京都関係の映画（1960年代後期）

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京都関係の映画（1960年代後期）

●京都が舞台ではあっても、その数の多さから、“新選組”や“鞍馬天狗”（戦前戦後を合わせて
40作以上あります）、“宮本武蔵”、“月形半平太”など、何度も映画化された作品の多くは割愛
してあります。その他、時代劇（江戸時代が舞台であるところの）、平安朝の頃の話、また文化映
画や医療関係のドキュメント作品などの多くも割愛しています。舞台は京都ではないけれど、ロケ
は京都市及びその周辺であるという作品もほとんどを割愛しています。ご了承ください。　　　　

▲『古都憂愁姉いもうと』から藤村志保さんと若柳菊（後に鹿内寛子）さん。

1967年

　　　東宝『レッツゴー！若大将』
　　　　監督／岩内克己
　　　　出演／加山雄三、星由里子、田中邦衛、江原達怡、陳曼玲、宝田明、有島一郎、中真千子、
　　　　　　　飯田蝶子、田島義文、酒井和歌子、五月女マリ、前田美波里、
　　　　　　　森今日子、菱見地谷子（後にひし美ゆり子）、キャシー・ホーラン、他
　　　　…加山雄三さん主演の“若大将”シリーズ第九作。後半、主人公・田沼雄一（加山雄三）が宝石
　　　　　専門店“坂本”の店員・仁科澄子（星由里子）を追って中京区〔なかぎょうく〕の二条城〔に
　　　　　じょうじょう〕のそばにある“京都国際ホテル”の展示会場へ出向きます。上京区〔かみぎょ
　　　　　うく〕の京都御所〔きょうとごしょ〕で話しますが、どうも二人の関係はぎごちないまま。ま
　　　　　た和服姿の香港の中華料理店の令嬢・林美芳〔リン・メイファン〕（陳曼玲／チェン・マンリ
　　　　　ン）と右京区〔うきょうく〕の嵐山〔あらしやま〕にある渡月橋〔とげつきょう〕や東山区〔
　　　　　ひがしやまく〕の清水寺〔きよみずでら〕近辺を歩くシーンもあります。ただ、この二カ所は
　　　　　京都市内では全く反対の方角にありますので、そのまま歩いて行ったとは思えません（笑）。
　　　　　宝石店の専務・坂本（太刀川寛）の車に澄子が押し込められるのを主人公が助けるシーンは、
　　　　　左京区〔さきょうく〕の南禅寺〔なんぜんじ〕の南禅僧堂南の坂道付近で撮影されているよう
　　　　　です。《情報提供／NOBOさん》

　　　　　→ロケ地＋詳細データ　

　　　松竹大船『惜春』
　　　　監督／中村登
　　　　出演／新珠三千代、香山美子、加賀まりこ、森光子、早川保、平幹二朗、伊志井寛、
　　　　　　　東野英治郎、柴田美保子、永井智雄、横内正、村瀬幸子、木村俊恵、他
　　　　…上野・池の端にある八代続く老舗“糸屋新堂“の長女・新堂藤代（新珠三千代）と帯の下絵の
　　　　　デザイナー・勝間謙吉（平幹二朗）が組んで創作ファッション・ショーを行なうのが京都。

　　　大映京都『あの試走車を狙え』
　　　　監督／森一生
　　　　出演／田宮二郎、野川由美子、内藤武敏、鈴木瑞穂、久米明、伊藤弘子、内田朝雄、北竜二、
　　　　　　　庄司永建、中野誠也、中条静夫、木村玄（後に元）、他
　　　　…ヒカリ自動車の営業本部長である小池豊（久米明）が大口注文を取るため、調査室次長・乾敬
　　　　　介（田宮二郎）と一緒にタクシー王・神林隆平（内田朝雄）に会うため京都へ出かけます。
　　　　　　《情報提供／NAOさん》

　　　東宝＝宝塚映画／東宝『国際秘密警察絶体絶命』
　　　　監督／谷口千吉
　　　　出演／三橋達也、ニック・アダムス、水野久美、佐藤允、真理アンヌ、田崎潤、平田昭彦、
　　　　　　　土屋嘉男、北竜二、天本英世、竹野マリ、他
　　　　…“国際秘密警察”シリーズ第五作（最終作）。殺人請負組織“ZZZ”に暗殺されようとしてい
　　　　　るブッダバル国の首相（田崎潤）を国際秘密警察極東支部の捜査官・北見次郎（三橋達也）と
　　　　　本部から派遣されて来たジョン・カーター（ニック・アダムス）が守るというのが大筋。首相
　　　　　がお忍びで奈良ドリームランドへ出かけることになりますが、それをジョン・カーターが追う
　　　　　シーンに平安神宮や二条城などが登場します。またジョン・カーターが東山区の祇園〔ぎおん
　　　　　〕（辰巳大明神や巽橋あたり）で舞妓さんをナンパしようとします（爆）。その後には伏見区
　　　　　にあった伏見桃山城も登場します。《情報提供／☆そらりすさん／ツカさん》

　　　宝塚映画＝渡辺プロ／東宝『（幕末）てなもんや大騒動』
　　　　監督／古沢憲吾　原作／香川登志緒
　　　　出演／藤田まこと、白木みのる、野川由美子、伊東ゆかり、磯村みどり、財津一郎、伴淳三郎、
　　　　　　　ザ・ドリフターズ、他
　　　　…東宝で作られた“てなもんや”シリーズの第2作。幕末の京都で泉州・信太〔しのだ〕生まれ
　　　　　の渡世人・あんかけの時次郎（藤田まこと）と近江・園城寺の学僧・珍念（白木みのる）が、
　　　　　新撰組と勤王党の争いに関わる話。

　　　　…京都市の西側に位置する亀岡市〔かめおかし〕の曽我部町〔そがべちょう〕穴太〔あなお〕に
　　　　　ある西国三十三箇所第21番札所となっている穴太寺〔あなおじ〕でもロケが行なわれ（画像
　　　　　の撮影は2008年10月27日）、主人公たちやニセ者の坂本龍馬が逗留する京都の天台宗の寺
　　　　　・証城寺〔しょうじょうじ〕（架空）として登場します。《情報提供／由美子さん》

　　　　　→ロケ地＋詳細データ　

　　　　　→ついでに『てなもんや東海道』の詳細データ　

　　　　　→ついでに『てなもんや幽霊道中』の詳細データ　

　　　日活『秩父水滸伝影を斬る剣』
　　　　監督／井田探
　　　　出演／高橋英樹、山本陽子、佐野浅夫、伊藤るり子、山田真二、南廣、安部徹、深江章喜、
　　　　　　　平田大三郎、水島道太郎、三遊亭歌奴（後に圓歌）、葉山良二、滝沢修、他
　　　　…明治の頃が舞台。剣術を見せる興行を行なう三浦虎次郎剣術一座が試合に勝ち、地元のヤクザ
　　　　　に搾取されることなく興行が打てることになります。祝いの席で旅篭の主人が「京都から“祝
　　　　　瓢〔シュクヒョウ〕”といういいお酒が手に入りました。今夜は存分に飲んでください」と言
　　　　　って、“祝瓢”と表記された日本酒（一斗樽）が運ばれてきます。タイアップなのかもしれま
　　　　　せん。ちなみに“祝瓢”というお酒は実際に伏見区〔ふしみく〕にある“三盛酒造”にて現在
　　　　　も作られているようです。《情報提供／NOBOさん》

