東京ナイト

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東京ナイト

▲山内賢さんと舞妓姿の和泉雅子さん。銀座のビル街で。

　　　　アクション映画ばかりを解説していたのでは、イケませんので、やはり日活のお得意だったジャ
　　　　ンルである青春もの、和泉雅子さんと山内賢さん主演の『東京ナイト』を紹介します。特に可愛
　　　　い小橋玲子さん（TBS『怪奇大作戦』のSRIの秘書兼連絡係・小川さおり役で有名ですね）の全
　　　　出演場面を採録！（おいおい…）。

◆ ◆ ◆

　　　　いかにも60年代後半の映画っぽい、007シリーズでお馴染みのモーリス・ビンダー調のタイト
　　　　ルバックが美しい。ハイトーンのシルエットで和泉雅子さんがピョコピョコ踊り（笑）、山内賢
　　　　さんたちが歌う絵柄（ちなみにモノクロではありますが、『二人の銀座』のタイトルバックも同
　　　　じようなデザインです）。白バックに人物たちの黒のシルエット、そこへ青色の水滴のようなも
　　　　のが現われると、画面が青バックに人物たちのシルエットが白抜き、赤バックに白抜きなどに変
　　　　わり、またモノクロ写真がパパパ！と現われる美しい画面です。この曲はベンチャーズの作曲で
　　　　すよね？。

　　　　主題歌“東京ナイト”　歌／和泉雅子、山内賢（ヤング・アンド・フレッシュ）

　　　　♪さよならが言えない夜、若い二人のランデブー（以上、デュエット）
　　　　　東京のランデブー（和泉雅子）
　　　　　モノレール、エアポート、羽田の夜に（山内賢）
　　　　　さよならが言えない私、若い二人のランデブー（デュエット）

　　　　　二人の町・銀座、若い町・新宿、恋の町・赤坂、生きる町・東京の夜（デュエット）

　　　　　さよならが言えない夜、夜明けの町を歩こう（デュエット）
　　　　　月と星、影と影（和泉雅子）
　　　　　東京タワー、高速道路、近付く朝に（山内賢）
　　　　　さよならが言えない私、若い二人のランデブー（デュエット）
　　　　　　※映像から書き出していますので、歌詞の表記に間違いがあるかもしれません。また、“赤坂”の部分の和泉雅
　　　　　　　子さんの吐息混じりの歌い方が可愛いぞ！（笑）。

　　　　…ゴーン（…鐘の音。いかにも京都という演出です…笑）。ハデなタイトルバックから画面は一
　　　　転、朝もやに包まれた京都の街（五重塔や八坂神社などが写る）。早朝、舞妓の衣裳のまま、実
　　　　家である祇園の芸者置屋“菊の家〔きくのや〕”を抜け出す小はな（和泉雅子）。猫に「シーッ
　　　　！」（可愛い！）。しかし、この舞妓の衣裳のままというのは、あまりにも説明的（ヒロインは
　　　　舞妓さんなんですよ…という）で、不自然ですよね。そんな恰好で家出する人はいないでしょ？
　　　　…そんな大人げない突っ込みはともかく（笑）、小はなは辰巳大明神に参拝して、有名な料亭“
　　　　一力〔いちりき〕”の前あたりで京都駅へ向かうため、タクシー（詳しく言うと京聯タクシー）
　　　　を拾う。ところが四条通り（市電の線路が通りの真ん中にある時代です）の反対側に停まってい
　　　　る“愛知陸運”（スポンサーその1）のトラックが東京へ帰る便だと気付く小はなは、タクシー
　　　　の運転手さんに、

　　　　小はな「すんまへん、結構どすわ。あっちはタダどすさかい」

　　　　こっそりトラックの荷台に乗り込む小はな。大垣～名古屋とトラックは順調に進む。UCCコー
　　　　ヒー（スポンサーその2。いかにも関西からの便という雰囲気があります）やUCCの黄桃の缶詰
　　　　の箱に紛れて居眠る小はな（京人形のようで綺麗です）だが、途中で目を覚まして外を見る。

