京都関係の映画（2000年代後期）

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京都関係の映画（2000年代後期）

●京都が舞台ではあっても、その数の多さから、“新選組”や“鞍馬天狗”（戦前戦後を合わせて
40作以上あります）、“宮本武蔵”、“月形半平太”など、何度も映画化された作品の多くは割愛
してあります。その他、時代劇（江戸時代が舞台であるところの）、平安朝の頃の話、また文化映
画や医療関係のドキュメント作品などの多くも割愛しています。舞台は京都ではないけれど、ロケ
は京都市及びその周辺であるという作品もほとんどを割愛しています。ご了承ください。　　　　

▲『ハリヨの夏』から於保佐代子さんと高良健吾さん（…ですよね？）。

2005年

　　　シネカノン『パッチギ！ we shall overcome someday』
　　　　監督／井筒和幸
　　　　出演／塩谷瞬、高岡蒼佑（後に奏輔）、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之、真木よう子、
　　　　　　　小出恵介、波岡一喜、オダギリジョー、キムラ緑子、ケンドーコバヤシ、桐谷健太、
　　　　　　　出口哲也、江口のりこ、ちすん、平松豊、坂口拓、木下ほうか、長原成樹、徳井優、
　　　　　　　小市慢太郎、加藤小夜子、森上千絵、谷口高史、浅利陽介、ニキータ、笑福亭松之助、
　　　　　　　ぼんちおさむ、笹野高史、松澤一之、余貴美子、大友康平、前田吟、光石研、他
　　　　…1968年の京都を舞台に、府立高校（東校。モデルは東山高校）の二年生である主人公・松山
　　　　　康介（塩谷瞬）が、喧嘩ばかりして対立中の朝鮮高校の女子高生・キョンジャ（沢尻エリカ）
　　　　　に恋をする。彼女がフルートで演奏する“イムジン河”（68年のザ・フォーク・クルセダー
　　　　　ズのセカンド・シングルにして発売中止曲）に魅せられ、その兄・アンソン（高岡蒼佑〔後に
　　　　　奏輔〕）との友情も深めていくという松山猛原作《少年Mのイムジン河》の映画化作品。長崎か
　　　　　ら来た修学旅行の観光バスが朝鮮高校の生徒たちにひっくり返されるシーンのロケ地は、左京
　　　　　区〔さきょうく〕の通称・狸谷不動尊〔たぬきだにふどうそん〕（正しくは、狸谷山不動院〔
　　　　　たぬきだにさんふどういん〕）の駐車場（厳密には、バスをひっくり返すまでは左京区にある
　　　　　銀閣寺〔ぎんかくじ〕の駐車場で、ひっくり返すところは狸谷不動尊の駐車場）。ボウリング
　　　　　場のシーンは、北区〔きたく〕・衣笠〔きぬがさ〕の鏡石町〔かがみいしちょう〕にある“し
　　　　　ょうざんボウル”。主人公の自宅である寺の本堂や主人公の部屋などは、東山区〔ひがしやま
　　　　　く〕の京阪電鉄（京阪本線）の東福寺〔とうふくじ〕駅そばにある東福寺の塔頭である万寿寺
　　　　　〔まんじゅじ〕。酒屋で働く坂崎（オダギリジョー）とギターを弾いたりします。丸物〔まる
　　　　　ぶつ〕百貨店屋上のシーンは、下京区〔しもぎょうく〕のJR京都駅前にあったプラッツ近鉄
　　　　　（昔は実際に丸物百貨店）の屋上でのロケ。放送局から出てきた主人公をヒロインが迎える駐
　　　　　車場は、左京区の下鴨〔しもがも〕・半木町〔はんぎちょう〕にある“京都コンサートホール
　　　　　”（府立植物園のそば）の駐車場。上京区〔かみぎょうく〕の荒神口〔こうじんぐち〕にある
　　　　　“よしや楽器”でもロケがあり、この楽器店の店長役には同志社大学出身の小市慢太郎さんが
　　　　　扮しています。クライマックスでの鴨川〔かもがわ〕（左京区の出町柳〔でまちやなぎ〕にあ
　　　　　る三角州）の30人対70人の乱闘シーンは撮影に四日間もかかったとか（よく見ると、68年
　　　　　には存在しないコンビニ・ファミリーマートが写っているようですが）。その他、南区〔みな
　　　　　みく〕の東九条〔ひがしくじょう〕にセットを建てたり、東山区の円山公園〔まるやまこうえ
　　　　　ん〕、三条〔さんじょう〕商店街、左京区にある京大西部講堂や銀閣寺の坂、中京区〔なかぎ
　　　　　ょうく〕の新京極〔しんきょうごく〕にあるピンク映画の上映館・八千代館〔やちよかん〕な
　　　　　どでもロケ（大津市内の病院でも）が行なわれたようです。タイトルは“パチキ（頭突き）”
　　　　　の語源である“パッチギ（突き破る、壁を乗り越える）”というハングル語から。
　　　　　　《情報提供／小麦さん／NOBOさん／法水さん》

　　　「カナリア」製作委員会／シネカノン『カナリア』
　　　　監督／塩田明彦
　　　　出演／石田法嗣、谷村美月、西島秀俊、りょう、つぐみ、甲田益也子、水橋研二、他
　　　　…カルト宗教団体“ニルヴァーナ”から児童相談所に収容された光一（石田法嗣）は、祖父に引
　　　　　き取られた妹を取り替えすために脱走を試みる。家族の愛を知らずに育ち、人の役に立ちたい
　　　　　と願う由希（谷村美月）と知り合い東京へ。二人がその旅の中で家族の絆の大切さを知ること
　　　　　になるというのが大筋。少年が地図で辿る東京へのルートの出発点が京都府の中心部あたりだ
　　　　　そうで、京都市の西側に位置する亀岡市〔かめおかし〕あたりに施設があるのかな？（笑）。
　　　　　　《情報提供／練馬大根役者さん》

　　　松竹『阿修羅城の瞳』
　　　　監督／滝田洋二郎
　　　　出演／市川染五郎（七代目）、宮沢りえ、大倉孝二、山田辰夫、螢雪次朗、樋口可南子、
　　　　　　　小日向文世、内藤剛志、渡部篤郎、土屋久美子、韓英恵、沢尻エリカ、山中陽子、
　　　　　　　鵜沢優子、関根あすか、半澤友美、皆川猿時、二反田雅澄、桑原和生、他
　　　　…江戸が舞台ではありますが、ほとんどが京都ロケである作品の一つ。“鬼殺し”の異名を持つ
　　　　　歌舞伎役者・病葉出門〔わくらば・いずも〕（市川染五郎）と、恋愛を経験すると鬼の王であ
　　　　　る阿修羅になってしまうという宿命を背負ったつばき（宮沢りえ）の悲恋もの時代劇。歌舞伎
　　　　　小屋の内部は香川県の旧金比羅大芝居・金丸座ですが、外観は右京区〔うきょうく〕の太秦〔
　　　　　うずまさ〕にある東映太秦映画村内の芝居小屋・中村座。82年『蒲田行進曲』や95年『写楽
　　　　　』などにも登場しています。その他、左京区の下鴨神社〔しもがもじんじゃ〕や右京区の花園
　　　　　〔はなぞの〕にある妙心寺〔みょうしんじ〕、左京区の黒谷〔くろだに〕にある金戒光明寺〔
　　　　　こんかいこうみょうじ〕などでもロケが行なわれています。妙心寺は、2007年11月放映の
　　　　　長谷川京子さん主演のNHKドラマ『海峡』でも戦後間もなくの闇市のシーンのロケが行なわ
　　　　　れたようです《情報提供／NOBOさん》