　　　松竹大船『若社長大奮戦』
　　　　監督／梅津明治郎
　　　　出演／竹脇無我、進藤英太郎、稲垣美穂子、早瀬久美、藤岡琢也、柳沢真一、牟田悌三、
　　　　　　　三遊亭歌奴（後に圓歌）、佐山俊二、左とん平、久里千春、花沢徳衛、亀井光代、
　　　　　　　曽我廼家明蝶、藤村有弘、山口崇、ミヤコ蝶々、谷幹一、長門勇、伊東ゆかり、他
　　　　…“若社長”シリーズ第一作。父・伊兵衛（進藤英太郎）が倒れ、大学の剣道部のキャプテンで
　　　　　ある南蛮ガラスKKの御曹子・丹下次郎（竹脇無我）が、会社を背負って大活躍する話ですが
　　　　　、金策のために向かうのは、京都だったりします。

　　　大映京都『古都憂愁姉いもうと』
　　　　監督／三隅研次
　　　　出演／藤村志保、若柳菊（後に鹿内寛子）、伊藤栄子、八千草薫、船越英二、長谷川明男、
　　　　　　　河内桃子、藤岡琢也、谷口和子、三木本賀代、大杉育美、和歌浦糸子、小松みどり、他
　　　　…老舗の料亭“とと喜”の暖簾を守るきよ子（藤村志保）とひさ子（若柳菊〔後に鹿内寛子〕）
　　　　　という姉妹の話で、京都を知り尽くした依田義賢さんの脚本は古都・京都やその風土が生んだ
　　　　　京料理まで写し出しています。

　　　大映京都『ある殺し屋』
　　　　監督／森一生
　　　　出演／市川雷蔵、野川由美子、成田三樹夫、小池朝雄、渚まゆみ、小林幸子、千波丈太郎、
　　　　　　　伊達三郎、松下達夫、橋本力、岡島艶子、久本延子、他
　　　　…表向きは小料理屋“菊の家”の主人だが、実は腕利きの殺し屋である塩沢（市川雷蔵）が、木
　　　　　村組から敵対するヤクザの大ボス・大和田（松下達夫）を殺す依頼を二千万円で引き受ける。
　　　　　競馬場や愛人宅などへ標的を追い、ついには東都建設創立30周年記念パーティーに芸人とし
　　　　　て潜入、隙を見て畳針で大和田を倒すが…。空港や麻薬の取り引きを行なう港などが登場しま
　　　　　すので、京都ではなく架空の町という設定でしょうが、野川由美子さん扮する不良娘・圭子が
　　　　　買い物をする商店街は、右京区の太秦〔うずまさ〕にある大映通りです。寿司折りを買う“丸
　　　　　福寿し”も大映通りに実存します。ラスト、町を去る塩沢が乗る電車は、車体の色から考えて
　　　　　、おそらく阪急電車でしょう。撮影所からも駅は近いですしね。

　　　大映京都『悪名一代』
　　　　監督／安田公義　出演／勝新太郎、田宮二郎、森光子〔東宝〕、長門勇、坪内ミキ子、
　　　　　　　勝山まゆみ、浜田ゆう子、小池朝雄、早川雄三、上田吉二郎、北条寿太郎、
　　　　　　　木村玄（後に元）、園千雅子、毛利郁子、近江輝子、小林加奈枝、本間文子、他
　　　　…“悪名”シリーズ第13作。舞台は山陰（岡山？）の温泉町・原坂（架空の町）ですが、そこ
　　　　　へ向かう途中、その位置する高さが有名な国鉄山陰線（現・JR山陰線）の余部〔あまるべ〕
　　　　　鉄橋を渡ります。また、原坂の駅のロケは、右京区にある国鉄山陰線（現・JR嵯峨野線）の
　　　　　嵯峨駅（現・嵯峨嵐山〔さがあらしやま〕駅）とそのホームです（駅の表の看板をよく見ると
　　　　　“大覚寺〔だいかくじ〕門跡”などと書かれてあります）。Web＠作者もよく乗り降りした
　　　　　駅で、朝吉が座ったホームのベンチに座ったこともあります（笑）。古谷一行さん主演のテレ
　　　　　ビドラマ、77年TBS『犬神家の一族』（横溝正史シリーズ）での最終回のラストシーン、金
　　　　　田一耕助が座っているのが、この駅正面のベンチでした。78年TBS『仮面劇場』（同シリー
　　　　　ズII）にも駅正面は登場します。また、劇中に出てくる白い車体に赤いラインの入ったバス
　　　　　は、亀岡市に本社のある京都交通（現・京阪京都交通）のバスです。ただし、舞台が京都では
　　　　　ないため、“京都交通”の“京都”の文字や“京バス”と書かれた“京”の文字が塗りつぶさ
　　　　　れています（笑）。塗りつぶすのなら、いっそ全部消したほうが自然だと思いますが（笑）。

　　　大映京都『眠狂四郎無頼控魔性の肌』
　　　　監督／池広一夫
　　　　出演／市川雷蔵、鰐淵晴子、久保菜穂子、長谷川待子、成田三樹夫、金子信雄、木村俊恵、
　　　　　　　三木本賀代、稲葉義男、遠藤辰雄（後に太津朗）、五味龍太郎、伊達三郎、
　　　　　　　平泉征（後に成）、毛利郁子、水木正子、他
　　　　…“眠狂四郎”シリーズ第九作。眠狂四郎（市川雷蔵）が闕所物奉行・朝比名修理亮（金子信雄
　　　　　）の依頼で、同行する娘・ちさ（鰐淵晴子）の貞操を代償に、将軍からある公卿に贈る黄金の
　　　　　マリア像（ポルトガルから天草四郎に贈られたもので、島原の乱の残党・黒指党が狙っている
　　　　　）を京都まで護送する仕事を引き受ける話です。ラスト、京都に到着（どこかの五重塔が出て
　　　　　きますが、町並みは登場しません）、悪玉の呉服問屋の染め場で黒指党の首領・三枝右近（成
　　　　　田三樹夫）と対決しますが、そこはかなり広い河川敷。どう見ても亀岡市の保津川〔ほづがわ
　　　　　〕の河川敷に見えるのですが（笑）。

　　　松竹大船『夜のひとで』
　　　　監督／長谷和夫
　　　　出演／三田佳子、しめぎしがこ、高城丈二、細川俊之、楠侑子、柳永二郎、路加奈子、
　　　　　　　山吉鴻作、志賀真津子（後に眞津子）、市川春代、小田草之助（後に草之介）、他
　　　　…デパートに勤めていた雅子（三田佳子）が、京都の素封家の後妻になるが、破滅していくとい
　　　　　う様子を描いています。

　　　日活『東京ナイト』
　　　　監督／鍛冶昇
　　　　出演／和泉雅子、山内賢、高千穂ひづる、中村芳子、長内美那子、和田浩治、青空はるお、
　　　　　　　青空あきお、小橋玲子、徳永芽里、木浦佑三、嵯峨善兵、杉山元、木下雅弘、柳瀬志郎、
　　　　　　　千波可奈子、三国一朗、ヴィレッジ・シンガース、三遊亭歌奴（後に圓歌）、他
　　　　…祇園の“菊の家”の娘である舞妓・小はな（和泉雅子）が、東京にいる家出した姉・幸田雪枝
　　　　　（長内美那子）を探しに上京する話です。主な舞台は東京ですが、巻頭、朝もやの中、ヒロイ
　　　　　ンが家出をするシーンがあります（舞妓の姿のまま。笑）。東山区の白川〔しらかわ〕そば、
　　　　　新橋花見小路〔しんばし・はなみこうじ〕西入ルにある辰巳大明神〔たつみだいみょうじん〕
　　　　　でお参りしたり、八坂神社〔やさかじんじゃ〕が画面奥に見える料亭“祇園一力亭〔ぎおん・
　　　　　いちりきてい〕”の前でタクシーを停めたりします。東京の高級クラブ（ここも店名は“一力
　　　　　”）で“祇園小唄”を歌いながら舞うシーンもあります（実際には舞妓さんが自分で歌いなが
　　　　　ら舞うことはないと思いますが…笑）。《情報提供／由美子さん》

