日活映画（1954年度分）

日活映画（1954年度分）

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ここでは1954年に公開された日活映画を紹介します。

注）出演者の欄の最後に●のある作品は、クレジットを抜けなく順に全員分、書き写しています。
また、詳細データの項目のない作品は、未見を含む未検証の作品で、キネマ旬報など既存の資料を
元に作成しておりますので、抜けや誤植、解説部分の間違いなどが含まれているかもしれません。
ご了承いただきたいと思います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　6月

　　　國定忠治
　　　　監督／滝沢英輔　脚本／菊島隆三　撮影／峰重義　音楽／大森盛太郎
　　　　出演／辰巳柳太郎、島田正吾、津島恵子〔特別出演〕、花柳小菊、野村清一郎、石山健二郎、
　　　　　　　秋月正夫、河村憲一郎、岡泰正、清水彰、久松喜世子、千早隆子、畑中蓼坡、松木悟朗、
　　　　　　　郡司八郎、波多昇、宮本曠二朗、岡田映一、大町正作、東大二郎（後に大二朗）、
　　　　　　　飯田徹、大山克巳、吉田柳児、茂木昇二郎、宮嶋誠、弘松三郎、英原穣二、
　　　　　　　美川洋一郎（後に陽一郎）、坂田耕造〔殺陣としてクレジット〕、新國劇總出演　●
　　　　　　　馬渕晴子〔クレジットなし〕、河上信夫（後に喜史朗）〔同〕、村田寿男〔同〕、
　　　　　　　坂井一郎（後に阪井幸一朗）？〔同〕、花村信輝（後に彰則）〔同〕、伊丹慶治〔同〕、
　　　　　　　深江和久（後に章喜）〔同〕、山本かほる？〔同〕、雪岡純（後に雪丘恵介）？〔同〕、
　　　　　　　瀬山孝司？〔同〕、紀原耕（後に土耕）〔同〕、三浜元〔同〕、榎木兵衛〔同〕、
　　　　　　　河瀬正敏？〔同〕、山田禅二？〔同〕、木村玄（後に元）？〔同〕、小沢慶太郎〔同〕、
　　　　　　　小林俊明〔同〕、最上竜二郎〔同〕、岡野美恵子〔同〕、前田利夫〔同〕、
　　　　　　　寺津四郎〔同〕、杉沢勝雄〔同〕、諏訪晴一〔同〕、村越一二〔同〕、勝木啓邦〔同〕、
　　　　　　　新居博重〔同〕、天野新一（後に新士）〔同〕、伊藤勇〔同〕、木村恵〔同〕、
　　　　　　　柳田いね子〔同〕、伊藤敏子〔同〕、対馬衣都美〔同〕、千代重二郎〔同〕、
　　　　　　　久保田友吉〔同〕、岸本勉〔同〕、西川光子〔同〕、山口京子〔同〕、他
　　　　…日活は戦後、洋画の配給などは行なっていましたが、自社作品を製作してはいませんでした。
　　　　　そこで製作を再開することになったところ、既存の他社（東宝・松竹・東映・大映・新東宝）
　　　　　による五社協定というものが作られ（経営戦略の一つでしょうが、新会社に対するイジメでも
　　　　　ある）、専属の俳優やスタッフの貸し借りが出来なくなりました。困った日活は新国劇や民芸
　　　　　、その他、舞台で活躍する俳優を招き、映画を撮ったという事情もあるようです（それゆえの
　　　　　『國定忠治』でしょうか）。1954年3月29日午後3時15分、多摩丘陵の山ひだ（川崎市西生
　　　　　田）でこの作品のシーン76の撮影から日活映画の新しい歴史が始まったようです。ポスター
　　　　　のマークに“信用ある日活映画”と書かれているあたりに、戦前からの大会社の自信のような
　　　　　ものが感じられます。辰巳柳太郎さん扮する国定忠治が百姓から渡世人になり、そして自滅し
　　　　　て行く様が描かれています。島田正吾さんの役は、忠治の子分になる渡世人・“日光の円蔵”
　　　　　、津島恵子さんの役は、国定村の庄屋の奉公人として忠治と知り合い、宿屋“初音”の女郎を
　　　　　経て、後に忠治の幼なじみであった百姓で一時期は子分だった“下宿の安五郎”（清水彰）の
　　　　　妻になるおとよ（最後は忠治と関係を持ったことを安五郎に責められ井戸に身を投げる）、花
　　　　　柳小菊さんの役は、“島の伊三郎”親分こと嶋村伊三郎（石山健二郎）の妾・お町、大山克巳
　　　　　さんの役は、忠治の子分・“武井の浅二”。日活映画で凄みのある悪役としても有名な深江和
　　　　　久（後に章喜）さんが、忠治の子分や捕まった忠治の駕篭の前を歩く十人ほどの捕方の最後尾
　　　　　の一人などに扮しておられます。開巻早々の峠のロングショットでの忠治のスタンドインもさ
　　　　　れたそうですので、つまりは戦後製作再開された日活映画に最初に写ったのは、深江和久（後
　　　　　に章喜）さんだということになるようです。そして榎木兵衛さんは、赤城山に立て籠る忠治を
　　　　　捕獲するため役人が訪れるシーンで、それを迎え撃つ子分の一人として出演…製作再開第一作
　　　　　から出演されているじゃないですか！（笑）。庄屋の屋敷の前の行列のシーンでは、忠治の前
　　　　　に馬渕晴子さんが並んでいます。カメラテストでしょうか？。また、天野新一（後に新士）さ
　　　　　んという新国劇の男優さんは、アイドルだった松本友里さんのお父さんですよね。
　　　　　　《情報提供／NOBOさん》