　　　松竹『釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪♪』
　　　　監督／朝原雄三
　　　　出演／西田敏行、浅田美代子、伊東美咲、加藤武、鶴田忍、小野武彦、笹野高史、中本賢、
　　　　　　　中村梅雀、金子昇、平山あや、濱口優（よゐこ）、益岡徹、ボビー・オロゴン、岡本麗、
　　　　　　　さだまさし、尾崎紀世彦、谷啓、奈良岡朋子、三國連太郎、鈴木美恵子、江本理恵、
　　　　　　　中武佳奈子、曽我部あきよ、麻生奈美、他
　　　　…人気のコメディシリーズ通算第18作。ここでの舞台は長崎で、京都は出てきませんが、“ス
　　　　　ーさん”こと鈴木建設の鈴木一之助社長（三國連太郎）の夫人・久江（奈良岡朋子）が旅行で
　　　　　京都に出かけ、左京区の南禅寺〔なんぜんじ〕で有名な湯豆腐を食べたという話が出てきます
　　　　　（笑）。

　　　MaP／アムモ『矜持～KYOUJI～』
　　　　監督／高瀬将嗣　出演／加勢大周、川上綾香、パパイヤ鈴木、村野武範、藤波辰爾、他
　　　　…新人タレント発掘機関・MaP（ミライ・アクターズ・プロモーション）が新人養成のために
　　　　　作ったオムニバスものの一編で上映時間は46分のオリジナルビデオ。文久三年（1863年）
　　　　　、壬生〔みぶ〕（中京区）で新選組組長・芹沢鴨と戦っていた沖田総司（加勢大周）が、現代
　　　　　の東京にタイムスリップして、商店街乗っ取りを企むヤクザ組織を追い出すという話だとか。
　　　　　村野武範さんの役は、商店街にある喫茶店の常連客で、タイムスパイラル理論を説くC調の大
　　　　　学教授。リリースは2006年9月29日。

　　　東宝『ALWAYS 三丁目の夕日』
　　　　監督／山崎貴
　　　　出演／吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、
　　　　　　　須賀健太、小清水一揮、マギー、温水洋一、小日向文世、木村祐一、ピエール瀧、
　　　　　　　神戸浩、飯田基祐、麻木久仁子、奥貫薫、石丸謙二郎、松尾貴史、小木茂光、益岡徹、他
　　　　…この作品も舞台は昭和33年の東京ですが、堀北真希さん扮する星野六子が青森県から集団就
　　　　　職してくるシーンに登場する上野駅のプラットホーム（約30mの仮設ホーム）や蒸気機関車
　　　　　C62〔通称・シロクニ〕などは、下京区の観喜寺町〔かんきじちょう〕にある梅小路〔うめ
　　　　　こうじ〕蒸気機関車館での撮影です。保存されているC62の“C62-2”のプレートを当時、
　　　　　青森と上野を結んでいた“C62-22”というプレートに付け替えて撮影しています。協力は
　　　　　JR西日本ロケーションボックス。2007年松竹『ゲゲゲの鬼太郎』でも撮影が行なわれたよ
　　　　　うです。ちなみにこの場所は、第二次大戦中、最初に原爆が落とされる予定だったのは京都だ
　　　　　という説での標的となっている場所のはずです。《情報提供／NOBOさん》

　　　野村企画＝ターンオーバー・パートナーズ／パンドラ『二人日和ふたりびより』
　　　　監督／野村惠一
　　　　出演／藤村志保、栗塚旭、賀集利樹、山内明日、きたやまおさむ、市田ひろみ、川崎あかね、
　　　　　　　池坊美佳、藤沢薫、他
　　　　…当初の『Turn over～天使は自転車に乗って～』という原題を改題。京都在で大映京都撮影
　　　　　所出身の監督が描く京都もの。神社や京都御所の装束を扱う神祇装束司〔じんぎしょうぞくし
　　　　　〕である頑固な職人・黒由〔くろよし〕玄（栗塚旭）が、社交的だったが難病ALSに冒され
　　　　　てしまった妻・千恵（藤村志保）の介護をする話で、夫婦が満開の桜をバックに散歩するシー
　　　　　ンに登場する北区の賀茂川〔かもがわ〕を渡る出雲路橋〔いずもじばし〕近くの賀茂川堤公園
　　　　　や上京区の梨木神社〔なしのきじんじゃ〕（京都御所〔きょうとごしょ〕の東側）、中京区の
　　　　　京都府京都文化博物館（ダンスのシーンにおける屋内のみ）、上京区の西陣〔にしじん〕にあ
　　　　　る相馬病院などが登場します。マジックショーが撮影されたのは、中京区の三条御幸町〔さん
　　　　　じょう・ごこうまち〕角にある“アートコンプレックス1928ビル”。主人公が妻のために出
　　　　　し巻き卵を買うのは、中京区の錦小路〔にしきこうじ〕にある“田中鶏卵店”。黒由装束店の
　　　　　外観と仕事場は、丸太町〔まるたまち〕通りの京都御所の向かい（おそらく丸太町通りの南側
　　　　　は中京区）にある18代続く“祭典調度御装束司”、居間など家の中は、四条通西洞院〔しじょ
　　　　　うどおり・にしのとういん〕東入ルにある京都の民家（町家〔まちや〕）の様子を展示してい
　　　　　る京都市伝統産業振興館・四条京町家。シャンソン歌手のクミコさんやタンゴバンドのアスト
　　　　　ロリコの門奈紀生さんが主題音楽を提供されています。梨木神社での打ち合わせに出席された
　　　　　り、京都御所の東側で木の実を拾っておられる栗塚旭さんや、丸太町柳馬場〔まるたまち・や
　　　　　なぎのばんば〕西入ルにある実際の黒田（黒由ではなく）装束店の前でジーンズの上下を着て
　　　　　デイパックを背負い、自転車で走り出すシーンを撮影している賀集利樹さんなどが、Web＠
　　　　　作者のネット上のお仲間に目撃されています（笑）。また、入院した千恵の見舞い客として、
　　　　　川崎あかねさんが顔を見せておられます。《情報提供／NOBOさん／Lem.さん／法水さん》

　　　　　→ロケ地をご紹介！　

　　　綴喜ライオンズクラブ『山城国一揆』
　　　　監督／？？？　出演／中島唯歌、吉田一平、三谷祥平、他
　　　　…応仁の乱の戦地が山城の国に移った時、地元の人々が戦を無血で解決したという話などを、現
　　　　　在の山城〔やましろ〕地域の景色などを交えて作られた約30分の文化映画。京田辺市〔きょう
　　　　　たなべし〕に事務局のある綴喜〔つづき〕ライオンズクラブの設立40周年記念として製作さ
　　　　　れたようです。夏休みの宿題として、文明17年（1485年）に起きた山城国一揆を調べる三
　　　　　人の小学生が、謎の尼僧に導かれ、当時の様子を伝える山城町〔やましろちょう〕（現・木津
　　　　　川市〔きづがわし〕）の環濠集落や精華町〔せいかちょう〕の山城跡などの史跡を訪ねるとい
　　　　　う展開。結衣役の中島唯歌さん（精華町立精華西中学校一年生／当時）や重一役の吉田一平く
　　　　　ん（田辺東小学校六年生／当時）、定夫役の三谷祥平くん（附属桃山小学校五年生／当時）な
　　　　　ど、18人の出演者のほとんどが地元の人たち。宇治市〔うじし〕在住の郷土史誌編集長・東
　　　　　義久さんの絵本が原作となっています。