　　　　　→ロケ地をご紹介！　

　　　東宝＝渡辺プロ／東宝『クレージーの怪盗ジバコ』
　　　　監督／坪島孝
　　　　出演／植木等、浜美枝、谷啓、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、石橋エータロー、安田伸、
　　　　　　　東野英治郎、豊浦美子、進藤英太郎、青島幸男、安藤孝子、立川談志、木の実ナナ、
　　　　　　　青山ミチ、人見明、左卜全、柳谷寛、アンドリュー・ヒューズ、松本染升、小松政夫、
　　　　　　　名古屋章、藤田まこと、他
　　　　…変装の名人である怪盗ジバコ／ZIVACO（植木等）が日本の国宝を贋作とすり替える国際犯罪
　　　　　団を相手に大活躍する話です。後半の舞台は関西に移り、京都・奈良・滋賀が登場します。北
　　　　　杜夫さんの原作を映像化しています。《情報提供／由美子さん／娯楽映画研究家佐藤利明さん》

　　　　　→ロケ地をご紹介！　

　　→詳細データ　

　　　大映京都『ある殺し屋の鍵』
　　　　監督／森一生
　　　　出演／市川雷蔵、佐藤友美、西村晃、山形勲、中谷一郎、内田朝雄、金内吉男、伊達三郎、
　　　　　　　伊東光一、加古幸子（後にサリー・メイ）、他
　　　　…『ある殺し屋』の続編。藤原審爾原作《消される男》の映画化作品。日本舞踊の師匠である新
　　　　　田（市川雷蔵）の裏稼業は、針を刺して相手を一瞬に始末する殺し屋。佐藤友美さんが主人公
　　　　　に日本舞踊を習っている芸者・秀子に扮しています。内田朝雄さん扮する金融王を殺しに行く
　　　　　のは、劇中に登場する新聞記事によると、伊東市のニュースカイラインホテルとなっています
　　　　　が、ロケ先は東山区三条蹴上〔けあげ〕にある都ホテル（現・ウェスティン都ホテル京都）で
　　　　　しょう。中谷一郎さん扮するヤクザ・石野の組の事務所のあるビルは、下京区〔しもぎょうく
　　　　　〕の四条大宮〔しじょうおおみや〕にあるサウナ＆マッサージ“ニュー大将軍”のあるビルで
　　　　　す。また、夜、主人公がビルの屋上からロープを使って外壁を降り、秀子の住むレジデンスの
　　　　　部屋に侵入するシーンは、中京区の五条御前〔ごじょうおんまえ〕あたりにある京都市民病院
　　　　　を借り切って撮影したそうです。《情報提供／sanaeさん》

　　　東宝『ゴー！ゴー！若大将』
　　　　監督／岩内克己
　　　　出演／加山雄三、星由里子、田中邦衛、浜木綿子、江原達怡、中真千子、北竜二、
　　　　　　　中川さかゆ（後に梨絵）、若原啓子、木崎国嘉、諸口旭（後にあきら）、
　　　　　　　曾我廼家五郎八、原哲男、桑原和男、南風夕子、ザ・ランチャーズ、他
　　　　…“若大将”シリーズ第10作。京南大学の陸上部員である“若大将”こと田沼雄一（加山雄三
　　　　　）が自動車部のマネージャー・江口敏（江原達怡）に頼まれてケガをした“青大将”こと石山
　　　　　新次郎（田中邦衛）に代わって出場する“全日本学生ラリー”の出発地点が京都で、左京区の
　　　　　平安神宮〔へいあんじんぐう〕や下京区にある西本願寺〔にしほんがんじ〕（世界遺産）など
　　　　　が登場します。西本願寺の前では大勢の坊さまがお経をあげながら延々と横断歩道を渡るので
　　　　　、主人公たちを追うヒロイン・越川澄子（星由里子）がイライラしながら渡り終わるのを待つ
　　　　　というシーンあり。浜木綿子さんの役は、祇園の芸妓でカーマニアの京奴。実際にそんな芸妓
　　　　　さんもいるかもしれませんね。《情報提供／“荻窪東宝”支配人さん》

　　　　　→ロケ地＋詳細データ　

　　　東宝＝渡辺プロ／東宝『日本一の男の中の男』
　　　　監督／古沢憲吾
　　　　出演／植木等、浅丘ルリ子〔二役〕、谷啓、水谷良重（後に八重子）、藤あきみ、田武謙三、
　　　　　　　木の実ナナ、奥村チヨ、伊東きよ子、東野英治郎、岡田真澄（後に眞澄）、人見明、
　　　　　　　藤村有弘、藤岡琢也、十朱久雄、牟田悌三、藤あきみ、佐川亜梨、北竜二、清水元、
　　　　　　　平尾昌晃、メイツガールズ（久美かおり、大室〔後に白鳥〕英美子、他）、
　　　　　　　中川さかゆ（後に梨絵）、宮内恵子（後の牧れい）、川口節子、浦山珠美、
　　　　　　　高橋厚子〔クレジットなし〕、他
　　　　…植木等さんの“日本一の～男”シリーズ第五作。今回のヒロインはいつもの浜美枝さんではな
　　　　　く、日活から浅丘ルリ子さんを招いています。海外からの取り引き相手が、主人公・小野子等
　　　　　（植木等）の出向している“世界ストッキング”の京都工場を視察するついでに京都市内を観
　　　　　光します。Web＠作者が作品を見た時のメモには、“工場は亀岡市にあるような気がする…
　　　　　”と書いています（笑）。でも実際のロケ地は滋賀県のグンゼの工場（亀岡市にもあるのです
　　　　　が）あたりかもしれませんね。《情報提供／由美子さん》

1968年

　　　武智プロ／大映『戦後残酷物語』
　　　　監督／武智鉄二
　　　　出演／路加奈子、紅千登世、有沢正子、小畑通子、剣持伴紀、月まち子、李麗仙、八木千枝、
　　　　　　　マイク・ダニーン、他
　　　　…進駐軍が町中を行きかう終戦直後の京都が舞台。