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　　　かくて夢あり
　　　　監督／千葉泰樹　脚本／猪俣勝人、小森静男　撮影／峰重義　音楽／古関裕而
　　　　出演／宮城野由美子、花柳小菊、島崎雪子、小林桂樹、伊豆肇、山村聰、
　　　　　　　若原雅夫〔特別出演・松竹〕、利根はる恵、山本和子、竹内洋子、北林谷栄、
　　　　　　　梅原道子（後に中村美津子）〔新人〕、清水将夫、伊沢一郎、千秋実、金子信雄、
　　　　　　　小堀誠、三島雅夫、清水一郎、石黒達也、山田好一、多々良純、山田禅二、
　　　　　　　久松晃（後に洪介）、黒田剛、伊丹慶治、村田寿男、外野村晋、弘松巌（後に三郎）、
　　　　　　　光沢（後に光）でんすけ、山本かほる、松島凌子、五月藤江、三島保子、
　　　　　　　辰野美夜（後に水美？）、鈴村俊子、八代康二（後に康次）、
　　　　　　　坂井一郎（後に阪井幸一朗）　●　瀬山孝司？〔クレジットなし〕、宍戸錠〔同〕？、他
　　　　…大林清原作作品。弁護士を志す高見沢義文（小林桂樹）が、恋人の赤間裕子（宮城野由美子）
　　　　　を兄・利光（伊豆肇）に譲ったがために起こる、その後の様々な人間模様を描いています。ポ
　　　　　スターに“大日活が総力を結集して全女性に贈る涙の待望豪華巨篇”とあり、映画制作を再開
　　　　　する意気込みが感じられますね（こちらを第一回作品として、『國定忠治』を併映作品とする
　　　　　見方もあるようです）。NHKでも放映されていた人気ドラマでもあったようです。青木光一さ
　　　　　んがタイトル曲を歌っています。サム・スペードさん所蔵の資料には、宍戸錠さんも顔を
　　　　　出されているという情報もあるそうですが、はっきりしません。もう入社されていたのかどう
　　　　　か、時期的に微妙なところです。また最後に「かくて夢あり第一部終」と出ますが、第二部
　　　　　があったのかどうか？？？。島崎雪子さんの役は、高見沢義文の友人・延岡憲治（山田好一）
　　　　　の妹・夏子、花柳小菊さんの役は、高見沢義文がピアノを弾くバイトをしている銀座のバーの
　　　　　マダム・美代子。またここで、ヒロイン・裕子の学友だった春田文子に扮した山本和子さんで
　　　　　すが、この方の次女は女優の毬谷友子さん（長女・朝子さんも文学座所属）です。
　　　　　　《情報提供／娯楽映画研究家佐藤利明さん》