2006年

　　　ギャガ・コミュニケーションズ、他『Waters（ウォーターズ）』
　　　　監督／西村了
　　　　出演／小栗旬、真中瞳、成海璃子、原田芳雄、松尾敏伸、須賀貴匡、桐島優介、平山広行、
　　　　　　　森本亮治、葛山信吾、山口紗弥加、エリカ、大谷允保（後にみつほ）、高木りな、
　　　　　　　弓削智久、螢雪次朗、山田辰夫、他
　　　　…京都は出てきませんが、真中瞳さん扮するヒロインが経営するIT企業“QUEEN AGENT”の
　　　　　幹部の一人（エリカ）が、主人公たちが開いたホストクラブ“DOG DAYS”にやってきて、
　　　　　甘鯛を“ぐじ”と称したことから京都出身であるということが判り、京懐石も作ることが出来
　　　　　る元・板前のホスト（平山広行）に白味噌仕立ての椀ものを出してもらうというシーンがあり
　　　　　ます。京都人が普段から白味噌の椀ものを食しているかどうかはともかく（笑）。

　　　松竹『花よりもなほ』
　　　　監督／是枝裕和
　　　　出演／岡田准一（V6）、宮沢りえ、浅野忠信、田畑智子、石橋蓮司、古田新太、中村嘉葎雄、
　　　　　　　國村隼、香川照之、加瀬亮、平泉成、絵沢萠子、夏川結衣、石堂夏央、田中碧海、他
　　　　…元禄時代、全く剣の腕が立たない若侍（岡田准一）が父の敵討ちを計画するが、同じ貧乏長屋
　　　　　に住む仲間の人情に触れて心が揺れるという、笑いも満載の作品。西京区〔にしきょうく〕の
　　　　　大原野〔おおはらの〕（近くには“花の寺”として有名な勝持寺〔しょうじじ〕もあります）
　　　　　にある大原野神社において、2005年5月中旬と6月初めの二度、春の花見と初夏の祭りのシ
　　　　　ーンが撮影されたとか。山科区〔やましなく〕の随心院〔ずいしんいん〕や亀岡市の千歳町〔
　　　　　ちとせちょう〕毘沙門〔びしゃもん〕にある料理店“へき亭”（主人公の家という設定）や稗
　　　　　（正しくは草がんむりに稗）田野町〔ひえだのちょう〕太田〔おおた〕の龍潭寺〔りょうたん
　　　　　じ〕でもロケが行われたようです。また、主人公の父親の三回忌の法要のシーンは、長岡京市
　　　　　〔ながおかきょうし〕にある光明寺〔こうみょうじ〕の釈迦堂で撮影されたようです。ちなみ
　　　　　にこのコーナーで紹介し切れていない亀岡市の有名なロケ地は、例えば市北西部の東本梅町〔
　　　　　ひがしほんめちょう〕大内〔おおうち〕にある道路脇の祠〔ほこら〕・“大内の大日堂”（東
　　　　　海道などの街道筋として）、河原林町〔かわらばやしちょう〕にある宇津根橋〔うつねばし〕
　　　　　上流（大井川や利根川の渡しのシーンとか）、稗（正しくは草がんむりに稗）田野町〔ひえだ
　　　　　のちょう〕の湯の花温泉（ジョン・レノンさんや松田優作さんも来訪）、宮前町〔みやざきち
　　　　　ょう〕にある市交流会館（洋風の学校や病院として）、丹波亀山城の城門が移築されている本
　　　　　梅町〔ほんめちょう〕の桂林寺、篠町〔しのちょう〕にある篠村八幡宮〔しのむらはちまんぐ
　　　　　う〕（“座頭市”シリーズなど）、千歳町〔ちとせちょう〕にある出雲大神宮〔いずもだいじ
　　　　　んぐう〕などがあります。《情報提供／NOBOさん》

　　　ハマジム／イメージリングス『韓朝中在日ドキュメントセキ★ララ』
　　　　監督／松江哲明　出演／花岡じった、相川ひろみ、杏奈、松江哲明、他
　　　　…2005年山形国際ドキュメンタリー映画祭正式出品作品（？）。『Identity』というタイト
　　　　　ルで出たAVを映画祭用に30分ほどカット、再構成した作品のようです。在日韓国人三世の
　　　　　AV嬢・相川ひろみさんが少女時代を過ごした広島県尾道市へ向かうという第一部“ロードム
　　　　　ービー編”、上海出身の中国人留学生である杏奈さんと在日朝鮮人二世のAV男優・花岡じっ
　　　　　たさんを追う第二部“一日デート編”からなるドキュメンタリー。監督の松江哲明さんも在日
　　　　　韓国人三世。第一部で相川ひろみさんが思春期を過ごしたという京都の団地を訪れます。
　　　　　　《情報提供／練馬大根役者さん》

　　　東映『バルトの楽園〔がくえん〕』
　　　　監督／出目昌伸
　　　　出演／松平健、ブルーノ・ガンツ、阿部寛、國村準、高島礼子、中山忍、大後寿々花、他
　　　　…“ベートーベンの第九”が国内で初めて演奏されたのは、徳島県鳴門市の板東俘虜収容所にい
　　　　　たドイツ人捕虜たちが披露したとの説が有力だそうで、この映画は、その史実に基づいた作品
　　　　　。日本軍司令部という設定で、上京区の下立売通新町〔しもだちうりどおり・しんまち〕西入
　　　　　ルにある京都府庁旧本館でロケが行われたり、収容所として京都府北部の舞鶴市〔まいづるし
　　　　　〕にある赤れんが倉庫群でロケが行なわれています。ここでは、2005年東映『男たちの大和
　　　　　／YAMATO』なども撮影されているようです。《情報提供／NOBOさん》

　　　東宝『日本沈没』
　　　　監督／樋口真嗣
　　　　出演／草ナギ剛、柴咲コウ、及川光博、福田麻由子、吉田日出子、柄本明、國村隼、石坂浩二、
　　　　　　　豊川悦司、大地真央、他
　　　　…京都も一気呵成に沈んでいきます（笑）。京都にある国宝をアメリカや中国に送るというシー
　　　　　ンで、東山区の清水寺〔きよみずでら〕や南区の東寺〔とうじ〕、下京区のJR京都駅前の京
　　　　　都タワーなどが確認出来ます。また、運ばれて行く国宝を見送る僧侶の一人に扮しているのが
　　　　　『機動戦士ガンダム』シリーズなどを手がけた富野由悠季監督だそうです。
　　　　　　《情報提供／法水さん》

　　　葵プロモーション『ハリヨの夏』
　　　　監督／中村真夕
　　　　出演／於保佐代子、高良健吾、柄本明、風吹ジュン、キャメロン・スティール、前田昌代、
　　　　　　　五十嵐愛生、松本花奈、ジャージ川口（ちんどん通信社）、甲斐扶佐義（写真作家）、
　　　　　　　谷川俊太郎（詩人）、大山渉（PE'Z）、他
　　　　…2001年に平成13年度文化庁芸術家在外研修員に映画監督として選ばれた1973年生まれの中
　　　　　村真夕さん（詩人・小説家の正津勉さんのお嬢さん）の長編映画デビュー作品。『イトヨの夏
　　　　　』を改題。上京区の今出川通寺町〔いまでがわどおり・てらまち〕西入ル大原口町〔おおはら
　　　　　ぐちちょう〕にある喫茶店（ライブコンサートなどが行なわれます）“ほんやら洞”、左京区
　　　　　の下鴨の中川原町〔なかがわらちょう〕の塚本幸一邸（ワコールの創始者で元・京都商工会議
　　　　　所会頭のお宅でしょうか？）、賀茂川など、京都市内各所でロケが行なわれているようです。
　　　　　1990年初めの夏を舞台に、学生運動で挫折を経験した両親が離婚、知り合いのベトナム戦争
　　　　　帰りのアメリカ人に恋をする女子高生を描いています。劇中、風吹ジュンさんが、浅川マキさ
　　　　　んの“淋しさには名前がない”を歌われます。《情報提供／NOBOさん》