　　　三船プロ／石原プロ＝日活『黒部の太陽』

　　　　監督／熊井啓
　　　　出演／石原裕次郎、三船敏郎、二谷英明、樫山文枝、日色ともゑ、滝沢修、志村喬、佐野周二、
　　　　　　　辰巳柳太郎、高峰三枝子、北林谷栄、宇野重吉、寺尾聰、芦田伸介、岡田英次、加藤武、
　　　　　　　玉川伊佐男、下川辰平、高津住男、山内明、清水将夫、川口晶、信欽三（後に欣三）、
　　　　　　　庄司永建、雪丘恵介、鈴木瑞穂、大滝秀治、内藤武敏、武藤章生、晴海勇三、
　　　　　　　草薙幸二郎、下條正巳、佐野浅夫、山口仁奈子、西原泰江、他
　　　　…関西電力の黒四ダムの建設工事をドキュメントタッチで描いた人間ドラマ。石原裕次郎さんの
　　　　　役は、黒四ダム建設現場の第三工区・熊谷組岩岡班の岩岡〔・タケシ〕、三船敏郎さんの役は
　　　　　、黒四建設事務所次長の北川。北川家の娘である三姉妹・由紀、牧子、君子に樫山文枝さん、
　　　　　日色ともゑさん、川口晶さんがそれぞれ扮しています。この北川家があるのが京都で、石原裕
　　　　　次郎さんの撮影が始まったのは京都ロケからだそうです。北川家は、左京区若王子町〔地図上
　　　　　や俳優・栗塚旭さんの営まれている喫茶店・若王子の読みは“にゃくおうじ”ですが、地元の
　　　　　人によると“にゃこうじ”〕にあり、哲学の道で光雲寺の見える付近（07年東宝『クローズ
　　　　　ド・ノート』で沢尻エリカさんが走ったあたりの疎水の東側）からもう少し南。2008年12
　　　　　月現在は、和菓子屋さんの施設“叶匠壽庵京都茶室棟”（78年6月より）があります。牧子
　　　　　が入院していることになっているのは京大病院ですが、京都大学結核胸部疾患研究所の玄関（
　　　　　現・京都大学再生医科学研究所付近）で撮影されているようです。主人公が勤める建築設計事
　　　　　務所の窓からは東本願寺の屋根が見えています。主人公と由紀がデートをするシーンは、左京
　　　　　区にある銀閣寺〔ぎんかくじ〕（世界遺産）の庭園や京都市西部を流れる桂川〔かつらがわ〕
　　　　　沿いの河原などでロケが行われています。《情報提供／NOBOさん》

　　　近代映協／日映新社＝東宝『薮の中の黒猫』
　　　　監督／新藤兼人
　　　　出演／乙羽信子、太地喜和子、中村吉右衛門、佐藤慶、戸浦六宏、殿山泰司、観世栄夫、
　　　　　　　江角英明、加地健太郎、河西郁子、瀬畑佳代子、岡田千代、他
　　　　…京の都で侍たちが喉を食いちぎられて殺される事件が起こり、解決を命じられた主人公・薮ノ
　　　　　銀時（中村吉右衛門）は、その犯人が侍たちに犯されて殺された自分の母（乙羽信子）と嫁（
　　　　　太地喜和子）の亡霊だったことを知るという話。

　　　東映京都『産業スパイ』
　　　　監督／工藤栄一
　　　　出演／梅宮辰夫、渡辺文雄、長谷川明男、大信田礼子、松岡きっこ、東山明美、石山健二郎、
　　　　　　　名和宏、人見きよし、茶川一郎、佐々木孝丸、河村有紀、清水みつえ、マリー実川、
　　　　　　　唐沢民賢、三浦徳子、東勝子、志村喬、曽我廼家明蝶、他
　　　　…産業スパイである木暮孟（梅宮辰夫）が、エンペラーモーターズ社が開発した新型のエンジン
　　　　　“DL7”の情報を得るため、京都に向かいます。常務の川西庸造（曽我廼家明蝶）が北海道
　　　　　・釧路あたりで行なわれている走行テストに指令を出しているのが京都の某ホテルです。

　　　松竹大船『新いれずみ無残鉄火の仁義』
　　　　監督／関川秀雄
　　　　出演／荒井千津子、園井啓介、松岡きっこ、夏八木勲、岡田英次、勝部演之、浪花千栄子、
　　　　　　　田中春男、青江三奈、他
　　　　…背中に赤い髪を振り乱した獅子の彫り物を入れている高級コールガール・梶本秋子（荒井千津
　　　　　子）がヒロインの“いれずみ無残”シリーズ第2作。終盤、故郷である京都へ戻ります。

　　　日活『昭和のいのち』
　　　　監督／舛田利雄
　　　　出演／石原裕次郎、浅丘ルリ子、浜美枝（東宝）、高橋英樹、和泉雅子、浜田光夫、岡田英次、
　　　　　　　中村賀津雄（後に嘉葎雄）、深江章喜、郷エイ治、藤竜也、北林早苗、青木義朗、
　　　　　　　鈴木やすし（後にヤスシ）、南原宏治、浜村純、武藤章生、佐藤慶、川地民夫、
　　　　　　　河津清三郎、島田正吾、辰巳柳太朗、谷村昌彦、山田禅二、
　　　　　　　杉江広太郎（後に杉山弘太郎）、杉山俊夫、木島一郎、柳瀬志郎、
　　　　　　　長浜鉄兵（後に鉄平）、武藤早奈枝、高山千草、大谷木洋子、瞳美沙、松本圭子、他
　　　　…京都市の南、伏見区の中書島〔ちゅうしょじま〕あたりでもロケがあったようですが？？？。
　　　　　　《情報提供／由美子さん》

　　　松竹大船『強虫女と弱虫男』
　　　　監督／新藤兼人
　　　　出演／乙羽信子、山岸映子、殿山泰司、観世栄夫、中村良子、武周鴨、草野大悟、戸浦六宏、
　　　　　　　川口敦子、浜田寅彦、毛利菊枝、若宮忠三郎（後に大祐）、他
　　　　…九州の炭鉱町でヤマが潰れて一家の大黒柱・善造（殿山泰司）が失業するので、妻のフミ子（
　　　　　乙羽信子）が娘・キミ子（山岸映子）を連れて京都に出て、サロン“平安母艦”のホステスに
　　　　　なるというコメディのようです。

　　　大映京都『二匹の用心棒』
　　　　監督／三隅研次
　　　　出演／本郷功次郎、長門勇、高田美和、赤座美代子、安部徹、長谷川待子、金内吉男、
　　　　　　　五味龍太郎、田武謙三、長岡輝子、寺島雄作、玉置一恵、浜田雄史、毛利郁子、
　　　　　　　伊達三郎、仲村隆、木村玄（後に元）、三星トミ、桶田奈保美、他
　　　　…市川雷蔵さん主演で撮影に入ったけれども、病気のため降番されたという、曰く付きの作品。
　　　　　本郷功次郎さん扮する“関の弥太っぺ”こと渡世人・弥太郎に幼い娘・お小夜（楠田奈保美？
　　　　　）を託して、その父らしい博徒・和吉（金内吉男）が身を投げるのが桂川〔かつらがわ〕。と
　　　　　いうことはこの道中は京都あたりなのでしょう。実際に保津川（桂川の上流）でロケをしてい
　　　　　るようです。そして、弥太郎と長門勇さん扮する渡世人・森介が対決する池のそばの街道筋、
　　　　　これは亀岡市の下矢田町〔しもやだちょう〕の平和台〔へいわだい〕公園の中にある中山池〔
　　　　　なかやまいけ〕でしょう。この池の端では、昔、松山容子さんと品川隆二さんたちが家族に扮
　　　　　してキャンプをするという大塚食品のボンカレーのCMも撮影されていたはずです。ラスト、
　　　　　弥太郎が森介とともに悪玉・小仏の市兵衛（安部徹）率いる一家と対決するシーンの川に架け
　　　　　られた小さな橋は、保津町〔ほづちょう〕の保津小橋〔ほづこばし〕だと思います。木製だっ
　　　　　た橋は現在ではコンクリート製に架け替えられていますが、昔と同じく欄干のない形式の橋で
　　　　　す。Web@作者は、スクーターでピョーッと走って渡ったりしましたが（笑）。ちなみに、
　　　　　前述の中山池のそばから少し山に入った山道は、67年CX『仮面の忍者赤影』のエンディン
　　　　　グ、主人公たちが馬で去っていくあたりではないかと思われます。また、Web@作者が小学
　　　　　生の頃、この池の横を通る道で70年TBS『水戸黄門』第二部のロケに遭遇しました。東野英
　　　　　治郎さんと横内正さん、杉良太郎さんを見ましたよ。