　　　　　→詳細データ　

　　7月

　　　学生心中
　　　　監督／森永健次郎　脚本／八住利雄　撮影／中尾利太郎　音楽／米山正夫
　　　　出演／木村功、宮城野由美子、小林桂樹、宇野重吉、遠山幸子、南寿美子、金子信雄、
　　　　　　　中原啓七、小田切みき、山本かほる、美川洋一郎（後に陽一郎）、織本順吉、田島義文、
　　　　　　　伊丹慶治、菊野（後に華村）明子、柳恵美子（後に雨宮節子）、絵島美紀、
　　　　　　　花村信輝（後に彰則）、山田禅二、河上信夫（後に喜史朗）、北玲子、竹内章子、
　　　　　　　五味三奈子、山下千枝子（後に芝あをみ）、久場礼子、二階堂郁夫、
　　　　　　　紀原耕（後に土耕）　●　英原穣二〔クレジットなし〕、瀬山孝司〔同〕、
　　　　　　　弘松巌（後に三郎）〔同〕、村田寿男〔同〕、他
　　　　…小谷剛原作作品。実業家の叔父・浜本寛治（宇野重吉）の世話になっている大学生の真樹茂（
　　　　　木村功）と、彼が夏休みに群馬県の奥利根で知り合った小宮比佐子（宮城野由美子）との悲恋
　　　　　物語で、最後には失明する茂と比佐子が想い出の山小屋へ逃避行、吹雪の中で遭難するまでを
　　　　　描いています。遠山幸子さんの役は、浜本家の娘で、茂を慕う節子。新東宝スターレット第1
　　　　　期生（同期には、天知茂さんや高島忠夫さん、久保奈穂子さん、左幸子さんなどがいた）から
　　　　　日活へ移籍した南寿美子さんの日活デビュー作だとか。また、子役として戦前の日活に入社、
　　　　　戦後は大映作品などに出演されていた雨宮節子さんが、柳恵美子名義で日活デビューされてい
　　　　　ます。主題歌の“山に散る花”は青木光一さんと宮城野由美子さんが歌っています。
　　　　　　《情報提供／いも子さん／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　　沓掛時次郎
　　　　監督／佐伯清　脚本／菊島隆三、井出雅人　撮影／藤井静　音楽／清瀬保二
　　　　出演／島田正吾、水戸光子〔大映〕、辰巳柳太郎、野村清一郎、石山健二郎、秋月正夫、
　　　　　　　河村憲一郎、岡泰正、安部徹、中村是好、田島義文、左卜全、畑中蓼坡、坂内英二郎、
　　　　　　　笈川武夫、片桐常雄（後に恒男）、深水吉衛、天草四郎、外野村晋、久松喜世子、
　　　　　　　初瀬乙羽、若原初子、長谷川照容、香川良久、毛利充宏〔劇団若草〕、
　　　　　　　渡辺正一〔殺陣〕、新國劇總出演　●　林幹？〔クレジットなし〕、鈴木俊子？〔同〕、
　　　　　　　河上信夫（後に喜史朗）〔同〕、桜井将紀？〔同〕、郡司八郎？〔同〕、
　　　　　　　伊丹慶治〔同〕、小沢慶太郎〔同〕、大町正作？〔同〕、木村玄（後に元）？〔同〕、他
　　　　…長谷川伸原作の有名な股旅ものの時代劇。一宿一飯の義理から六ツ田の三蔵（辰巳柳太郎）を
　　　　　斬った信州出身の渡世人・沓掛時次郎（島田正吾）は、三蔵の遺言を守って、身重の妻・おき
　　　　　ぬ（水戸光子）と息子の太郎吉（香川良久）をおきぬの実家へ送り届けようとする。実家の兄
　　　　　・下野与兵衛（安部徹）とその妻・おしの（長谷川照容）とうまく行かなくなったおきぬは、
　　　　　上田宿の安宿・上田屋に逗留することになる。渡世人の足を洗った時次郎だったが、おきぬの
　　　　　出産費用を稼ぐため、上田宿のヤクザの組同士の喧嘩の助っ人をすることに…。時次郎が賭場
　　　　　で知り合う渡世人・ガチャ目の喜十に扮した深水吉衛さんは、火野葦平さんの義弟にあたる方
　　　　　だそうです（《日活映画》1962年10月号より）。《情報提供／NOBOさん》

