1959年『ギターを持った渡り鳥』

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　1959年『ギターを持った渡り鳥』　

　　　　★ここでは、クレジットタイトルの採録とともに、各作品を詳細に解説します。過去に出された
　　　　　文献も参考にしながら、Web＠作者が2009年8月30日以降に検証した結果をまとめています。
　　　　　もちろん抜けもあり誤認も含まれているかとは思いますので、あくまでも作品を楽しむための
　　　　　参考としてください。新たな情報をお寄せいただきたいと思います。
　　　　　※当Webの恒例の方式により、“？”の付いている情報は、確定出来ていないものだと考えて
　　　　　ください。“？”の数により曖昧さが増します（笑）。また、“〔カタカナ〕”という表記は
　　　　　漢字表記が確定出来ない名称の表現です。カッコのないカタカナ表記は、そのままで正しいと
　　　　　考えてください。

◆

　　　　　監督：齋藤武市　企画：児井英生　原作：小川英　脚本：山崎巖、原健三郎
　　　　　撮影：高村倉太郎　照明：大西美津男　録音：米津次男　美術：坂口武玄　編集：近藤光雄
　　　　　音楽：小杉太一郎　助監督：神代辰巳　色彩計測：幸田守雄　現像：東洋現像所
　　　　　製作主任：櫻井宏信　音楽：小杉太一郎
　　　　　主題歌　コロムビア・レコード
　　　　　“ギターを持った渡り鳥”　作詞：西沢爽／作曲：狛林正一
　　　　　“地獄のキラー”　作詞：古雅ともみち／作曲：小杉太一郎　唄：小林旭

◆

　　　　　小林旭　…滝伸次（元は神戸市警の刑事であるギターの流し）
　　　　　浅丘ルリ子　…秋津由紀（秋津礼三郎の娘）
　　　　　中原早苗　…庄司澄子（秋津礼三郎の妹で丸庄海運の社長の妻）
　　　　　渡辺美佐子　…リエ（バー“ビオン”のマダム）
　　　　　金子信雄　…秋津礼三郎（秋津組のボス）
　　　　　青山恭二　…安川（丸庄海運の使用人）
　　　　　宍戸錠　…ジョージ（神戸の田口組から派遣されてきた殺し屋）
　　　　　白木マリ（後に白木万理）　…ジョージを追ってきたダンサー
　　　　　二本柳寛　…沼田（神戸市警で滝伸次の上司だった刑事）
　　　　　木浦佑三　…庄司明夫（丸庄海運の社長）
　　　　　鈴木三右衛門　…滝伸次やジョージが乗り込む船の船長
　　　　　神戸瓢介　…秋津礼三郎をマッサージする関西弁のマッサージ師
　　　　　片桐恒男　…秋津組の子分たちが因縁をつける土産物店の店主
　　　　　青木富夫　…鉄（秋津組の子分でアコーデオンの流し）
　　　　　弘松三郎　…馬場（秋津組の幹部でバー“ビオン”の支配人）
　　　　　伊丹慶治　…海上保安官（滝伸次やジョージが乗り込む船を調べる年配の男性）
　　　　　野呂圭介　…サブ（秋津組の子分で通称“流しのサブ”。実は刑事・大沼）
　　　　　近江大介　…源次（秋津組の子分でサブの相棒の流し）
　　　　　水谷謙之　…海上保安官（滝伸次やジョージが乗り込む船を調べる若い男性）
　　　　　高田保（後に矢頭健男→矢頭保／写真家）　…清水（秋津組の子分で鉄の相棒の流し）
　　　　　宮川敏彦
　　　　　　…秋津組の子分（滝伸次やジョージが乗り込む船では、赤茶色の帽子をかぶっている男）
　　　　　衣笠一夫（後に衣笠真寿男）　…滝伸次が殴りつける澤田土建のチンピラ（メガネの巨漢）
　　　　　原恵子　…小料理屋“やよい”の女将
　　　　　清水千代子　…房子（秋津家のお手伝いさん）
　　　　　菊田一郎
　　　　　　…秋津組の子分（滝伸次やジョージが乗り込む船では、ジョージに無電の内容を伝える男）
　　　　　倉田栄三　…滝伸次が殴りつける澤田土建のチンピラ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（滝伸次に殴られてメガネの巨漢の上に倒れる男）
　　　　　渡井嘉久夫　…秋津組の子分（土産物店でサブと一緒に暴れる男）
　　　　　竹部薫〔振付〕
　　　　　高瀬将敏〔技斗〕　…滝伸次が殴りつける澤田土建のチンピラ
　　　　　　　　　　　　　　　（事務所の玄関の階段の途中で滝伸次に殴られる革ジャンパーの男）？