　　　　小はな「いやー！（注／京都弁の感嘆詞。“嫌”の意味ではありません）、富士山やー！」

　　　　…その頃、小はなが家出したと知った母親のキク（中村芳子）は、多分、東京へ向かったのだろ
　　　　うと考え、昔なじみの世界製薬の社長・山村（嵯峨善兵）に電話をかけ、捜索を依頼する。キク
　　　　が心配なのは、数年前に家出した姉の雪枝（長内美那子）に会いに行ったのではないのかという
　　　　こと。小はなはトラックの中で、舞妓の衣裳から銀色のジャケットに赤いフレームのサングラス
　　　　、ショートヘアのカツラなどに着替える。その頃、運転手たち（青空はるお・あきお）は箱根付
　　　　近のドライブインへ駆け込み、女性店員（阿部玲子）に昼食を運んでもらう。テレビでは、彼ら
　　　　が勤める“愛知陸運城西営業所”の息子・小杉健（山内賢）がリードギターを担当する東南大学
　　　　のバンド“ヤング＆フレッシュ”が、大学対抗バンド合戦（もちろんUCC提供）の準決勝大会
　　　　に出場している。小はなもトラックを降りて、ドライブインの売店へ。

　　　　小はな「おくれやす」
　　　　女店員「何を差し上げます？」
　　　　小はな「えー、このあんぱんとそっちのジャムぱんとチョコレートと、おみかん（この“おみか
　　　　　　　　ん”のイントネーションなど、和泉雅子さんの京都弁はなかなかうまいです）と…あ、
　　　　　　　　せや、あの牛乳も」

　　　　三国一朗さん（本人）の司会で、“レインボウ・ラブ”を披露する“ヤング＆フレッシュ”は、
　　　　決勝大会に進出する。ヴォーカルの“ミッチー”こと〔カワダ・〕美智子（苗字は“沢田”表記
　　　　の文献もありますが、司会者の紹介では、どう聞いても〔カワダ〕。名前は“道子”表記の文献
　　　　もあり）に扮した徳永芽里さん、歌唱力もあり、美人だし、振りもうまい。

◆

　　　　…夜。トラックを追い越して行くパトカーを荷台から見送る小はな。その頃、健はバンドのヴォ
　　　　ーカルである“ミッチー”の車が追突され、入院したという電話を受ける。健の妹・和子（小橋
　　　　玲子）がピンクのブラウスにGパン姿で店の奥から出てくる。

　　　　和子　「どうしたの？、お兄ちゃん」
　　　　健　　「いや、“ミッチー”のニューカーがな、帰りに第二京浜で追突されたんだ」
　　　　和子　「え！？、それで車は？。保険、入ってなかったの？」
　　　　健　　「バカヤロー、車より“ミッチー”だ！」

　　　　健は戻ってきたトラックで京浜病院へ向かう。“ミッチー”はムチ打ちで全治一か月あという。
　　　　それでも呑気そうに看護婦さん（宮沢尚子）に髪を編んでもらっている“ミッチー”。翌週の決
　　　　勝大会はどうなると心配するメンバーの田中浩（和田浩治）、田所一（杉山元）、吉本正（木下
　　　　雅弘）だが、仕方なしに健の実家へ戻って倉庫で練習をする。そこへ白いパジャマ姿の和子がや
　　　　ってくる。

　　　　和子　「お兄ちゃん！」
　　　　正　　「和ちゃん！？。これまた色っぽい！」
　　　　一　　「意外とボイン（死語？）だね、ヘヘヘ」
　　　　健　　「何だよ、その恰好は！」
　　　　和子　「やーね！、ジロジロ見ないでよ、H（これももう死語？）ねぇ」
　　　　健　　「何だい、用は」
　　　　和子　「ン？。美智子さん、どうだった？」
　　　　正　　「あ、それがね、全治一か月」
　　　　健　　「ツイてないよ」
　　　　和子　「はー…美智子さんの代わりに私じゃ、ダメ？」
　　　　一　　「えー！？」
　　　　正　　「代わり、って？」
　　　　和子　「テレビよ。来週、テレビに出られないんでしょ？」
　　　　浩　　「和ちゃんが？」
　　　　和子　「そうよ、あたしだって出来ンだから！。アーハーハーハー…（発声練習）」
　　　　健　　「わー！、蛙がひきつぶされたような声出すなよ。子供向けの番組じゃないんだぞ」
　　　　和子　「ぶじょくぅー！」（…膨れる。可愛い！）

　　　　健たちの話を荷台で聴く小はな。母屋に戻った和子。父・亀太郎（三遊亭歌奴〔現・圓歌〕）と
　　　　母・静子（須田喜久代）がいる。

　　　　和子　「ねえ、父さん」
　　　　亀太郎「何だよ」
　　　　和子　「お兄さん、帰ってきたわよ」
　　　　静子　「人のことより勉強は？」
　　　　和子　「済・ん・だ！」
　　　　静子　「（父に）あんた、荷物」
　　　　亀太郎「明日でイイよ、そんなものは。（バンドの練習が始まる）…うるせえなー」
　　　　静子　「何がさー」
　　　　亀太郎「おまえじゃないよ、向こうだよ」
　　　　和子　「♪♪♪（バンドの音に聴き入る）」