　　　大映京都『尼くずれ』
　　　　監督／池広一夫
　　　　出演／安田（後に大楠）道代、三木本賀代、小林直美、しめぎしがこ、中谷一郎、高原駿雄、
　　　　　　　小松方正、森乃福郎、水町由香里、三宅邦子、諸口旭（後にあきら）、丘夏子、他
　　　　…京都郊外の尼寺“専修庵”に四人の尼が静かに暮らしていたが、実はその中の門前に捨てられ
　　　　　ていた捨て子の春光尼（安田〔後に大楠〕道代）は、庵主の目を盗んでゴーゴー喫茶で遊び狂
　　　　　っていて…。やはり、そんな尼僧もいるかもしれません（笑）。

　　　日本動画／大映『九尾の狐と飛丸』
　　　　監督／八木晋一
　　　　声の出演／東恵美子、内山影夫、小沢忠臣、大塚国夫、溝井哲夫、森塚敏、成瀬昌彦、平田守、
　　　　　　　　　中台祥浩、中田浩二、他
　　　　…岡本綺堂原作《玉藻の前》を脚色。那須の里で兄妹のように暮らす飛丸（声・東恵美子）と玉
　　　　　藻（声・内山影夫）だったが、玉藻が地獄谷に迷い込み魔王に呪われた。那須に狩りに来た左
　　　　　大臣・忠長（声・小沢忠臣）に認められ、玉藻は京に上る。都に怪しい事件が続き、災害が起
　　　　　ったのはそれからだった…というアニメーション作品。

　　　松竹大船『白昼堂々』
　　　　監督／野村芳太郎
　　　　出演／渥美清、倍賞千恵子、藤岡琢也、大貫泰子、三原葉子、有島一郎、高橋とよ、新克利、
　　　　　　　生田悦子、江幡高志、田中邦衛、佐藤蛾次郎、フランキー堺、穂積隆信、
　　　　　　　三遊亭歌奴（後に圓歌）、他
　　　　…森沢刑事（有島一郎）の説得で九州の炭坑で働く名うてのスリ・“ワタ勝”こと渡辺勝次（渥
　　　　　美清）だが、山が閉鎖されたためスリに復帰、大組織を作って、東京・大阪・京都・北海道な
　　　　　どを荒し回ることになる話。

　　　日本映画復興協会＝松竹映配『祇園祭』
　　　　監督／山内鉄也
　　　　出演／中村錦之助（後に萬屋錦之介）、三船敏郎、岩下志麻、滝花（後に瀧花）久子、
　　　　　　　佐藤オリエ、永井智雄、田中邦衛、志村喬、田村高廣、斉藤美和、藤原釜足、
　　　　　　　沢淑子（後に任田順好）、小沢栄太郎、御木本伸介、下元勉、渥美清、北大路欣也、
　　　　　　　下條正巳、田中浩、松山英太郎、伊藤雄之助、伊藤寿章（後に澤村昌之助）、高倉健、
　　　　　　　美空ひばり、香山武彦、中村賀津雄（後に嘉葎雄）、他
　　　　…応仁の乱の戦火の中から染職人（中村錦之助〔後に萬屋錦之介〕）ら町衆の力で祇園祭が復活
　　　　　する話ですが、出来映えはそれほどでもないとされていますね。山鉾巡行が行なわれる通りの
　　　　　シーンは、拡張工事の行なわれていた新丸太町通りに約400mに渡る中二階の京都の町並み
　　　　　を再現して撮影されたのだとか。この作品、Web＠作者は小学校の体育館で授業（？）とし
　　　　　て見ましたよ。良かったのかどうか記憶はありませんが（笑）。残虐なシーンには血糊の色を
　　　　　見せないための配慮か、赤いフィルターがかかった画面になったような記憶があります。もし
　　　　　そうだったとして、これは？、元々そういう演出なのか、あるいは子供向けバージョンだった
　　　　　のでしょうか？（笑）。権利関係から、京都府以外への持ち出しは禁止（ということは、テレ
　　　　　ビ放映も禁止）となっているとも耳にしますが？？？。《情報提供／sanaeさん》

　　　日活『忘れるものか』
　　　　監督／松尾昭典
　　　　出演／石原裕次郎、星由里子〔東宝〕、二谷英明、市原悦子、川口恒、金田龍之介、
　　　　　　　太田雅子（後に梶芽衣子）、田崎潤〔東宝〕、千秋みつる、玉川伊佐男、榎木兵衛、
　　　　　　　野呂圭介、柳瀬志郎、武藤章生、晴海勇三、秋とも子、瞳美沙、他
　　　　…日活ムードアクションの末期の作品。石原裕次郎さん扮する主人公・岡部司郎が、突然死んだ
　　　　　親友・津村洋介（二谷英明）の死の真相を暴くために京都を訪れるというのが大筋。巻頭、津
　　　　　村が入るレストランは、左京区の北山通り〔きたやまどおり〕と下鴨中通り〔しもがもなかど
　　　　　おり〕の交差点西北側にある“レストラン北山”（現在はファミリーレストラン）。その津村
　　　　　の車越しに見える建物は京都府立総合資料館。その後、津村の車は左京区の宝ケ池〔たからが
　　　　　いけ〕（全国都道府県対抗女子駅伝の折り返し地点あたり）にある国立京都国際会館（国際会
　　　　　議場）の前を通過、爆発が起こります。クレジットタイトルの映像は、東山や比叡山を背景に
　　　　　京都市街、中京区にある二条城東大手門、上京区にある京都御所・紫宸殿〔ししんでん〕南西
　　　　　角の清水谷家の椋、東山区にある古門前橋の欄干越しに一本橋、下京区の高瀬川、左京区にあ
　　　　　る平安神宮の泰平閣〔たいへいかく〕（？）。岡部は国鉄京都駅（現・JR京都駅）の新幹線
　　　　　の下りホームから八条口〔はちじょうぐち〕に出てタクシーに乗り込みます。タクシーは下京
　　　　　区の東本願寺〔ひがしほんがんじ〕前の烏丸通り〔からすまどおり〕を北に向かいます。その
　　　　　後、東山区の八坂の塔〔やさかのとう〕を背に歩く石畳の坂道は清水坂〔きよみずざか〕（？
　　　　　）。そして岡部が津村の未亡人・夕子（星由里子）と会うのは、津村の墓のある左京区・黒
　　　　　谷〔くろだに〕の金戒光明寺〔こんかいこうみょうじ〕の三重塔下の石段中腹です。二人が会
　　　　　話する清水寺の舞台や三重塔を臨む高台は、子安の塔〔こやすのとう〕がある泰産寺〔たいさ
　　　　　んじ〕の高台。夕子は元・芸妓で京都某所のマンションに住んでいます。証人・巽（木下雅弘
　　　　　）を探す岡部の車は、右京区・嵐山の渡月橋を西へ走り、大覚寺前のガソリンスタンドへ（厳
　　　　　密には大覚寺は渡月橋の北東方向にある）。逃げる巽を追って岡部が走り抜ける石仏の多い寺
　　　　　は右京区の化野念仏寺〔あだしのねんぶつじ〕（？）。その後、岡部と夕子が歩く川べりは、
　　　　　左京区の哲学の道（大豊橋〔おおとよはし〕とその一本北にかかる橋の間で、最寄の場所に現
　　　　　在は“茶房・小径”が営業中）。タクシーに乗った夕子を岡部がタクシーで尾行する時に通る
　　　　　繁華街は、中京区の河原町通り〔かわらまちどおり〕の、三条と四条の間でしょう。また、ル
　　　　　ミ（市原悦子）が経営する“BARむらさき”は、下京区の五条通りから木屋町〔きやまち〕
　　　　　通りに沿って200mほど南下した高瀬川にかかる六軒橋〔ろっけんばし〕の西側。そのルミ
　　　　　を尾行する岡部は、左京区の出町柳〔でまちやなぎ〕駅から通称・叡山〔えいざん〕電鉄に乗
　　　　　って比叡山〔ひえいざん〕高山植物園へ（ここは滋賀県？）。殺し屋（柳瀬志郎）たちに追わ
　　　　　れる岡部とケン（川口恒）、鴨沢（金田竜之介）が乗ったトラックは、上京区の東堀川通り〔
　　　　　ひがしほりかわどおり〕を南下、中京区の御池通り〔おいけどおり〕を東へ向かい、東山区の
　　　　　蹴上〔けあげ〕を通って山科〔やましな〕方面へ向かいます。そして大団円の後、岡部と夕子
　　　　　、ルミが集まるのは、先の津村の墓所。夕子に別れを告げた岡部が歩き出す石垣のある道まで
　　　　　は、金戒光明寺内のロケで、岡部が歩き去る後ろ姿は下京区にある西本願寺南側唐門付近の北
　　　　　小路通りでのロケのようです。京都新報の社屋の所在地は不明。中で、太田雅子（後に梶芽衣
　　　　　子）さん扮するゴーゴーガールが、“京都は変わった”という岡部に言います。
　　　　　「うわー、ズレてる、この人。京都は今かて日本の中心どっせ。先端切ってますのや」。
　　　　　それにしても、日活アクションに京都という舞台は、あまり合っていないように思います。
　　　　　　《情報提供／NOBOさん》