　　　　　→詳細データ　

　　8月

　　　黒い潮〔うしお〕
　　　　監督／山村聰　脚本／菊島隆三　撮影／横山実　音楽／塚原哲夫
　　　　出演／山村聰、津島恵子、左幸子、滝沢修〔民芸〕、東野英治郎〔俳優座〕、河野秋武、
　　　　　　　信欣三、安部徹、柳谷寛、清水元、伊沢一郎、石黒達也、小笠原章二郎、田島義文、
　　　　　　　下元勉〔民芸〕、芦田伸介〔同〕、下條正巳〔同〕、武田正憲、山田晴生、浜村純、
　　　　　　　高島敏郎、外野村晋、山田禅二、河上信夫（後に喜史朗）、雪岡純（後に雪丘恵介）、
　　　　　　　三島謙、久松晃（後に洪介）、神山勝、小柴隆（後に尋詩）、花村信輝（後に彰則）、
　　　　　　　宮原徳平、三浜元、植村進（後に長弘）、弘松巌（後に三郎）、勝田完、
　　　　　　　紀原耕（後に土耕）、深江和久（後に章喜）、高野真、内藤武敏、進藤英太郎、
　　　　　　　四方正夫（後に安井昌二）、中原啓七、近藤宏、夏川静江、沢村貞子、
　　　　　　　石山健二郎〔新国劇〕、千田是也〔俳優座）、青山杉作〔同〕、小川虎之助、御橋公、
　　　　　　　中村伸郎〔文学座〕　●　名和宏〔クレジットなし〕、河瀬正敏〔同〕、
　　　　　　　美川洋一郎（後に陽一郎）〔同〕、村田寿男〔同〕、黒田剛〔同〕、英原穣二〔同〕、
　　　　　　　坂井一郎（後に阪井幸一朗）〔同〕、水谷謙二（後に謙之）？〔同〕、若原初子〔同〕、
　　　　　　鈴木俊子？〔同〕、山本かほる？〔同〕、山下千枝子（後に芝あをみ）？〔同〕、
　　　　　　　加原武門〔同〕、八代康二（後に康次）〔同〕、瀬山孝司〔同〕、小川繁？〔同〕、
　　　　　　　宍戸錠〔同〕、伊丹慶治？〔同〕、片桐常雄（後に恒男）〔同〕、他
　　　　…井上靖原作作品。監督も兼任している山村聰さんが毎朝新聞社会部の記者・速水卓夫に扮して
　　　　　います。しかし左幸子さんでさえ、事務員・伊庭節子役ですからねぇ（…とはいえ軽い役では
　　　　　ありませんが）、歴史を感じます。戦後の歴史でも有名な下山事件を取材する記者が、社の上
　　　　　層部（そしてもっと上のGHQ）から圧力をかけられてしまうという話。津島恵子さんの役は
　　　　　、主人公の大先輩の娘で、主人公に恋心を抱く佐竹景子。宍戸錠さんの出演第一作ということ
　　　　　になっています。新聞記者たちの部屋にいる、その他大勢の記者の一人に扮しておられます。
　　　　　実際に作品を見た場合、記者というより、記者が書いた原稿を植字する部署へ持っていく下働
　　　　　き（アルバイトの学生かも）のような役割です。まず三鷹事件発生直後、新聞社の廊下をネク
　　　　　タイを締めながら出かける青年が宍戸錠さんでしょう。これが宍戸錠さんが最初に日活映画の
　　　　　画面に登場した姿ということになるのでは？。続いて確実に宍戸錠さんだと判るシーンは、開
　　　　　巻1時間26分あたりで、社員食堂に記者・東野村（信欣三）と筧（河野秋武）が速水を探し
　　　　　に入るシーンで、入れ違いに出てくる半袖シャツ姿で帽子をかぶった青年が宍戸錠さん。1時
　　　　　間33分あたりで、外出していた速水が社に戻ってきて、階段を上がるシーンで、すれ違いに
　　　　　階段を降りてきて、画面向かって右に去って行くのも宍戸錠さん。この直後、アップになった
　　　　　山村聰さんが階段の途中で振り向きますが、その前を先ほどと同じ格好の宍戸錠さんが、左か
　　　　　ら右に通り抜けます（いつの間にまた左側へ行ったのだ？…という、映画的な矛盾あり…笑）
　　　　　。そして1時間35分あたりで、編集局の中にやはり同じ格好の青年が入って来ます。また近
　　　　　藤宏さんは、出演ではなく、ナレーターとして参加されているようです。
　　　　　　《情報提供／NOBOさん／ツカさん／小麦さん》