　　　　　以降、主なクレジットなしの出演者

　　　　　木城ゆかり　…バー“ビオン”のホステス
　　　　　　　　　（滝伸次が外国人船員と喧嘩をする時、カウンターの中にいる背の高いほうの女性）
　　　　　玉井謙介　…バー“ビオン”の表に外国人船員がドアを突き破って来るので逃げる男性
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（黒っぽいスーツの男性）
　　　　　田中滋
　　　　　　…秋津礼三郎の営むキャバレーのボーイ（クロークの前に立っている白い制服を着た男性）
　　　　　小坂与吉　…滝伸次が黄金飴と風船を買う屋台の主人
　　　　　　※当時、市内で小間物店を開業されていたという一般人の男性。
　　　　　露木護　…滝伸次がギターに風船を付けて歌うバーのバーテン
　　　　　東郷秀美
　　　　　　…滝伸次がギターに風船を付けて歌うバーの客（カウンター席にいる黒縁メガネの男性）
　　　　　佐川明子　…滝伸次がギターに風船を付けて歌うバーのホステス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ボックス席にいる黒っぽい衣裳の中年女性）
　　　　　大倉節美　…滝伸次がギターに風船を付けて歌うバーのホステス
　　　　　　　　　　　　（ボックス席にいる青い衣裳にネックレスを付けてタバコを吸っている女性）
　　　　　角田真喜子（後に南條マキ）　…滝伸次がギターに風船を付けて歌うバーのホステス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（バーの奥のカウンター席にいるチェック柄の衣裳の美人）
　　　　　菅原道夫（後に菅原義夫）
　　　　　　…秋津組の子分が因縁をつける土産物店を眺める野次馬（赤いネクタイのスーツ姿の男性）
　　　　　谷川玲子　…秋津礼三郎の営むキャバレーのマダム
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ジョージを追ってきたダンサーの相手をする女性）
　　　　　松岡京志（後に松丘清司）　…秋津礼三郎の営むキャバレーのバーテン
　　　　　　　　　　　　　　　　　（ジョージを追ってきたダンサーの相手をする額の上がった男性）
　　　　　今村弘　…バー“ビオン”のバーテン
　　　　　　　　　　　　　　（滝伸次やジョージが来ている時に右手でシェーカーを振っている男性）
　　　　　森みどり　…バー“ビオン”のホステス
　　　　　　　　（滝伸次やジョージが来ている時にフロアで男性と踊っているピンク色の衣裳の女性）
　　　　　新村猛？
　　　　　　…バー“ビオン”のバンドマン（滝伸次とリエが踊る時にドラムを叩いている男性）
　　　　　五十嵐久子？　…秋津由紀の誕生パーティーの客
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（準備をする秋津由紀に踊ろうと誘う淡いブルーの衣裳の女性）
　　　　　山中大成
　　　　　　…秋津由紀の誕生パーティーの客（秋津由紀の歌をピアノのそばで聴いている男性）
　　　　　横田陽子（後に横田楊子）　…秋津由紀の誕生パーティーの客
　　　　　　　　（秋津由紀の歌をカレンダーの貼られた壁の前で聴いているツーピースの衣裳の女性）
　　　　　高城瑛子（後に滝瑛子）　…秋津由紀の誕生パーティーの客
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（秋津由紀の歌を秋津由紀の左隣／画面右で聴いている女性）
　　　　　朝香奈緒美　…秋津由紀の誕生パーティーの客
　　　　　　　　　　　　　　　　（秋津由紀の歌を奥の部屋の出入口あたりで聴いている長身の女性）
　　　　　橘田良江　…秋津由紀の誕生パーティーの客
　　　　　　　　　　　（秋津由紀の歌を部屋の真ん中あたりで右手にグラスを持って聴いている女性）
　　　　　糸賀靖雄　…秋津由紀の誕生パーティーの客
　　　　　　　（秋津由紀の歌を部屋の真ん中あたりで右手にグラスを持って聴いている短い髪の男性）
　　　　　千代田弘　…庄司明夫の葬儀の参列者（僧侶の後ろにいる口ひげの男性）
　　　　　深町真喜子（後に深町真樹子）
　　　　　　…庄司明夫の葬儀の参列者（滝伸次の右隣／画面左のメガネの女性）
　　　　　守屋徹　…秋津礼三郎の営むキャバレーのバーテン
　　　　　　　　　　　　　　（ジョージに撃たれた馬場が戻って来た時、秋津礼三郎の前にいる男性）
　　　　　飛島治子？　…秋津礼三郎の営むキャバレーのホステス
　　　　　　　　　　　　　　　　（ジョージに撃たれた馬場が戻って来た時、源次と話していた女性）
　　　　　久遠利三　…秋津礼三郎の営むキャバレーの従業員
　　　　　　　　　　　（ジョージに撃たれた馬場が戻って来た時にいる黒服に黒い蝶ネクタイの男性）
　　　　　本目雅昭　…秋津礼三郎の営むキャバレーの客
　　　　　　　　　　　　　　　　　（ジョージに撃たれた馬場が戻って来た時、婆の後ろにいる男性）
　　　　　英原穣二　…秋津礼三郎の営むキャバレーの客
　　　　　　　　　（ジョージに撃たれた馬場が戻って来た時、婆の後ろにいる黒っぽいスーツの男性）