　　　松竹『天使の卵』
　　　　監督／富樫森
　　　　出演／市原勇人、小西真奈美、沢尻エリカ、戸田恵子、森下能幸、北村想、三浦友和、
　　　　　　　キムラ緑子、マギー司郎、他
　　　　…直木賞作家・村山由佳さんの恋愛小説《天使の卵エンジェルス・エッグ》の舞台である東京
　　　　　を京都に変更して映画化。斉藤夏姫（沢尻エリカ）が美大を目指す浪人生の恋人・一本槍歩太
　　　　　（市原隼人）のいる“かみとば美術学院”を訪ねるシーンで使われている建物は、中京区の木
　　　　　屋町蛸薬師〔きやまち・たこやくし〕にある元・立誠小学校（1993年廃校）。歩太の母・幸
　　　　　恵（戸田恵子）が経営している“小料理屋・けやき”は、中京区の姉小路堺町〔あねやこうじ
　　　　　・さかいまち〕東入ル南側にあるお昼処“光泉洞寿み〔こうせんどうすみ〕”（2005年11
　　　　　月に沢尻エリカさんや戸田恵子さんの出演シーンのロケあり）。歩太と夏姫が深夜に一本槍家
　　　　　の犬・フクスケを連れて散歩する川べりは、東山区の白川筋三条〔しらかわすじ・さんじょう
　　　　　〕下ル付近。歩太が乗っている満員電車に夏姫の姉・五堂春妃（小西真奈美）が乗り込む駅は
　　　　　、京福電鉄（嵐電〔らんでん〕嵐山本線）の車折〔くるまざき〕駅（2007年3月の駅名変更
　　　　　により現在は“車折神社〔くるまざきじんじゃ〕駅”）。歩太と夏姫が訪れる美術館は、左京
　　　　　区の岡崎〔おかざき〕にある京都国立近代美術館（窓の外には平安神宮〔へいあんじんぐう〕
　　　　　の大鳥居と京都市美術館が見えます）。使われている絵画は全て本物の収蔵品です。歩太の父
　　　　　（北村想）の主治医となった春妃と歩太が待ち合わせをして、雨の中を歩き出すのは左京区の
　　　　　哲学の道の北端・銀閣寺橋〔ぎんかくじばし〕から200mほど南に行った“喫茶室・哲学の
　　　　　道”の前（春妃の住むマンションの近くという設定）。夏姫が歩太にクリスマスプレゼントに
　　　　　セーターを渡すのは、賀茂川に架かる出雲路橋の西詰南側の芝生（北区。後半、姉の死の報せ
　　　　　を受け取った夏姫が河原に寝そべっていた歩太を見つけるシーンにも登場）。歩太が春妃にプ
　　　　　レゼントする擬卵（これが“天使の卵”のようです）を拾う工事現場は、岡崎の京都市立動物
　　　　　園の中。ちなみにWeb＠作者は幼い頃、入り口そばのトイレの前（キリン舎のそば）で迷子
　　　　　になったと勘違いして、「ちょっと泣いてみるか」と（すると誰かが何とかしてくれるだろう
　　　　　と…笑）、泣いてみた記憶があります。外からは見えないトイレの洗面所から父親が慌てて出
　　　　　てきました（笑）。…もとい。大晦日に歩太と工事現場の先輩（森下能幸）が歩く商店街は、
　　　　　中京区の新京極六角〔しんきょうごく・ろっかく〕の誓願寺〔せいがんじ〕付近。寺の隣に“
　　　　　総本家八ツ橋屋”の店舗が見えます。歩太と春妃が関係を持った直後に上がるビルの屋上は、
　　　　　山科区にある京都大学の花山〔かざん〕天文台の太陽館の屋上。歩太の父の死（葬式には“丸
　　　　　太町町内会”から花輪が届いています）に責任を感じた春妃が逃げ込む寺は、右京区・嵯峨野
　　　　　〔さがの〕の滝口寺〔たきぐちでら〕のようです。春妃が入院したことを知らせようと歩太を
　　　　　探すシーンで夏姫が乗り込むのは、京福電鉄・太秦駅（2007年3月の駅名変更により現在は
　　　　　“太秦広隆寺〔うずまさこうりゅうじ〕駅”）で、下車した交差点は、中京区（？）の西大路
　　　　　三条〔にしおおじ・さんじょう〕。夏姫が歩太を探して訪ねる一本槍家の自宅は、東山区の京
　　　　　都女子大学・東山キャンパス内にある“R研究所”。賀茂川沿いを走ってきて転倒した夏姫が
　　　　　、携帯電話で春妃の死を知るのは、出雲路橋東詰（ここは左京区）より50mほど南にある石
　　　　　段付近の芝生。エンディングで歩太が描いた春妃の絵が飾られているのは、三条御幸町〔さん
　　　　　じょう・ごこうまち〕南東角の“1928ビル”にある“同時代ギャラリー”。歩太と夏姫の高
　　　　　校は、〔ヒガシオオジ〕高校ですが、作品を見る限りでは漢字表記は不明（おそらく“東大路
　　　　　”）。《情報提供／NOBOさん／練馬大根役者さん／法水さん》

　　　東映『大奥』
　　　　監督／林徹
　　　　出演／仲間由紀恵、西島秀俊、井川遥、及川光博、杉田かおる、中山忍、木村多江、
　　　　　　　鷲尾真知子、山口香緒里、久保田磨希、浅野ゆう子、松田優作、柳葉敏郎、藤田まこと、
　　　　　　　岸谷五朗、高島礼子、他
　　　　…もちろん話は江戸城や江戸の町（琵琶湖の湖岸にセットが組まれた）です。しかし京都でも有
　　　　　名なロケ地で多く撮影されています。左京区の黒谷にある金戒光明寺では2006年の法然上人
　　　　　八百年大遠忌に合わせて完成した“紫雲の庭”で大奥総取締・絵島（仲間由紀恵）と徳川家継
　　　　　の側用人・間部詮房〔まなべあきふさ〕（及川光博）との会話のシーンが撮影されています。
　　　　　このお寺では、2007年『憑神』などでもロケが行なわれているようです。また、宇治市にあ
　　　　　る黄檗山萬福寺〔おうばくざん・まんぷくじ〕でもロケが行なわれたようです。

　　　シネカノン『劇場版遥かなる時空の中で舞一夜』
　　　　監督／篠原俊哉
　　　　声の出演／川上とも子、三木眞一郎、関智一、高橋直純、宮田幸季、中原茂、井上和彦、
　　　　　　　保志総一朗、石田彰、櫻井孝宏、こおろぎさとみ、井上倫宏、他
　　　　…異世界・京を舞台に、人々を苦しめる怨霊を退治しようとするヒロインを描く女性向け恋愛ゲ
　　　　　ームソフトの映画版。

　　　？？？『GHOST OF YESTERDAY』
　　　　監督／松野泉
　　　　出演／西村仁志、寿美菜子、玉置稔、原尚子、松尾みね、藤野ひかり、林利隆、岩田浩一、
　　　　　　　佐々木嘉子、井内菜摘、高寺裕司、茨木佳津枝、他
　　　　…記憶に欠落のある母・依子（原尚子）と暮らす高校生の娘・文子（寿美菜子）、主人公である
　　　　　19歳の兄を描いた、京都出身で大阪芸術大学卒の監督による自主映画（？）。詳細は不明で
　　　　　すが、監督の自宅や左京区下鴨東本町にある“リサイクルショップ葵”などでロケが行なわれ
　　　　　たようです。“PFFアワード2008”にて審査員特別賞を受賞。