　　　　　→詳細データ　

　　9月

　　　愛と死の谷間
　　　　監督／五所平之助　原作／脚本／椎名麟三　撮影／小原譲治　音楽／団伊玖磨
　　　　出演／津島恵子、乙羽信子、芥川比呂志、宇野重吉、木村功、伊藤雄之助、高杉早苗、
　　　　　　　安西郷子、中村是好、清水一郎、左卜全、多々良純、山形勲、飯田蝶子、北林谷栄、
　　　　　　　田中筆子、若原初子、桑野芳子、小田切みき、沢村貞子、殿山泰司、柳谷寛、山田禅二、
　　　　　　　光沢（後に光）でんすけ、桜井将紀、大山健二、稲葉義男、辰野美夜（後に水美？）、
　　　　　　　山本かほる、鈴木俊子、菊野（後に華村）明子、柳恵美子（後に雨宮節子）、竹内洋子、
　　　　　　　重盛輝江（後にてる江）　●　宍戸錠〔クレジットなし？〕、他
　　　　…女医の竹内愛子（津島恵子）は探偵・風見潔（芥川比呂志）に尾行されるが、それは診療所の
　　　　　所長・大沢捨松（宇野重吉）の妻・栄子（高杉早苗）が夫との仲を嫉妬して依頼したものだっ
　　　　　た。怪我をした子供を運び込んだ風見にそれと知らず好意を持ってしまうが、正体を知ってし
　　　　　まったり、また戦傷者・坂田勘次（木村功）が自殺のための薬をねだるが断ると鉄道自殺を計
　　　　　るので、愛子は失望の渦に巻き込まれてしまったり、と、様々な体験をするというのが大筋。