　　　　　→ロケ地をご紹介！　

　　　大映京都『座頭市喧嘩太鼓』
　　　　監督／三隅研次
　　　　出演／勝新太郎、三田佳、佐藤允、西村晃、藤岡琢也、ミヤコ蝶、五味龍太郎、戸浦六宏、
　　　　　　　曽我町子、玉川良一、木村元、他
　　　　…“座頭市”シリーズ第19作。舞台は京都ではありませんが、ロケ地として右京区・嵯峨の広沢
　　　　　池〔ひろさわのいけ〕が出てきます（ただし、この池のことを言い出すと切りがありませんの
　　　　　で、一例として。第1作『座頭市物語』で主人公と天知茂さん扮する平手造酒が釣りをしてい
　　　　　たのもこのあたりかも？）。《情報提供／由美子さん》

　　　オリベッティ『京』
　　　　監督／市川崑　監修／丹下健三、亀倉雄作、石川忠　脚本／谷川俊太郎　撮影／墨谷尚之
　　　　音楽／武満徹　ナレーション／芥川比呂志
　　　　…38分ばかりのドキュメンタリーですが、一般公開はされていないようです。イタリアのオリ
　　　　　ベッティ社から市川崑監督が依頼を受けて撮った作品。右京区にある石庭で有名な龍安寺〔り
　　　　　ょうあんじ〕や西京区〔にしきょうく〕松尾にある西芳寺〔さいほうじ〕（苔寺〔こけでら〕
　　　　　）、西京区桂にある桂離宮〔かつらりきゅう〕、祇園祭の山鉾巡行の様子（中京区の四条河原
　　　　　町〔しじょう・かわらまち〕付近）などが登場します。また托鉢する僧侶や町を歩く舞妓さん
　　　　　なども登場。英語版のナレーションは、マイケル・レッドグレイヴさん。
　　　　　　《情報提供／NOBOさん》

1969年

　　　ビクター＝ワールド／松竹『恋の乙女川』
　　　　監督／市村泰一
　　　　出演／橋幸夫、尾崎奈々、永井秀和、松村達雄、若柳菊（後に鹿内寛子）、黛ジュン、
　　　　　　　曽我廼家明蝶、川口恵子、三浦布美子、田村奈己、北あけみ、
　　　　　　　園江梨子（後に平山洋子）、華かおる、浦辺粂子、小田草之助（後に草之介）、
　　　　　　　久里みのる、入川保則、宗方勝巳、ピンキーとキラーズ、他
　　　　…呉服店“東屋”の若旦那・吾妻浩一（橋幸夫）が身体の弱い義理の妹・八重子（尾崎奈々）を
　　　　　連れて出かけるのが“東西のれん会”の開かれる京都です。

　　　東宝『社長えんま帖』
　　　　監督／松林宗恵
　　　　出演／森繁久弥、小林桂樹、司葉子、関口宏、内藤（後に喜多嶋）洋子、加東大介、小沢昭一、
　　　　　　　藤岡琢也、草笛光子、団令子、久慈あさみ、岡田可愛、東野英治郎、英百合子、
　　　　　　　沢井桂子、浦山珠実、他
　　　　…“社長”シリーズ第30作。マルボー化粧品の大社長・梅原貫之助（東野英治郎）の古稀の祝
　　　　　賀会が京都で行なわれます。団令子さん扮するのは、祇園の芸妓・香繊。大社長に付き添って
　　　　　いる看護婦というのも元・芸妓の花丸（沢井桂子）。

　　　松竹大船『日も月も』
　　　　監督／中村登
　　　　出演／森雅之、久我美子、岩下志麻、中山仁、石坂浩二、大空真弓（後に眞弓）、入川保則、
　　　　　　　笠智衆、香山美子、志賀真津子（後に眞津子）、松岡きっこ、他
　　　　…川端康成原作作品。秋の紅葉の京都が出てくるようですね。