2007年

　　　東宝『愛の流刑地』
　　　　監督／鶴橋康夫
　　　　出演／豊川悦司、寺島しのぶ、長谷川京子、富司純子、仲村トオル、佐藤浩市、浅田美代子、
　　　　　　　陣内孝則、佐々木蔵之介、貫地谷しほり、松重豊、本田博太郎、余貴美子、津川雅彦、他
　　　　…渡辺淳一原作作品。北区の上賀茂〔かみがも〕にある上賀茂神社〔かみがもじんじゃ〕境内の
　　　　　初秋の静かな鎮守の森や東山区の東福寺にある通天橋でロケが行なわれ、主人公とヒロインの
　　　　　出会いのシーンなどを幻想的に演出しているそうです。CGで木々の緑を紅葉に変化させると
　　　　　か。その他、JR京都駅にある“ホテルグランヴィア京都”など、原作にない人気の観光スポ
　　　　　ットがシナリオに盛り込まれたということです。
　　　　　　《情報提供／NOBOさん／sanaeさん／アール・ケイさん》

　　　角川ヘラルド映画『あかね空』
　　　　監督／浜本正機
　　　　出演／内野聖陽、中谷美紀、中村梅雀、勝村政信、石橋蓮司、岩下志麻、泉谷しげる、
　　　　　　　角替和枝、武田航平、細田よしひこ、柳生みゆ、他
　　　　…江戸・深川界隈を舞台にした山本一力原作作品。京生まれの永吉（内野聖陽）は京都・南禅寺
　　　　　のそばにある老舗の豆腐店・平野屋で豆腐作りの修行をした後、江戸へ出て深川のはまぐり長
　　　　　屋で“京や”という豆腐屋を開業する。同じ長屋の桶屋の娘・おふみ（中谷美紀）と結婚して
　　　　　京豆腐の味を江戸に広めようとする物語。画面に京都は登場しませんが、ロケーションの多く
　　　　　は京都でしょう。

　　　角川ヘラルド映画＝CJエンターテイメント『初雪の恋ヴァージン・スノー』
　　　　監督／ハン・サンヒ
　　　　出演／宮崎あおい、李準基／イ・ジュンギ／Lee Jun-Ki、塩谷瞬、森田彩華、乙葉、
　　　　　　　余貴美子、柳生みゆ、他
　　　　…日韓合作映画。複雑な家庭環境にあるヒロインの女子高生・七重（宮崎あおい）と陶芸家の父
　　　　　と同行して韓国から転校してきたミン（イ・ジュンギ）のラブストーリーで、京都やソウルが
　　　　　舞台となっています。彼らが通う高校のロケ地は、龍谷大学大宮校舎で撮影されているようで
　　　　　す。2006年9月18日から京都でクランクインしたそうで、右京区・嵯峨の嵐山〔あらしやま
　　　　　〕、西京区の松尾大社〔まつおたいしゃ〕、左京区の南禅寺の水路閣、その他、京都市内の各
　　　　　所でロケが行なわれ、祇園祭も登場するようです。京福電鉄（嵐電北野線）の御室〔おむろ〕
　　　　　駅〔現・御室仁和寺〔おむろにんなじ〕駅）、東山区の知恩院〔ちおんいん〕や四条通西洞院
　　　　　東入ルの京都市伝統産業振興館・四条京町家などでも撮影が行なわれています。右京区の嵐山
　　　　　が起点となっている観光トロッコ列車にも乗ります。《情報提供／法水さん／NOBOさん》

　　　同パートナーズ／シネカノン『パッチギ！ LOVE & PEACE』
　　　　監督／井筒和幸
　　　　出演／井坂俊哉、中村ゆり、西島秀俊、藤井隆、風間杜夫、キムラ緑子、手塚理美、今井悠貴、
　　　　　　　村田雄浩、ラサール石井、杉本哲太、麿赤兒、でんでん、寺島進、国生さゆり、
　　　　　　　田口浩正、すほうれいこ、桐谷健太、田中要次、田中哲司、愛染恭子、松永京子、
　　　　　　　ソン・チャンウィ、ちすん、パク・ソヒ、新屋英子、中村有志、温水洋一、木村祐一、他
　　　　…女優・青山涼子となったヒロイン・李慶子／キョンジャ（中村ゆり）がテレビドラマ『水戸黄
　　　　　門』に出演するために出身地である京都を訪れます。

　　　日本テレビ、他／東宝『舞妓Haaaan！！！』
　　　　監督／水田伸生
　　　　出演／阿部サダヲ、柴咲コウ、堤真一、伊東四朗、真矢みき、京野ことみ、植木等、吉行和子、
　　　　　　　小出早織（後に早織）、生瀬勝久、キムラ緑子、Mr.オクレ、酒井若菜、原史奈、
　　　　　　　佐々木麻緒、山田孝之、須賀健太、日村勇紀（バナナマン）、山谷初男、北村一輝、
　　　　　　　木場勝己、大倉孝二、橋本さとし、桜井千寿、他
　　　　…宮藤官九郎脚本作品。埼玉県立熊谷農林高校の修学旅行で平安神宮に参詣した後、迷子になっ
　　　　　た鬼塚公彦（阿部サダヲ）は、通りがかった夢川町（架空）の置屋“ななふく”の舞妓・小梅
　　　　　（京野ことみ）に助けられ、大の舞妓ファンに。その後、インスタントラーメンを売る鈴屋食
　　　　　品株式会社の京都支社に転属され、大喜び。しかし、同僚のOLである24歳の恋人・大沢富士
　　　　　子（柴咲コウ）は、実家が京都ではなく三重県だった（ただし父は京都に勤務）ことがバレて
　　　　　フラレてしまう。意を決した富士子は、“ななふく”の女将・さつき（吉行和子）に願い出て
　　　　　舞妓になる修行を始めることに…。主人公が好意を抱く“ななふく”の養女である舞妓・駒子
　　　　　に扮する小出早織（後に早織）さんは、京都市出身の女優さん。テレビドラマは、04年CX
　　　　　『ファイアーボーイズ～め組の大吾～』『ほんとにあった怖い話（1・2）』、05年CX『電
　　　　　車男』『1リットルの涙』、主演の06年BS-i『ケータイ刑事銭形雷（1・2）』（パート1の
　　　　　共演者はWeb＠作者の高校の先輩である国広富之さん）、07年EX『帰って来た時効警察』な
　　　　　どでも活躍されています。選ばれた理由はやはり京都弁が話せることと、舞妓さんらしい顔を
　　　　　されていたからだとか。野球拳はこの作品のために創作されたお座敷遊びだと思っていたとい
　　　　　うところが可愛いですね（笑）。中では、主人公が野球選手になり、鈴屋食品が持つプロ野球
　　　　　チーム・京都オイデヤースのドーム球場が京都市内にあったり、やはり主人公が五山の送り火
　　　　　の“大”の文字を利用して“大好き”という文字にしてしまうなどという大嘘も登場しますが
　　　　　、なかなか楽しめる一編です。2006年9月21日17時頃、東山区の宮川町〔みやがわちょう
　　　　　〕でロケに遭遇されたLem.さんですが、スタッフがライトの調節などばかりしていて撮影自
　　　　　体はいつになっても始まらず、結局、出演者は目撃出来なかったとのこと（笑）。堤真一さん
　　　　　の役は、さつきの息子で、プロ野球・神戸グラスホッパーズのスター選手から後に京都市長に
　　　　　なる内藤貴一郎、真矢みきさんの役は、夢川町のお茶屋“卯筒”の女将、酒井若菜さんの役は
　　　　　、その売れっ子の舞妓・豆福、原史奈さんの役は、鈴屋のチャーシュー麺のCM嬢。そして、
　　　　　2007年3月27日に亡くなった植木等さんが通りがかりの西陣の会社の旦那を演じておられて
　　　　　（ただしロケは金沢市内）、遺作となっています。《情報提供／法水さん／Lem.さん／NOBOさん》

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　　　東宝『Closed Note クローズド・ノート』