　　　泥だらけの青春
　　　　監督／菅井一郎（第一協団）　演出監修／吉村公三郎　脚本／新藤兼人　撮影／峰重義
　　　　音楽／伊福部昭
　　　　出演／三國連太郎、乙羽信子〔近代映協〕、高杉早苗、山内明、石黒達也、植村謙二郎、
　　　　　　　加東大介、清水一郎、柳谷寛、東谷映子（暎子）、志摩桂子、三鈴恵以子、田中筆子、
　　　　　　　十朱久雄、下條正己（正巳）、大町文夫、殿山泰司、清水元、深見泰三、三島雅夫、
　　　　　　　小杉勇〔賛助出演〕、滝沢修〔同〕、伊藤雄之助〔同〕、小川虎之助〔同〕、
　　　　　　　岡譲司〔同〕、清水将夫〔同〕、安部徹〔同〕、高野三三男〔チャーチル舍〕、
　　　　　　　田村泰次郎〔同〕、柴田早苗〔同〕、服部良一〔同〕、早田雄二〔同〕、林謙一〔同〕、
　　　　　　　山田禅二、近藤宏、井東柳晴、深江和久（後に章喜）、松下達夫、
　　　　　　　阪井一郎（後に幸一朗）、若原初子、上原一二（後に一二三）、加原武門、
　　　　　　　光沢デンスケ（後に光でんすけ）、弘松三郎、三島謙、朝美矢子、寺沢ひろ子、
　　　　　　　絵島美紀、柳恵美子（後に雨宮節子）、伊丹慶治、八代康二（後に康次）、
　　　　　　　辰野美夜（後に水美？）、北玲子、小柴隆（後に尋詩）、水谷謙二（後に謙之）、
　　　　　　　河瀬正敏、三浜元、中原啓七、神山勝、丘志摩子（後に氏家真紀）、
　　　　　　　山村邦子（後にくに子）、山下千枝子（後に芝あをみ）、加治夏子、西村昌野、
　　　　　　　紀原耕（後に土耕）、村田寿男、美川洋一郎（後に陽一郎）　●
　　　　　　　速水脩二？〔クレジットなし〕、須藤孝（後に野村隆）〔同〕、二階堂郁夫〔同〕、
　　　　　　　花村信輝（後に彰則）〔同〕、菊野（後に華村）明子？〔同〕、榎木兵衛〔同〕、
　　　　　　　鈴木俊子？〔同〕、小島（後に宍戸）游子？？？〔同〕、山本かほる？〔同〕、
　　　　　　　真下治子〔同〕、所寿子？〔同〕、黒田剛〔同〕、馬渕晴子〔同〕、三島保子〔同〕、
　　　　　　　宍戸錠〔同〕、他
　　　　…一人の映画スターの誕生とその転落を描いた作品で、俳優でもある菅井一郎さんが監督をされ
　　　　　ています。解散寸前の小劇団“東京ヴァンベール”の男優・加地茂樹（三國連太郎）は、新日
　　　　　本映画のニューフェイスに応募し、映画『肉体の暴風』の主役に抜擢され、一躍人気俳優にな
　　　　　る。その後、彼のわがままな態度に怒った会社の幹部から相手にされなくなると、東亜映画へ
　　　　　の出演を希望するが、相手役の人気女優・京極真弓（高杉早苗）の裏切りによりそれもならず
　　　　　、加地は落ち目に。劇団時代の恋人で女優の春日奈々子（乙羽信子）と、同じく当時の仲間で、
　　　　　東亜映画『藪の中』で俳優として成功した里村東介（山内明）の結婚披露宴に出席するが、居
　　　　　場所のない彼は早々にその場を立ち去り、行く宛のない夜の街をさまよい歩くという結末。宍
　　　　　戸錠さんが、銀座のバー“Soir”でバーテンに殴り倒されて店内から雨の降りしきる道路に
　　　　　引っ張り出される加地茂樹のスタンドインをされているという話もありますが、その雨の道路
　　　　　に仰向けで寝転んでいるシーンのどれかが錠さんなのかもしれませんが、はっきりはしません
　　　　　。そのシーンの後、里村東介と奈々子の結婚披露宴が行われますが、店のウェイター役が、宍
　　　　　戸錠さんのようです。《情報提供／由美子さん／NOBOさん／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　10月

　　　地獄の剣豪 平手造酒
　　　　監督／滝沢英輔　脚本／菊島隆三　撮影／三村明　音楽／大森盛太郎
　　　　出演／辰巳柳太郎、山田五十鈴、島田正吾、宇野重吉、南寿美子、石山健二郎、秋月正夫、
　　　　　　　三島雅夫、石黒達也、織田政雄（後に真佐男）、畑中蓼坡、山形勲、野村清一郎、
　　　　　　　河村憲一郎、清水彰、岡泰正、松木悟朗、利根はる恵、初瀬乙羽、対馬衣都美、
　　　　　　　大山克巳、郡司八郎、宮本昿二朗、岡田映一、大町正作、東大二郎（後に大二朗）、
　　　　　　　飯田徹、前田利夫、吉田柳児、小沢慶太郎、宮島誠、茂木昇二郎、最上竜二郎、
　　　　　　　杉沢勝雄、平塚康雄、村田寿男、雪岡純（後に雪丘恵介）、八代康二（後に康次）、
　　　　　　　英原穣二、菊野（後に華村）明子、岡野恵美子、山口京子、坂田耕造〔殺陣〕　●
　　　　　　　馬渕晴子？〔クレジットなし〕、竹内洋子？〔同〕、鈴木俊子〔同〕、榎木兵衛〔同〕、
　　　　　　　宍戸錠〔同〕？、他
　　　　…おなじみの天保水滸伝に登場する非運の剣豪・平手造酒の物語。北辰一刀流千葉道場の道場主
　　　　　・千葉周作（島田正吾）の門弟ながら労咳のため師範代になれず、師範代の山部幾之進（山形
　　　　　勲）を斬り破門され、下総笹川に一家をかまえるヤクザの親分・笹川繁蔵（秋月正夫）の用心
　　　　　棒になった平手造酒（辰巳柳太郎）の生涯を描いています。山田五十鈴さんの役は、江戸から
　　　　　来て旅籠代を踏み倒そうとして平手造酒に救われ、後に同居することになるお吟、南寿美子さ
　　　　　んの役は、酒屋の息子ながら笹川繁蔵一家の子分になる通称“坊やの仙太郎”（大山克巳）の
　　　　　幼なじみの恋人で荒物屋の娘・みよ。《情報提供／NOBOさん／カミコロさん》