　　　東映京都『異常性愛記録ハレンチ』
　　　　監督／石井輝男
　　　　出演／橘ますみ、賀川雪絵（後にゆき絵）、三笠れい子、葵三津子、尾花ミキ、丹下キヨ子、
　　　　　　　木山佳、田仲美智、南風夕子、有沢正子、花柳幻舟、青山ジミー、牧淳子、上岡紀美子、
　　　　　　　片山由美子、水上富美、金森あさの、上田吉二郎、中村是好、上方柳次・柳太、
　　　　　　　若杉英二、林真一郎、小池朝雄、吉田輝雄、カルーセル麻紀〔クレジットなし〕？、他
　　　　…京都のバーのママが実際に体験したストーカー話を元に石井監督がホンにして映画化した作品
　　　　　。下京区の西木屋町〔にしきやまち〕通にある“Bar NON”（ちなみに68年日活『忘れるも
　　　　　のか』の市原悦子さん扮する女性のお店と同じあたりで、高瀬川にかかる六軒橋も登場）のマ
　　　　　マ・典子（橘ますみ）は、異常な性癖を持つ染物会社・深畑染工〔ふかはたせんこう〕の社長
　　　　　・深畑（若杉英二）との肉体関係を断てずに、愛人のような関係を続けていたが、典子はバー
　　　　　の客であるデザイナー・吉岡（吉田輝雄）に惹かれ、深畑と別れようとする。しかし、深畑は
　　　　　異常な執着心で典子に付きまとう。雷雨の夜、吉岡のマンションに深畑が訪ねてきた吉岡と格
　　　　　闘になるが、深畑の持つナイフに雷が落ち、深畑は黒焦げとなってしまい…。西木屋町通の他
　　　　　、右京区の太秦にある広隆寺〔こうりゅうじ〕南大門前、南区〔みなみく〕にある東寺〔とう
　　　　　じ〕の東大門の見える九条大宮上ル東側の病院、東寺の五重塔やJR京都駅前の京都タワー、近
　　　　　鉄電車が見える南区の九条大宮付近の陸橋、京阪電車が見える下京区の五条大橋西詰下ルのア
　　　　　パートなどでロケが行われています。また、カルーセル麻紀さんが出演拒否をされたので代役
　　　　　としてゲイボーイであった青山ジミーさんが出演したという説があるようですが、若杉英二さ
　　　　　ん扮する深畑がゲイボーイを選ぶシーンに次々とゲイボーイが登場し、その最後に深畑が選ぶ
　　　　　のがカルーセル麻紀さんのように見えなくもないので、もしかしたらクレジットはないけれど
　　　　　も出演されていたのかもしれません。《情報提供／NOBOさん／ツカさん》

　　　　　→ロケ地＋詳細データ　

　　　大映京都『博徒一代血祭り不動』
　　　　監督／安田公義
　　　　出演／市川雷蔵、近衛十四郎、亀井光代、長谷川待子、金田龍之介、金内吉男、石山健二郎、
　　　　　　　富田仲次郎、田中三津子、遠藤辰雄（後に太津朗）、水上保広、木村元、
　　　　　　　伊達岳志（後に三郎）、他
　　　　…昭和初期、六年ぶりに刑務所から出所してきた渡世人・桜田丈吉（市川雷蔵）が弟分を北陸の
　　　　　新津〔にいつ〕に訪ねます。その時に主人公が乗っている列車は、国鉄山陰線（現・観光トロ
　　　　　ッコ鉄道）の保津峡〔ほづきょう〕の鉄橋を渡った後、亀岡市の盆地へと入ってくるようです
　　　　　。劇中、網走から帰ってきた恩人である小洗音次郎（近衛十四郎）と出会う駅のホームは、や
　　　　　はり中京区にある国鉄山陰線（現・JR嵯峨野線）の二条〔にじょう〕駅あたりではないでしょ
　　　　　うか？？？。

　　　日活『夜の牝年上の女〔ひと〕』
　　　　監督／西河克己
　　　　出演／野川由美子、森進一、高橋英樹、和泉雅子、なべおさみ、石井富子（後にトミコ）、
　　　　　　　上田吉二郎、太田雅子（後に梶芽衣子）、杉本エマ、水上竜子、須賀不二男、深江章喜、
　　　　　　　杉江広太郎（後に杉山弘太郎）、野呂圭介、久本有紀、杉山元、秋元さだえ、
　　　　　　　内山田洋とクール・ファイブ、他
　　　　…野川由美子さん扮する北九州の博徒一家の跡取り娘が組を解散して上京、ホステスになっての
　　　　　し上がって行くシリーズの第2作（全3作）。この第2作では、銀座から大阪・キタのクラブ
　　　　　“オアシス”が舞台となっています。中で、クラブの上客のパーティーが京都の庭園で開かれ
　　　　　ます。和泉雅子さんが自殺してしまう薄幸な舞妓・しのぶに扮しています。その舞妓を高橋英
　　　　　樹さん扮する男性が京都グランドホテルの前の駐車場で救って、車で送って行った先は、名取
　　　　　裕子さん主演のEX『京都地検の女』シリーズでも有名な知恩院そばにある古門前橋付近のよ
　　　　　うです。《情報提供／由美子さん／NOBOさん》

　　　大映京都『秘剣破り』
　　　　監督／池広一夫
　　　　出演／松方弘樹〔東映〕、本郷功次郎、岩井友見〔新スター明記〕、露口茂、松村達雄、
　　　　　　　加藤嘉、青山良彦、五味龍太郎、小林直美、川崎あかね、稲葉義男、河野秋武、
　　　　　　　北城寿太郎、天王寺虎之助、早川雄三、松村康世、木村元、伊達岳志（後に三郎）、
　　　　　　　堀田真三、山本一郎（後に結城市朗）、橋本力、毛利郁子、近江輝子、橘公子、
　　　　　　　小柳圭子、戸村昌子、遠山順子、尾崎弥枝、他
　　　　…五味康祐原作《薄桜記》の映画化で、市川雷蔵さん主演の『薄桜記』のリメイク。赤穂浪士の
　　　　　討ち入り事件を中心に、二人の武士の友情を描いています。高田馬場の果し合いで深手の傷を
　　　　　負った武士が自刃するために門前を拝借しようとするのは、米沢藩江戸家老・千坂兵部（松村
　　　　　達雄）の住む上杉家の下屋敷ですが、山科区〔やましなく〕にある随心院〔ずいしんいん〕の
　　　　　薬医門前でロケが行われています。《情報提供／NOBOさん》

　　　東映京都『おんな刺客卍』
　　　　監督／山下耕作
　　　　出演／宮園純子、三上真一郎、渡辺文雄、橘ますみ、太田博之、安部徹、戸浦六宏、汐路章、
　　　　　　　沼田曜一、志賀勝、小松方正、佐藤允、小田部通麿、波多野博、他
　　　　…舞台は幕末。芸者・お京（宮園純子）は勤皇派の結び文を持っていたことから新選組に辱めを
　　　　　受け、結婚も出来なくなる。お京は、新選組につけられた傷の上に卍の彫り物を入れ、刺客・
　　　　　稲葉俊兵衛（三上真一郎）の元で修業を積み、復讐のため新選組の隊士を次々と暗殺していく
　　　　　というのが大筋。近藤勇に戸浦六宏さん、土方歳三に小田部通麿さん、沖田総司に波多野博さ
　　　　　んが扮しています。

　　　石原プロモーション／松竹『栄光への5000キロ』
　　　　監督／蔵原惟繕
　　　　出演／石原裕次郎、エマニエル・リヴァ、ジャン＝クロード・ドルオー、アラン・キュニイ、
　　　　　　　浅丘ルリ子、三船敏郎、仲代達矢、伊丹十三、キナラ、内藤武敏、笠井一彦、金井進二、
　　　　　　　玉川伊佐男、武藤章生、鈴木瑞穂〔ナレーター〕、他
　　　　…浅丘ルリ子さん扮するファッションデザイナー・坂木優子が、仕事で訪れるのが京都という設
　　　　　定。しかし、竹林の中に緋毛氈の敷かれた茶店のようなものが出てくるだけで、これならロケ
　　　　　しなくてもセットでも撮影出来そう？？？（笑）。《情報提供／yujiroさん》