▲沢尻エリカさん。女王さまだとか態度がデカイとか言われますが、
それを含めて“可愛い”と思うんですけど（笑）。
少々のことはイイじゃないですか、“女優”なんだから（笑）。

　　　　監督／行定勲
　　　　出演／沢尻エリカ、伊勢谷友介、竹内結子、板谷由夏、田中哲司、サエコ、黄川田将也、
　　　　　　　永作博美、石橋蓮司、篠井英介、中村嘉葎雄、他
　　　　…雫井脩介原作作品。教育大に通う教師志望の堀井香恵（沢尻エリカ）が、引っ越した先で以前
　　　　　の住人で教師の真野伊吹（竹内結子）が忘れて行ったらしいノートを発見したことから始まる
　　　　　青春もの。監督は、「古都の雰囲気が、時間の動かない場で交錯する人々という設定にぴった
　　　　　り」と語っているとか。香恵の住むアパートは左京区にある“哲学の道”のそばという設定。
　　　　　この二人が渡る、“恋人たちの願いがかなう橋”は、東山区にある知恩院・古門〔ふるもん〕
　　　　　の前の白川にかかる小さな橋・“一本橋”。背景にとうふ料理・お食事処“安宅〔あたか〕”
　　　　　が写っています。また、香恵が橋の上で、赤茶けた電柱に寄りかかってしゃがみ込んでいるシ
　　　　　ーン、これは賀茂大橋北側の歩道で、橋の上に立つ電柱四本の東から二本目の電柱。この場所
　　　　　は以前、京阪電鉄の“おけいはん”のCM（初代“おけいはん”こと淀屋けい子に扮するのは
　　　　　水野麗奈さん。「♪出町柳から～」と歌うのは、“中之島ゆき”こと三浦理恵子さん）撮影に
　　　　　も使われた場所です。《情報提供／法水さん／NOBOさん》

　　　　　→ロケ地をご紹介！　

　　　東映『オリヲン座からの招待状』

▲宮沢りえさんと加瀬亮さん。宮沢りえさん、イイですね。
宮沢りえさんというと、やはり京都弁を披露されるお茶のCMが目に浮かびますね。

　　　　監督／三枝健起
　　　　出演／宮沢りえ、加瀬亮、宇崎竜童、田口トモロヲ、樋口可南子、中原ひとみ、原田芳雄、
　　　　　　　豊原功補、鈴木砂羽、石橋蓮司、石橋けい、外波山文明、楠見薫、他
　　　　…浅田次郎原作作品。京都で映画館を営んでいた夫の後を継いで、夫の弟子・留吉（加瀬亮）と
　　　　　ともに映画館を守ろうとする豊田トヨ（宮沢りえ）を描いた作品で、館名は“西陣オリヲン座
　　　　　”、所在地は上京区の千本今出川〔せんぼん・いまでがわ〕下ル東の一条通松屋町〔いちじょ
　　　　　うどおり・まつやまち〕（劇中の招待状による）。宮沢りえさんが京都弁に苦労されていると
　　　　　いう話もあったようですが、なかなか流暢に京都弁を話されています。2006年9月30日10時
　　　　　頃、上京区の下立売通智恵光院〔しもだちうりどおり・ちえこういん〕西入ルにある“上京歴
　　　　　史探訪館”（山中油店向かい）で、宮沢りえさんがチンドン屋さんの一員に扮し、チャップリ
　　　　　ンの恰好でチラシを配るシーンにLem.さんが遭遇。顔は白塗りで服もたっぷりしていたため
　　　　　、よく見えなかったけれども、やはり綺麗だということは良く判ったとのこと。周りの普通の
　　　　　民家も暖簾をかけて商店街みたいに見せていたそうです。また、トヨが夫の遺骨を持って歩く
　　　　　橋は、時代劇などでも有名な八幡市〔やわたし〕の木津川〔きづがわ〕にある通称“流れ橋”
　　　　　（上津屋橋〔こうづやばし〕）でロケが行なわれています。“オリヲン座”のモデルは、上京
　　　　　区の千本通りにあった、日本映画の父・牧野省三が作った日本最初の映画館“千本座”だそう
　　　　　で、ちなみに“オリオン座”（“オリヲン座”ではない）という映画館が、1950年代頃に下
　　　　　京区の大宮通七条〔おおみやどおり・しちじょう〕下ルに実存したそうです。劇中、上映作品
　　　　　として56年日活『乳母車』が登場、芦川いづみさんのお顔も見ることが出来ます。59年日活
　　　　　『ギターを持った渡り鳥』や『にあんちゃん』、61年同『紅の拳銃』などの看板も登場しま
　　　　　す。閉館前に最後に上映される映画は、阪東妻三郎さん主演の43年大映京都『無法松の一生
　　　　　』（原作で最後に上映されるのは57年日活『幕末太陽伝』。こちらは途中で上映されていて
　　　　　、石原裕次郎さんとフランキー堺さんの入浴シーンが登場します）
　　　　　　《情報提供／NOBOさん／Lem.さん／法水さん／香織さん》

　　　　　→ロケ地をご紹介！　

　　　SAKURA Production USA『はんなり Hannari Geisha Modern』
　　　　製作／監督／曽原三友紀
　　　　…欧米などにおける日本の“ゲイシャ”というイメージを払拭するため、舞妓さんの踊りの稽古
　　　　　やお座敷での様子などを四季を交えて紹介したドキュメント映画。2006年（？）にアメリカ
　　　　　で上映され、京都でも2007年11月25日～30日に下京区の京都シネマで上映。2008年国連
　　　　　国際映画祭セレクト作品として2010年に全国公開されています。

　　　加藤映像工房／オーピー映画『浪花ノーパン娘 -我慢でけへん-』
　　　　監督／加藤義一　出演／岡本優希、しのざきさとみ、風間今日子、平賀勘一、岡田智宏、他
　　　　…大阪を舞台にしたピンク映画。大阪の新世界にあるお好み焼き屋“えっちゃん”を切り盛りす
　　　　　る悦子（岡本優希）が離れて暮らす“オカン”（しのざきさとみ）に会いに行くのが京都だそ
　　　　　うです。ロケされているのか気になるところです。

　　　東映京都『茶々天涯の貴妃〔おんな〕』
　　　　監督／橋本一
　　　　出演／和央ようか、寺島しのぶ、渡部篤郎、高島礼子、富田靖子、余貴美子、原田美枝子、
　　　　　　　中村獅童、松方弘樹、他
　　　　…井上靖原作《淀どの日記》の映像化。豊臣秀吉の側室だった淀殿（茶々）の波乱の人生を描い
　　　　　た作品で、大阪城という設定で、京都市伏見区にある伏見桃山城（キャッスルランドという遊
　　　　　園地とともに1964年に建てられたもの。現在は閉鎖中）を一億円かけて改修、大阪夏の陣の
　　　　　シーンをロケするそうです。望楼の下に虎の装飾を施したり、しゃちほこを金色に塗り替えた
　　　　　りしてあるそうです。寺島しのぶさんの役は、茶〃の妹・小督、渡部篤郎さんの役は、豊臣秀
　　　　　吉、高島礼子さんの役は、豊臣家大蔵卿の局。

　　　JCI KOREA韓国京都『鐘〔ちょん〕-ある在日家族の三十年-』
　　　　監督／？？？　出演／寺島進、吉田由一、他
　　　　…JCI（国際青年会議所）KOREA韓国京都設立30周年を記念して製作された崔秉弦さん原作の
　　　　　映画。京都市南区の東九条で鉄工所を営む五人家族の在日韓国人一家。彼らの姿を通して家族
　　　　　の絆などを描いています。寺島進さんが特別出演されています。