　　　　練習をしている健たちのところへ亀太郎がやってきて、「山の穴へでも行っちまえ！」（笑）と
　　　　文句を言って去る。続けて歌い出す健だが、そこへ小はなが現われてデュエットをする。イイ！
　　　　（歌声が）と言われ、

　　　　小はな「そんな…うち、恥ずかしおす」

　　　　「お、おす？」「へー、関西弁だねー」などと言うメンバーたちは、小はなが京都から荷台に乗
　　　　ってきたことを聞いて驚く。家出だと知るが、小はなが結婚を押し付ける親のいる封建的な家か
　　　　ら逃げて来たのだと思い込むメンバーたち。健は自分の部屋である離れに匿ってやることに。

　　　　小はな「“東男に京女”言〔ゆ〕うけど、東京の男はんは親切や！」

　　　　「おやすみやす」という小はなの言葉がやけに嬉しい健は、トラックの荷台で寝ることにするが
　　　　、そこで小はなの付けていたかんざしを発見する。

　　　　 ◆

　　　　…翌日、小はなは“ヤング＆フレッシュ”のメンバーとともに東京見物を（テーマ曲とともに）
　　　　。東京の名所各地が写る（まさにWeb＠作者のような田舎者が頭に浮かべる、昔の東京の景色そ
　　　　のもの！）。東京タワーの展望台で、バンド大会の決勝戦に出場することを依頼される小はなだ
　　　　が、そこでは返事を控える。夜の銀座（路上で健と小はなは“二人の銀座”の一番だけを歌いま
　　　　す）。そこで健たちと別れた小はなは、元・祇園の芸者だった駒子（高千穂ひづる）が営むバー
　　　　“一力”を訪ねる。小はなは駒子に、家を継ぐのがイヤになったと告白、姉の雪枝の居所を聞く
　　　　が、知らないと言われる。その頃、和子（黒い半袖のブラウスにGパン、大きな銀色のメダルを
　　　　首から下げて）は健の部屋で発見したという赤と黒のタータンチェックのボストンバッグを亀太
　　　　郎に見せている。

　　　　亀太郎「これが健の部屋にあったってぇのかい？」
　　　　和子　「うん」
　　　　亀太郎「ふーん…あかねえな。何か、ねえのかい？」
　　　　和子　「あたしの勘じゃねえ…お兄ちゃん、何か隠し事してンな」
　　　　亀太郎「隠し事？」
　　　　和子　「うん、だって、ゆうべねぇ、トラックの中に寝てたんだから」
　　　　亀太郎「トラック？」
　　　　和子　「そうよ。トメさんがそう言ってたわよ。朝、起きてみたらねーえ、トラックの中から“
　　　　　　　　おはよー”って若旦那が出てきたんで、ビックリしたって」
　　　　　※和子の言う“トメさん”が誰なのか、はっきりしませんが、青空はるおさんあたりかもしれ
　　　　　ません。
　　　　静子　「あんた…」
　　　　亀太郎「おう」
　　　　静子　「健が戻ったようですよ」
　　　　亀太郎「戻った？」（三人は台所の窓から離れを見る）
　　　　亀太郎「…よーし、行ってみるか！」
　　　　和子　「あたしも行く！」
　　　　静子　「和子は勉強！」
　　　　和子　「ううーん！（スネて）、せっかくあたしが見つけてきてあげたのにィ！」

　　　　健の部屋。健と押し問答の末、ついに押し入れを改造したベッドの中で小はな（本名は〔シラカ
　　　　ワ・ハナコ〕であると自己紹介します）を発見する亀太郎だが、

　　　　小はな「ごめんやす。高いところから、ほんまにすんまへん」

　　　　と言われ、なぜかメロメロに（笑）。小はなは健に迷惑をかけないように、「さいなら」と家を
　　　　出て行く。それを見ている和子。小はなはその足で浩の実家である呉服店“田中京染店”へ行き
　　　　、ちゃっかりこの家に置いてもらうことに。その頃、部屋で小はなのかんざしを見つめてボンヤ
　　　　リする健。

