた泉田敬（田宮二郎）は、店の客であった丸木製薬の営業部長・松崎
　　　　　勇太郎（見明凡太朗）に拾われ、インテリやくざから下請けの泉薬品株式会社の社長になる。
　　　　　その泉田が元は松崎の秘書をしていた業界紙《薬事タイムス》の敏腕記者・北見典子（藤由紀
　　　　　子）とともに事件の調査を始めるというのが大筋。中田康子さんの役は、丸木製薬のライバル
　　　　　会社である野製薬株式会社の社長・吉野夏子、加茂良子さんの役は、松崎の愛人で“ばあ・か
　　　　　んぱーら”のホステス・高橋久子、田中三津子さんの役は、北見典子の友人で丸木製薬株式会
　　　　　社の新しい営業本部長・津川（早川雄三）の秘書・池永みどり。《情報提供／ツカさん》

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　　12月

　　　暗黒街No.1
　　　　監督／田中重雄　脚本／松浦健郎　撮影／高橋通夫　音楽／木下忠司
　　　　出演／宇津井健、藤巻潤、高松英郎、早川雄三、守田学（後に学哉）、小山内淳、千波丈太郎、
　　　　　　　滝瑛子、江波杏子、市田ひろみ、加茂良子、高山（後に東）京子、沖良子、南雲鏡子、
　　　　　　　菅井一郎、大辻伺郎（後に司郎）、見明凡太朗、ジェリー伊藤、
　　　　　　　ピーター・ウィリアムス、他
　　　　…菊田一夫原作《香港ジョー》の映画化作品。“香港ジョー”と異名を取る西原譲二（宇津井健
　　　　　）は、元・兵隊の五人の部下を持つ、ちょっとしたギャングの首領。ホテル王の黒幕“アンポ
　　　　　”（ジェリー伊藤）が差し向けてくる殺し屋・“竜巻の健次”（藤巻潤）と対決することにな
　　　　　る話。滝瑛子さんの役は、香港から呼ばれてやってくる“ピンクドール”の一員・浅川邦子。

　　　桃太郎侍
　　　　監督／井上昭　脚本／八尋不二　撮影／本田平三　音楽／小川寛与
　　　　出演／本郷功次郎〔二役〕、高田美和、久保菜穂子、成田純一郎（後に加藤博司）、
　　　　　　　城健三朗（後に若山富三郎）、浅野進治郎、杉山昌三九、水原浩一、嵐三右衛門、
　　　　　　　荒木忍、他
　　　　…山手樹一郎原作作品。讃岐十万石の若木家の若殿・新之介（本郷功次郎）の双子の弟である主
　　　　　人公・桃太郎（本郷功次郎）〔二役〕が、国表の家老・鷲塚主膳（嵐三右衛門）の悪巧みを追
　　　　　い詰める話。高田美和さんの役は、江戸家老・神島伊織（浅野進治郎）の娘・百合、久保菜穂
　　　　　子さんの役は、主人公がスリの容疑から助ける芸人？・坂東小鈴。桃太郎侍と聞くと、今やど
　　　　　うしても高橋英樹さんの顔が浮かびますよね。

　　　悪名一番
　　　　監督／田中徳三　脚本／依田義賢　撮影／武田千吉郎　音楽／鏑木創
　　　　出演／勝新太郎、田宮二郎、丸井太郎、江波杏子、藤原礼子（後に麗子）、
　　　　　　　雪代敬子、伊井友三郎、芦屋雁之助、芦屋小雁、茶川一郎、安部徹、
　　　　　　　遠藤辰雄（後に太津朗）、矢島陽太郎、名和宏、水原浩一、寺島貢、橘公子、
　　　　　　　西川ヒノデ、宮シゲオ、宮アオバ、島田洋介（後に洋之介）、
　　　　　　　今喜多代（後に今日規汰代）、越川一、木村玄（後に元）、志賀明、西岡弘善、
　　　　　　　有村（後に勝村）淳、若原進、薮内武司、細谷新吾（後に日高晤郎）、
　　　　　　　黒木英男（後に現）、北野拓也、谷口和子　●　
　　　　　　　酒井修三（後に修）〔クレジットなし〕、森田健二〔同〕？、他
　　　　…“悪名”シリーズ第8作。大黒金融大阪支社の社員・大野平助（矢場陽太郎）が一億円あまり
　　　　　を持ち逃げしたらしく、預金者たちが困っているので、見かねた朝吉（勝新太郎）と清次（田
　　　　　宮二郎）は、東京にある本社へ向かい、社長・郡〔こおり〕純太郎（安部徹）と新興ヤクザ・
　　　　　工藤組の親分である工藤（名和宏）を退治する話。江波杏子さんの役は、郡の秘書で平助の恋
　　　　　人でもある圭子、雪代敬子さんの役は、平助の姉で、台場組の親分・川田玄次郎（伊井友三郎
　　　　　）の姪である相州運送の社長・妙子。今回も芦屋雁之助・小雁コンビ扮する一郎と二郎が台場
　　　　　組に世話になっているという設定で登場します。“Two Notorious Men in Tokyo”の英語題
　　　　　名があります。

　　　　　→詳細データ　

　　　新忍びの者
　　　　監督／森一生　脚本／高岩肇　撮影／今井ひろし　音楽／渡辺宙明
　　　　出演／市川雷蔵、若尾文子、成田純一郎（後に加藤博司）、中村豊（後に猿若清三郎）、
　　　　　　　北原義郎、杉田康、伊達三郎、東野英治郎、細川ちか子、三島雅夫、水原浩一、
　　　　　　　嵐三右ヱ門（三右衛門）、原聖四郎、南条新太郎、杉山昌三九、他
　　　　…“忍びの者”シリーズ第3作。村山知義原作作品。秀吉暗殺に失敗し、三条河原で釡ゆでにさ
　　　　　れた石川五右衛門（市川雷蔵）は、実は徳川方の服部半蔵（伊達三郎）の手によって助けられ
　　　　　ていて、徳川家康（三島雅夫）は妻子を豊臣秀吉（東野英治郎）に殺された恨みをはらす五右
　　　　　衛門の力を利用しようとしていたのだった、という顛末。若尾文子さんの役は、淀君。“The
　　　　　New Ninja”“Ninja 3 ”“Goemon Will Never Die”の英語題名があるようです。

　　製作中止

　　　大群獣ネズラ
　　　　監督（予定）／村山三男　特殊技術／築地米三郎

　　　　…63年7月公開のヒッチコック映画『鳥』の人気から企画された作品。銀座裏の下水道で宇宙
　　　　　食を食べて仔牛大に突然変異し、大発生した身長2m、体重80kgの大型ネズミ・大群獣ネズ
　　　　　ラが首都圏を襲うというパニックムービー…になるはずでしたが（笑）、2000フィートを撮
　　　　　影したあたりで製作中止となったようですね。63年秋から特撮部分がクランクイン、64年の
　　　　　春に公開予定だったそうです。ネズミの管理や衛生問題、ネズミの操演などに支障が出たので
　　　　　はないでしょうか？。

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LAST UP DATE ◆ 2022年7月11日