　　　Yahoo！BB、他『探偵事務所5'' Another Story』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔2nd Season Vol.11、12〕“送り火右左前編／後編”
　　　　監督／林海象　出演／金井良信、岩澤侑生子、弓井茉那、上田智也、雪代敬子、室千草、他
　　　　…映画なのかテレビドラマなのか、微妙な存在かもしれないインターネット配信のネットムービ
　　　　　ーなるもの。後にテレビ放映されたりしますのでややこしい（笑）。川崎で60年あまり営業
　　　　　を続けている探偵事務所5。そこには所長の500（宍戸錠）以下、5で始まる三ケタの数字で
　　　　　呼ばれる探偵たちが存在します。そんな探偵たちの活躍を描く『探偵事務所5''』シリーズの
　　　　　中に京都を舞台にした前後編があります。京都市内の銭湯に間借りしている探偵事務所5の京
　　　　　都支部。占いを副業にしながら、そこで働く探偵558（金井良信）は芸者置き屋“花川”の
　　　　　女将から行方不明になった舞妓・豆きよを探す依頼を受けることに…。

2008年

　　　東宝『花より男子F〔ファイナル〕』
　　　　監督／石井康晴
　　　　出演／井上真央、松本潤（嵐）、小栗旬、松田翔太、阿部力、加賀まりこ、石野真子、
　　　　　　　小林すすむ、デビット伊東、他
　　　　…TBSで放映されたテレビドラマの劇場版。京都のシーンがあるらしいですよ？？？（笑）。
　　　　　　《情報提供／法水さん》

　　　ピクニック、ムービー・アイ（日本・台湾合作）『闘茶～Tea Fight～』
　　　　監督／王也民〔ワン・イェミン〕
　　　　出演／香川照之、戸田恵梨香、ヴィック・チョウ（F4）、エリック・ツァン、細田よしひこ、
　　　　　　　張鈞◯〔“密”の“山”の部分が“用”〕／チャン・チュンニン、ほんこん、他
　　　　…開店休業中の京都の老舗の茶舗“八木茶舗”の主人・八木圭（香川照之）は先祖伝来の“黒金
　　　　　茶の呪い”に悩まされていた。娘である美希子（戸田恵梨香）が呪いを解くために台湾へ向か
　　　　　うが、それは八木家に伝わる“雌黒金茶”を奪おうとする台湾マフィアの陰謀で…（笑）。福
　　　　　健省で生まれたという、茶葉を持ち寄って、抽出法や風味を競う競技“闘茶”（どこまで本当
　　　　　の話なのかは？？？ですが。笑）の勝負に巻き込まれて行きます。戸田恵梨香さんの実のお父
　　　　　さんは少林寺拳法の師範らしいので、彼女のカンフーアクションにも期待したいところ。我が
　　　　　国では、綺麗でなおかつ本格的なアクションの出来る女優さんは、水野美紀さんくらいのもの
　　　　　なので、頑張ってみてほしいですね。“幻の茶”を巡って家族愛や恋愛を描くアジアンアクシ
　　　　　ョンということで、2007年10月下旬から12月上旬まで、京都と台湾でロケが行なわれたよ
　　　　　うです。クレジットの後に、左京区黒谷にある金戒光明寺の鐘楼、東山区の八坂の塔や巽橋〔
　　　　　たつみばし〕などがイメージショットとして登場。美希子（戸田恵梨香）がアルバイトをして
　　　　　いる塩芳軒〔しおよしけん〕は上京区の黒門中立売り〔くろもん・なただちうり〕に実在する
　　　　　有名な和菓子店です。お茶会が行われる〔ショウコウ〕寺の山門は、長岡京〔ながおかきょう
　　　　　〕市の粟生〔あお〕にある光明寺の総門で撮影されているようです。美希子が台湾から届いた
　　　　　手紙を読むシーンは、左京区下鴨の出町柳の三角州での撮影で、賀茂大橋や河合橋が写ってい
　　　　　ます。美希子の実家である八木茶舗は京都市内にある設定ながら、実際には滋賀県東近江市の
　　　　　五箇荘〔ごかしょう〕で撮影されたようです。《情報提供／NOBOさん》

　　　元気な事務所『地球のヘソ』
　　　　監督／東郷一重
　　　　出演／山内明日、国木田かっぱ、J・A・T・Dにしゃんた、カルロス・カスティーヨ、他
　　　　…50年後の京都は、外国人ばかりが暮らす街になっていた！？…という設定の中、アメリカに
　　　　　住む日本人女性と京都を観光するのは初めてという東北地方から訪れた男性（国木田かっぱ）
　　　　　とその妻が、京都に住んでいる外国人たちとふれあい、“京都らしさ”“日本らしさ”という
　　　　　ものを再発見するという話のようです。清水寺や鴨川、中京区の木屋町〔きやまち〕通り、右
　　　　　京区・嵐山の渡月橋〔とげつきょう〕などでロケが行なわれ、ホームページなどを通じて募集
　　　　　されたアメリカ・ロシア・南アフリカ・メキシコなどの20カ国の人たちが出演されているそ
　　　　　うです。中京区に住む山口県立大学助教授でもあるスリランカ出身のJ・A・T・Dにしゃんた
　　　　　さんは、Web＠作者の友人である坊さま・S氏が出演していた京都チャンネルの番組『京都！
　　　　　ちゃちゃちゃっ』にもよくゲスト出演されていました。《情報提供／NOBOさん》

　　　東北新社クリエイツ『天国はまだ遠く』
　　　　監督／長澤雅彦
　　　　出演／加藤ローサ、徳井義実（チュートリアル）、河原さぶ、絵沢萠子、藤澤恵麻、坂東英二、
　　　　　　　郭智博、宮川大助、南方英二（チャンバラトリオ）、海原はるか、海原かなた、他
　　　　…京都府京丹後市在住の作家・瀬尾まいこさんの原作を映画化。都会で暮らすことに疲れたOL
　　　　　・千鶴（加藤ローサ）が自殺目的で訪れた先の民宿“たむら”の独身の主人・田村（徳井義実
　　　　　〔チュートリアル〕）や土地の人々・自然などに癒されていくという話だそうです。2007年
　　　　　10月30日から京都府北部の宮津市〔みやづし〕でスタート、同市の上世屋〔かみせや〕にあ
　　　　　る小松尾川周辺や有名な天橋立〔あまのはしだて〕、長江〔ながえ〕漁港、文珠〔もんじゅ〕
　　　　　などで11月末頃までロケが行なわれるそうです。《情報提供／NOBOさん》

　　　宇治市源氏物語ミュージアム？『橋姫女人たちの心の丈』
　　　　監督／？？？？　出演／白石加代子、緒形直人（ナレーション）、他
　　　　…京都府宇治市にある“宇治市源氏物語ミュージアム”が9月に開館10周年を記念してリニュ
　　　　　ーアル、新しく上映されることになった《宇治十帖》を主題とした20分の短編です。今風の
　　　　　髪型で十二単を着た女優さんが登場するらしく、「？？？」な感じですね（笑）。
　　　　　　《情報提供／由美子さん》

2009年

　　　同製作委員会／角川映画『ZEN 禅』
　　　　監督／高橋伴明
　　　　出演／中村勘太郎、内田有紀、藤原竜也、鄭龍進、高良健吾、安居剣一郎、村上淳、勝村政信、
　　　　　　　西村雅彦、菅田俊、哀川翔、笹野高史、高橋惠子、他
　　　　…八歳で母・伊子（高橋惠子）を亡くし、後に道元（中村勘太郎）となった鎌倉時代の青年の生
　　　　　涯を描いています。道元が身を寄せたのは、東山区にある建仁寺。その後、深草に建てられた
　　　　　興聖寺は，道元の隆盛を憎む比叡山の僧兵に襲撃されたりしたようです。内田有紀さんの役は
　　　　　、後に道元の弟子となる遊女・おりん。《情報提供／法水さん》