　　　フジテレビ＝勝プロダクション／大映『人斬り』
　　　　監督／五社英雄
　　　　出演／勝新太郎、仲代達矢、三島由紀夫、石原裕次郎、倍賞美津子、新条多久美、仲谷昇、
　　　　　　　下元勉、山本圭、伊藤孝雄、賀原夏子、田中邦衛、山内明、北村英三、青木義朗、
　　　　　　　波多野憲、新田昌玄、萩本欽一、坂上二郎、辰巳柳太郎、他
　　　　…土佐の貧乏郷士に生まれ育った岡田以蔵（勝新太郎）が、土佐勤王党の首領・武市半平太（仲
　　　　　代達矢）によって“人斬り以蔵”とまで呼ばれる刺客に成長、幕末の京都で名を馳せることに
　　　　　なる話。石原裕次郎さんの役は、坂本竜馬。

　　　松竹大船『男はつらいよ』
　　　　監督／山田洋次
　　　　出演／渥美清、倍賞千恵子、笠智衆、光本幸子、志村喬、森川信、三崎千恵子、太宰久雄、
　　　　　　　前田吟、津坂匡章（後に秋野太作）、佐藤蛾次郎、関敬六、広川太一郎、他
　　　　…国民的喜劇映画“男はつらいよ”シリーズの第一作。主人公のテキヤさん・車寅次郎（渥美清
　　　　　）が柴又帝釈天の御前様父娘（笠智衆・光本幸子）に同行して、東山区の清水寺などを見学し
　　　　　ます。ここで主人公が写真撮影をする時の有名なセリフ、「バター！」が出ます（笑）。また
　　　　　ラスト、旅先の主人公と弟分の登（津坂匡章〔後に秋野太作〕）が商売をしているのは、京都
　　　　　府北部の宮津市〔みやづし〕にある日本三景の一つである天橋立〔あまのはしだて〕です。
　　　　　　《情報提供／娯楽映画研究佐藤利明さん》

　　　大映京都『尻啖〔くら〕え孫市』
　　　　監督／三隅研次
　　　　出演／中村錦之助（後に萬屋錦之介）、栗原小巻、本郷功次郎、中村賀津雄（後に嘉葎雄）、
　　　　　　　勝新太郎、梓英子、南美川洋子（後に陽子）、志村喬、しめぎしがこ、小林直美、
　　　　　　　五味龍太郎、香川良介、内藤武敏、木村元、本間文子、他
　　　　…司馬遼太郎原作作品。織田信長（勝新太郎）や木下藤吉郎（中村賀津雄〔後に嘉葎雄〕）、柴
　　　　　田勝家（内藤武敏）など有名な武将も登場する、室町時代に起こった真宗一揆の裏話。主人公
　　　　　である、大名たちを震え上がらせた日本最強の鉄砲集団“雑賀衆”を率いる雑賀孫市には中村
　　　　　錦之助（後に萬屋錦之介）さんが扮しています。

　　　松竹大船『続・男はつらいよ』
　　　　監督／山田洋次
　　　　出演／渥美清、倍賞千恵子、笠智衆、佐藤オリエ、ミヤコ蝶々、東野英治郎、山崎努、
　　　　　　　財津一郎、森川信、三崎千恵子、笠智衆、前田吟、津坂匡章（後に秋野太作）、
　　　　　　　太宰久雄、佐藤蛾次郎、風見章子、江端（後に江幡）高志、呉恵美子、他
　　　　…“男はつらいよ”シリーズ第二作。主人公の母親・菊（ミヤコ蝶々）は京都で怪しい（笑）宿
　　　　　を経営しています。ミヤコ蝶々さん扮する実母と人の流れを行く、中京区と東山区に架かる三
　　　　　条大橋〔さんじょうおおはし〕でのラストシーンが秀逸ですね。《情報提供／M先生》

　　　東映東京『日本暴力団・組長と刺客』
　　　　監督／佐藤純弥
　　　　出演／鶴田浩二、野添ひとみ、志村喬、渡辺文雄、北林早苗、内田朝雄、
　　　　　　　遠藤辰雄（後に太津朗）、田口計、室田日出男、菅井一郎、中丸忠雄、内田良平、
　　　　　　　水島道太郎、丹波哲郎、他
　　　　…時代祭〔じだいまつり〕が出てきたと思います。負傷した鶴田浩二さんが細い路地裏を逃げ回
　　　　　るシーンがあり、「これが東京の新宿ならどえらく汚いシーンになるけど、さすが京都の小路
　　　　　はきれいなもんだなあ」と感心した記憶があります。京都が舞台だと、たとえ暴力団映画でも
　　　　　「汚い」とか「暗い」感じにならないですね。東映東京と東映京都の作風の違いってそんなと
　　　　　ころに理由があるのかも…とは、STUDIO-K（こたつ＠管理人）さんの弁です。
　　　　　　《情報提供／STUDIO-K（こたつ＠管理人）さん》

　　　東宝『大日本スリ集団』
　　　　監督／福田純
　　　　出演／小林桂樹、三木のり平、酒井和歌子、高橋紀子、寺田農、田中邦衛、平田昭彦、
　　　　　　　古今亭志ん朝、砂塚秀夫、草野大悟、吉行和子、稲野和子、清水将夫、大滝秀治、
　　　　　　　下條正巳、赤塚真人、菅原謙次、波多野憲、菅井きん、他
　　　　…京都市内唯一の繁華街（笑）・中京区の四条河原町を北に上がったところの映画館“京都宝塚
　　　　　劇場（通称・京宝〔きょうほう〕）”あたりも登場しているはずで、祇園祭の日、主人公たち
　　　　　が“仕事”を行ない、四条河原町の交差点から山鉾の巡行とともに北へ向かいます。
　　　　　　《情報提供／☆そらりすさん》

　　　三船プロダクション／東宝『新選組』
　　　　監督／沢島忠
　　　　出演／三船敏郎、小林桂樹、北大路欣也、三國連太郎、中村翫右衛門、田村高廣、
　　　　　　　中村賀津雄（後に嘉葎雄）、中村梅之助、中村錦之助（後に萬屋錦之介）、司葉子、
　　　　　　　池内淳子、星由里子、野川由美子、北川（後に喜多川）美佳、御木本伸介、中谷一郎、
　　　　　　　内田良平、信欣三、小栗一也、田中浩、戸上城太郎、浜畑賢吉、田中春男、他
　　　　…近藤勇に三船敏郎さん、土方歳三に小林桂樹さん、沖田総司に北大路欣也さんが扮しています
　　　　　。三國連太郎さんが芹沢鴨に扮していて、2004年のNHK大河ドラマ『新選組！』では佐藤浩
　　　　　市さんが扮していますので、親子で同じ役を演じたことになりますね。

　　　東宝『コント55号宇宙大冒険』
　　　　監督／福田純
　　　　出演／萩本欽一、坂上二郎、高橋紀子、川口浩、伴淳三郎、カルーセル麻紀、杉本エマ、
　　　　　　　應蘭芳、本田由香子、沢井桂子、南利明、たんく・（後に車）だん吉、由利徹、左卜全、
　　　　　　　梅津栄、塩沢とき、砂川啓介、矢野間啓治、頭師孝雄、桂木美加、内山みどり、
　　　　　　　田辺和佳子、川口節子、いわた・（後に岩）がん太、他
　　　　…巻頭、勤皇党の坂本桂馬（萩本欽一）と新選組の芹沢角（坂上二郎）、芸者・小菊（高橋紀子
　　　　　）が、パラド星から派遣されたドグマ（川口浩）のUFOに誘拐されるのは文久二年の京の都
　　　　　から。

LAST UPDATE ／ 2018年5月11日