『愛染かつら』のロケ地をご紹介

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『愛染かつら』のロケ地をご紹介

　　　　★1954年大映大船と1962年松竹大船の『愛染かつら』のロケ地を紹介します。

　　　　…まずは大映大船版。東京の津村病院の跡取り息子である津村浩三（鶴田浩二）は、親の勧める
　　　　　縁談や親の敷いたレールに乗って病院を引き継ぐことに反発して、京都の大学の研究室にいる
　　　　　親友・服部（船越英二）を頼って家出をして、しばらく彼の家の居候になることに。そこへヒ
　　　　　ロインである津村病院の看護婦・高石かつ枝（京マチ子）が訪ねて行くという展開です。まず
　　　　　は、服部の自宅。背景はスクリーンプロセスのようですが、ちょっとやり過ぎのような絵柄に
　　　　　思えます（笑）。

　　　　…服部は津村のことを思えばこそ、ヒロインには津村は京都へは来ていないと嘘をつくことにな
　　　　　ります。ヒロインが服部の家から去るシーンを見ると、確かに五重塔がそばにあるので、スク
　　　　　リーンプロセスの絵柄も決して大げさではないのかもしれません。

　　　　…その頃、津村は服部の妹・美也子（月丘千秋）に連れられて京都見物を行なっています。これ
　　　　　は平安神宮の神苑内にある“泰平閣”。

　　　　…美術館もそばにある平安神宮の大鳥居。

　　　　…昼間から舞妓さんがこの格好で歩いているとは思えませんが（笑）。この当時、観光客向けに
　　　　　コスプレをさせてくれるお店はなかったのでは？。

　　　　…津村が京都にいないと聞かされ、傷心のまま京都の町を歩くヒロイン。高瀬川を臨む木屋町通
　　　　　りあたりでしょう。

　　　　…娘のためのお人形を買い求めるおもちゃ屋。彼方に“井筒八ツ橋”の看板も見えます。

　　　　…津村と美也子が歩くのは、三条大橋。

　　　　…ここでも舞妓さんが登場します。

　　　　…河原町通りを北から南に向かって歩くヒロイン。

　　　　…その頃、四条河原町の交差点を東から西へ向かって渡って来る津村と美也子。市電が写ってい
　　　　　ます。

　　　　…交差点を渡り切ったところで北へ向かって歩こうとしますが、ショーウィンドウを覗く津村と
　　　　　美也子。そこでヒロインとすれ違ってしまいます。

　　　　…ヒロインは失意のまま、タクシーを拾い京都駅へ向かい、京都のシーンはおしまいです。彼方
　　　　　の屋上に塔のようなものが見えている建物は、中華料理店“東華菜館”です。

　　　　…続いては松竹大船作品。設定や展開はほぼ同じです。東京の田園調布にある津村病院の跡取り
　　　　　息子・津村浩三（吉田輝雄）は、京都にいる先輩・服部（佐田啓二）の自宅へ向かいます。そ
　　　　　ばにある橋は、左京区下鴨〔しもがも〕にある洛北高校の前を南北に走る大通り“下鴨本通り
　　　　　”に架かる“洛北橋”です。

　　　　…現在（2013年2月15日撮影）の左京区下鴨・洛北橋付近。画面右奥に欄干が見えているのが
　　　　　洛北橋です。　《情報提供／NOBOさん》

　　　　…服部の自宅から帰るヒロイン。欄干に“疏水”（西詰北側にあり）と書かれた橋は、やはり洛
　　　　　北高校のそばの“北園橋〔きたそのばし〕”。

　　　　…現在（2013年2月15日撮影）の左京区下鴨・北園橋付近。“疏水”と書かれている部分がか
　　　　　なり汚れてしまっています。　《情報提供／NOBOさん》

　　　　…鴨川沿いの道を歩くヒロイン。

　　　　…“哲学の道”から見えるのは光雲寺。

　　　　…その45年後、2007年東宝『クローズド・ノート』で沢尻エリカさんが走っていた道です。

　　　　…やはり映画やドラマでも有名な南禅寺にある水路閣。

　　　　…こちらは清水寺そばの坂道、産寧坂でしょうか。

　　　　…ヒロインが渡っているのは、四条大橋の南側にある団栗橋。西側から東側に向かって歩くヒロ
　　　　　イン、その先には京阪電車が走っています。かなたに見えているのは、やはり中華料理店“東
　　　　　華菜館”です。

　　　　…服部やその妹・美也子（桑野みゆき）、津村がいるのは、勤め先である大学。医大か大学病院
　　　　　という設定でしょうけれども、ロケ先は、同志社大学の今出川キャンパスです。彼方に見えて
　　　　　いるのは、クラーク記念館。

◆

　　　　★両作品には、津村病院の看護婦長役の岡村文子さんと、ヒロインの姉（義姉）役の三宅邦子さ
　　　　　んが、同じ役で出演されています。八年も経って、しかも映画会社が違うのに、全く同じ役で
　　　　　出演というのは興味深いですね。

LAST UP DATE ◆ 2013年8月4日
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