　　　　和子　「ねえ、お兄さん、誰よ、あの人」
　　　　健　　「うるさいな」
　　　　和子　「あたし、ちゃんと見てたんだから」
　　　　健　　「何でもないっつってるだろ」
　　　　和子　「うーん…お兄さんに追い出されて、今じぶん、何してるかなあ、あの人」
　　　　健　　「俺がおン出したんじゃないよ、オヤジだよ」
　　　　和子　「それならそうと、そう言ってくれれば、あたしだって力になってあげたのに」
　　　　健　　「うるさいな！。出て行きなさい！」
　　　　和子　「うーん！、何よ、人がせっかく心配したげてんのに！。うん！」（…と兄の頭をコヅい
　　　　　　　　て出ていく）
　　　　健　　「バカ！」

　　　　ギターを持って歌い出す健。画面は変わって（ミュージカルなどでよくある四次元瞬間移動のパ
　　　　ターン…笑）、昼間の噴水の前で歌う健やバンドのメンバーたち。

◆

　　　　…大学。かんざしを見つめ、ゼミにも集中出来ない健だが、小はなは自分の家にいると浩から聞
　　　　いて驚く。浩の実家へ行くと、小はなは客（横田楊子）と商談までしている！（笑。「よう、お
　　　　似合いどっせー」とか）。ヴィレッジ・シンガース（本人）が「♪バラ色の雲と～」と歌ってい
　　　　るUCCが経営するコーヒーショップへ行く小はなと健たち。何か隠し事をしているのではない
　　　　かと問い詰められ困る小はなは、夜に“一力”へ来てくれるよう告げる。夜の練習の後、“一力”
　　　　へ出かけた健たちは、高そうな店なのでビビる（笑）。ショーの司会者（鴨田喜由）から本物の
　　　　舞妓だと紹介されステージに現われる小はなは、「♪月はおぼろに東山～」と踊り出す（ただ、
　　　　舞妓さんが自分で歌いながら踊るのは、何かヘンではないか？…という意見もありますが…。そ
　　　　れでもツーコーラス歌い踊ります…笑）。驚く健たち。「おおきに」とステージを降りて、健た
　　　　ちのテーブルへ来て、「こんばんは、おいでやす」と挨拶をする小はなだが、自分は金魚と同じ
　　　　で、綺麗な衣裳を身に付け、人に見てもらうだけだし、高校へも行かず舞妓になったので、駆け
　　　　落ちして自由に生きる姉を探し出し、文句を言ってやるつもりだと話す。そこへ山村社長と部下
　　　　の今泉（天坊準）たちが来店するので、小はなは逃げる。部下たちが追うが、健たちがそれを助
　　　　ける。このシーンでのライティングされる噴水の前に立つ舞妓姿の小はなという絵柄は、抜群に美
　　　　しいです。

◆

　　　　…小はなは、今度は正と一の下宿に泊めてもらうことになるが、このアパートの部屋はまた強烈
　　　　に汚く狭い（笑）。管理人さん（衣笠真寿男）にも見つかりそうになるので、“ミッチー”に頼
　　　　んで、彼女の部屋を貸してもらうことにする。本物の女子大生になったようだと喜ぶ小はな。健
　　　　たちは小はなの姉の夫・幸田五郎（木浦佑三）の勤め先や住居を探す。勤めていたらしい工場の
　　　　守衛（神山勝）や引っ越しの時に利用したのではないかという運送店の主人（河野弘）、大竹運送
　　　　の女将（佐川明子）などを調べて回る健たちだが、確証は得られない。やはり駒子が何か知って
　　　　いると考え、健は“一力”へ行くが、駒子は何も話さない。“ミッチー”を見舞った小はなは、
　　　　病院の屋上で“ミッチー”が三姉妹の末っ子で、自分は進学するつもりはなかったのに大学へ入
　　　　れさせられたという、自分とは逆の境遇の話を聞く。そこへ健が現われ、ついに姉の居所を探し
　　　　出したと告げる。健と二人でその場所へ向かうが、そこは場末の飲み屋街。その片隅で小料理屋
　　　　“ゆきえ”を開業して、酔客（久遠利三）の相手をしている姉を見る小はな（ここで、いつもの
　　　　和泉雅子さんらしい、キリッとした顔つきになりますが、ここではちょっと合っていないような
　　　　気もします？？？）。再会する姉妹。水商売が嫌いで駆け落ちまでして家出したのに、この生活
　　　　は何だと叱責する小はな。奥から出てきた、手を機械にはさまれて休職中だという幸田にも悪態
　　　　をつく。言いすぎではないかという健。店を飛び出した小はなは、健にも大学生のボンボンに何
　　　　が判ると言い、健に叩かれてしまう。走り去る小はな。健は手も心も痛むようだ…。