◆ ◆ ◆

　　　　　●“渡り鳥”シリーズとその姉妹編のような“流れ者”シリーズは、1959年に作られた『南国
　　　　　土佐を後にして』という作品が母体となっています。内容はどれもほとんど同じです（こら！
　　　　　…笑）。ヒロインも全作、浅丘ルリ子さんです（Web＠作者は嬉しいばかりですけれども）。
　　　　　「どの地へ行っても、同じ顔の女性がいることに主人公は疑問を抱かないの？」…なんて、そ
　　　　　ういう大人げないことを言ってはイケません！。何しろこれは、純然たる娯楽作品なんですか
　　　　　ら。そんな“渡り鳥”シリーズ第1作『ギターを持った渡り鳥』、舞台は函館です。元・神戸
　　　　　の刑事だった滝伸次（小林旭）がバー“ビオン”のマダム・リエ（渡辺美佐子）に気に入られ
　　　　　、土地の流しの元締め・秋津礼三郎（金子信雄）を紹介してもらいます。そこには神戸の田口
　　　　　組から来ているジョージ（宍戸錠）がいて、主人公を見るなり、

　　　　　ジョージ「滝？…あんた、どっかで会ったような…」

　　　　　その後、伸次は彼とイカサマ賭博で勝負したり、麻薬取り引きの行なわれる船上で拳銃の腕く
　　　　　らべをします。子分の一人・サブ（野呂圭介）にビールの缶を空高く投げさせジョージがそれ
　　　　　を撃ちます。すると缶が落ちてくる前に、もう一度空中で伸次が撃つので、ジョージは過去を
　　　　　思い出し、「神戸市警の刑事だ！」となるわけです。ジョージは昔、自分の相棒を撃たれたの
　　　　　で、伸次を恨みに思っていて、決闘しようとしますが、巡視艇が来るので、勝負はお流れに。

　　　　　ジョージ「ちきしょー、運のイイ野郎だ…」

　　　　　…秋津は自分の妹・澄子（中原早苗）の嫁ぎ先である丸庄海運まで乗っ取ろうとする悪い奴。
　　　　　結局、ジョージまで消そうとする秋津（こんな男の娘がなぜ浅丘ルリ子さん？…笑）は、刺客
　　　　　を放ちます。しかし、海に沈んだかに見えた伸次とジョージが舞い戻ってきて、秋津たち悪玉
　　　　　は二人に倒されてしまいます。それでも、なおも伸次と決着を付けようとするジョージ。二人
　　　　　はビリヤードの台の上に拳銃を置いて身構えます（伸次は撃たれていて左腕しか使えません）
　　　　　…一瞬、伸次のほうが素早くジョージの銃をはじき飛ばし、ついでにビリヤードの球もはじき
　　　　　ます（うーん…笑）。ジョージは、やってきた警官隊に連行され、伸次は昔の恋人の故郷だと
　　　　　いう佐渡へ行くと言い、去っていきます。澄子と港で滝を見送る由紀（浅丘ルリ子）は、言い
　　　　　ます。

　　　　　由紀「二度と来ない…」
　　　　　澄子「なぜ？」
　　　　　由紀「判ってるの。あの人のことは何でも判る…」

LAST UP DATE ◆ 2014年6月9日
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