　　　ミルボン『色彩の記憶』
　　　　監督／御法川修
　　　　…美容と西陣織、有田窯の世界で色彩を追求する職人たちの姿を追い続けた三年がかりのドキュ
　　　　　メンタリー映画。京都のパートである“西陣織”は、2007年6月に105歳で亡くなった西陣
　　　　　織作家・山口伊太郎さんの創作過程を記録しています。西陣織の技術で《源氏物語錦織絵巻》
　　　　　全四巻の再現に取り組む姿に迫っています。《情報提供／NOBOさん》

　　　同製作委員会／ビターズエンド『ニセ札』
　　　　監督／木村祐一
　　　　出演／倍賞美津子、青木崇高、板倉俊之（インパルス）、木村祐一、西方凌、村上淳、
　　　　　　　段田安則、宇梶剛士、三浦誠己、他
　　　　…1951年、山梨県で起こったある村ぐるみのニセ札製造事件を題材にした作品。物語の舞台は
　　　　　京都ではありませんが、法廷のシーンは、旧京都地裁法廷が移築されている北区の立命館大学
　　　　　の末川記念会館で撮影が行なわれています。その他、廃校となっている旧・西陣小学校の校舎
　　　　　（…警察の取調室という設定で畳敷きの作法室が使用されたり）、南丹市美山町〔みやまちょ
　　　　　う〕などでも撮影が行なわれています。《情報提供／法水さん》

　　　同フィルムパートナーズ／松竹『鴨川ホルモー』
　　　　監督／本木克英
　　　　出演／山田孝之、栗山千明、濱田岳、石田卓也、芦名星、斉藤祥太、斉藤慶太、渡部豪太、
　　　　　　　藤間宇宙、梅林亮太、和田正人、趙�和、三村恭代、大谷英子、澤武博之（KBS京都）、
　　　　　　　佐藤めぐみ、甲本雅裕、笑福亭鶴光、荒川良々、石橋蓮司、パパイヤ鈴木、他
　　　　…2008年にCXでテレビドラマ化された『鹿男あをによし』でも知られる万城目〔まきめ〕学
　　　　　さんの原作を映画化。京都大学に二浪して入学した安倍明（山田孝之）は、新入生歓迎コンパ
　　　　　で知り合った早良京子（芦名星）の鼻の形に一目惚れして、謎のサークル“青竜会”に入会す
　　　　　る。そのサークルは、一般人には姿の見えない体長20cmほどの式神“オニ”を使って戦う
　　　　　競技“ホルモー”でライバル校となる立命館大学や京都産業大学、龍谷大学と戦うことに…。
　　　　　栗山千明さんの役は、京都大学理学部の一回生で“青竜会”のメンバー・楠木ふみ、佐藤めぐ
　　　　　みさんの役は、龍谷大学の朱雀団〔フェニックス〕の499代目会長・立花美伽。京都大学そ
　　　　　ばの吉田神社や葵祭の行なわれる上賀茂神社、祇園祭の様子なども出てきます。また安倍明の
　　　　　下宿先は“銀月アパートメント”で、これは07年東宝『Closed Note クローズド・ノート』
　　　　　で沢尻エリカさん扮するヒロインが訪ねて行く石飛リュウ（伊勢谷友介）が住んでいたアパー
　　　　　トと同じ場所です。《情報提供／法水さん／ツカさん》

　　　同製作委員会『名探偵コナン漆黒の追跡者〔チェイサー〕』
　　　　監督／山本泰一郎
　　　　声の出演／高山みなみ、山口勝平、山崎和佳奈、林原めぐみ、神山明、堀川りょう、
　　　　　　　宮村優子、他
　　　　…アニメ“名探偵コナン”シリーズ第13作。事件を解く鍵の一つとして、火事になった京都の
　　　　　ビジネスホテルが登場します。シリーズ第7作『同迷宮の十字路』に登場した京都府警の通
　　　　　称“おじゃる警部”、綾小路文磨も再登場しています。

　　　シネ・ヌーヴォ『もうひとりの女京都・清滝にて』
　　　　監督／高林陽一　出演／白石美樹、高城ツヨシ、遠藤久仁子、吉田信夫
　　　　…京都市の西、右京区嵯峨・清滝〔きよたき〕にある古い旅館を訪れた二人の宿泊客と旅館を営
　　　　　む夫婦を巡るサスペンスものなのだとか。この清滝のあたりは、TBSの金田一耕助シリーズ
　　　　　などにもよく登場しています。《情報提供／NOBOさん》

　　　スタイルジャム『色即ぜねれいしょん』
　　　　監督／田口トモロヲ
　　　　出演／渡辺大知（黒猫チェルシー）、峯田和伸（銀杏BOYZ）、岸田繁（くるり）、堀ちえみ、
　　　　　　　リリー・フランキー、臼田あさ美、石橋杏奈、森岡龍、森田直幸、大杉漣、宮藤官九郎、
　　　　　　　木村祐一、塩見三省、みうらじゅん、他
　　　　…みうらじゅんさんの原作を映画化。1974年の京都が主な舞台となっています。退屈な毎日を
　　　　　送る法然高等学校の一年生、通称“イヌ”こと乾純（渡辺大知）が中学時代からの二人の友人
　　　　　（森岡龍・森田直幸）と一緒に島根県隠岐島を訪れます。ただし、隠岐島のユースホステルと
　　　　　いう設定ではあっても、京都府北部にある宮津市の天橋立付近で撮影されているようです。み
　　　　　うらじゅんさんの母校でもある左京区の東山高校や滋賀県の大津市などでもロケが行なわれて
　　　　　います。《情報提供／ツカさん》

　　　同製作委員会『TAJOMARU』
　　　　監督／中野裕之
　　　　出演／小栗旬、柴本幸、田中圭、やべきょうすけ、池内博之、松方弘樹、本田博太郎、
　　　　　　　近藤正臣、萩原健一、他
　　　　…足利義政（萩原健一）が登場するということは、京都の話なのでは？（笑）。
　　　　　　《情報提供／由美子さん》

　　　？？？『月下の侵略者 -文録・慶長の役と「耳塚」』
　　　　監督／前田憲二
　　　　…東山区にある“耳塚”を題材にしたドキュメンタリー映画だそうです。中国と北朝鮮でもロケ
　　　　　が行なわれているそうです。全七章で構成されていて、その第五章で伏見城や聚楽第〔じゅら
　　　　　くだい〕がどのような背景で建造されたかを春の京都で撮影されているようです。そして第七
　　　　　章では、耳塚や東山区の豊国〔とよくに〕神社、天台宗の方広寺〔ほうこうじ〕などが登場す
　　　　　るようです。《情報提供／NOBOさん》

　　　株式会社プロジェクトラム＝太秦株式会社『黄金花秘すれば花、死すれば蝶』
　　　　監督／木村威夫
　　　　出演／原田芳雄、長門裕之、松原智恵子、野呂圭介、川津祐介、絵沢萠子、松坂慶子、
　　　　　　　三條美紀、麿赤兒、飯島大介、真実一路、牧口元美、澤井克幸、他
　　　　…日活で美術を担当されていた木村威夫さんの監督作品。老人ホーム“浴陽荘”を舞台に、人生
　　　　　の大半を植物学の研究に費やした博士・牧草太郎（原田芳雄）の最期を描くもので、左京区に
　　　　　ある京都造形芸術大のスタジオで撮影が行われているようです（2008年8月14日にクランク
　　　　　イン、8月31日にクランクアップの予定）。同じく左京区の京都府立植物園でも撮影が行わ
　　　　　れるそうです。《情報提供／NOBOさん》

LAST UPDATE ／ 2016年6月19日