◆

　　　　…決勝大会に向けて練習をする健たち。そこへ駒子が訪れる。セーラー服姿で、健たちのバンド
　　　　の音楽にノッて、ルンルンと帰ってくる和子、駒子に気付く。

　　　　和子　「あ！？（駒子に気付き）…何か？」
　　　　駒子　「あの、こちらさんに東南大学に行ったはる息子はんが…」
　　　　和子　「あ、兄貴ですか？。ちょっとお待ちください（健のところへ行き耳元で）…お兄ちゃん
　　　　　　　　！、お兄ちゃーん！（演奏の音がうるさいのです）」
　　　　健　　「（演奏をやめて）…うるさいなー」
　　　　和子　「お兄ちゃんにお客さんなのよー」
　　　　健　　「え？」

　　　　駒子は、小はなが雪枝とモメたと聞いたらしく、雪枝のために真実を話すという。道子の部屋に
　　　　小はなを訪ねる健。叩いたことを謝りに来たのかと問う小はなだが、健は雪枝の秘密を話す。雪
　　　　枝は実は小はなの母の姉の娘で、雪枝は小はなに跡を継がせるために家出したらしいのだ。それ
　　　　を聞いた小はなは雪枝の元へ行き、一緒に京都へ帰って、家を継いでほしいと話す。しかし雪枝
　　　　は今の生活が幸せだと、赤ん坊をあやす。その姿に心を打たれた小はなは、京都へ戻って、家を
　　　　継ぐことを決心する。

◆

　　　　…三遊亭歌奴（当時）の落語をテレビで見て喜んでいる亀太郎（笑）。練習をしている健たちの
　　　　横では赤と黒の太い横縞のサマーセーターと赤いスカートで和子が踊っている。そこへ小はなが
　　　　やってきて、京都へ帰って家を継ぐと話す。驚く健たち。

　　　　和子　「お兄ちゃん…」
　　　　健　　「ン？」
　　　　和子　「あたしはやっぱり小はなさんは祇園へ帰ったほうが幸せだと思うな」
　　　　一　　「どうしてだよ？」
　　　　健　　「何も判ンないくせに余計なことを言うな」
　　　　和子　「だってさ、あたしたちだって勉強したくなくたって親にガミガミ言われれば、しなきゃ
　　　　　　　　なンないでしょ？。サラリーマンだって、ヤな仕事でも、社長の命令だったら、聞かな
　　　　　　　　きゃならないんだし…結局、誰だって何かに縛られてるんだから…」
　　　　小はな「そうどす…」

　　　　しかし小はなは帰る前に、決勝大会に出させてほしいと言い出す。また小はなは失ったと思って
　　　　いたかんざしを健から渡される。健にしてみれば、決別の覚悟の現われなのかも…。

◆

　　　　…大会には舞妓姿で出場して健たちと歌う（テーマ曲）小はな。そのテレビ中継の様子は、祇園
　　　　の家の小はなの母（「ほんま、呆れた子やなー」。笑）や芸者（千波可奈子）、雪枝たち、運送
　　　　店の一家や従業員たち（ここでの小橋玲子さんは赤いセーラー服仕様のワンピースを着ています
　　　　。セリフはなし）、病院の道子も見ています。そしてその舞妓姿のまま、夜の新幹線で京都へ帰
　　　　る小はな。浩や一たちは夜の街を歩きながら（大会で優勝してハワイ旅行を手に入れたのかどう
　　　　かは不明）、金魚は水槽の中でしか生きられないのかな、などと話しますが、無言の健は、そう
　　　　は思えない（思いたくはない）。暗い車窓に小はなが写り、楽しかった東京での一週間が写る。
　　　　街を行く健の脳裏にも小はなとの一週間がよぎる。東京の夜景の大パノラマが写し出され（東芝
　　　　のネオンが光るビルの横を新幹線が走って行きます）…終。

◆ ◆ ◆

　　　　…この作品は、和泉雅子さん扮する、舞妓さん版“ローマの休日”なのでしょう。とにかく和泉
　　　　雅子さんが品の良い舞妓さんに扮していて、素晴しく綺麗です。また小橋玲子さんが文句なしに
　　　　可愛く、なかなか出来の良い青春ドラマに仕上がっていると思います。

LAST UP DATE ◆ 2009年10月14日