　　　　　→詳細データ　

　　　からたちの花
　　　　監督／佐伯清　脚本／八住利雄　撮影／中尾利太郎　音楽／古関裕而
　　　　出演／山村聰、伊藤雄之助、宇野重吉、山田五十鈴、北原隆、牧真介（後に真史）、雨宮節子、
　　　　　　　桂典子、夏川静江、小夜福子、利根はる恵、坪内美子（後に美詠子）、東谷暎子、
　　　　　　　三島雅夫、伊沢一郎、信欣三、中原啓七、柳谷寛、永田靖、清水元、加原武門、
　　　　　　　片桐常雄（後に恒男）、深水吉衛、高島稔、中村俊介、邦章、雪岡純（後に雪丘恵介）、
　　　　　　　伊丹慶治、紀原耕（後に土耕）、美川洋一郎（後に陽一郎）、若原初子、
　　　　　　　山村邦子（後にくに子）、中沢栄子、滝川まゆみ、植村進（後に長弘）、
　　　　　　　須藤孝（後に野村隆）、神山勝、名和宏、花村信輝（後に彰則）、
　　　　　　　深江和久（後に章喜）、阪井一郎（後に幸一朗）、村田寿男　●
　　　　　　　河瀬正敏〔クレジットなし〕、弘松巌（後に三郎）〔同〕、天草四郎〔同〕、
　　　　　　　河上信夫（後に喜史朗）〔同〕、英原穣二〔同〕、山田禅二〔同〕、宍戸錠〔同〕、
　　　　　　　小柴隆（後に尋詩）？〔同〕、木室喜美代（後に郁子）〔同〕、明石淳子〔同〕、
　　　　　　　星野昌子？（後に晶子）〔同〕、他
　　　　…長谷健原作作品。第1期ニューフェイスの中から抜擢された北原隆さんが、主人公の北原隆吉
　　　　　（後の詩人・北原白秋）に扮しています。明治35年の春頃、福岡・柳川市（劇中では“九州
　　　　　柳河”とクレジット）で物語は始まり、“油屋”という屋号の酒造店の息子である主人公が、
　　　　　幼なじみの時子（雨宮節子）との恋愛や友人・中野清介（牧真介〔後に真史〕）の死を経て、
　　　　　詩人になるため東京へ旅立つまでを描いています。桂典子さん（新珠三千代さんの実の妹さん
　　　　　です）の役は、時子の友人で主人公の親が決めた許婚者である真教寺の娘・雪枝、東谷暎子さ
　　　　　んの役は、主人公が通う傳習館の小学部の教師・津村。宍戸錠さんがクレジットなしで雪枝の
　　　　　乗る人力車の車夫の役で出演されています（ご本人のお話を信じるのみ…笑）。雪枝を乗せて
　　　　　いるシーンでは、それが錠さんなのかは顔が写らないので確定出来ませんが、後に“油屋”で
　　　　　催された宴席では顔がはっきり写ります。“油屋”の使用人という二役ではないかと思われま
　　　　　す。またクレジットなしでの出演の星野昌子〔アキコ〕（後に晶子）さんも第1期ニューフェ
　　　　　イスですが、15作ほどに出演後、病気で退社、後に民放テレビで長く生CMの仕事をされたり
　　　　　して、後に女優復帰もされたようです（2018年現在、テレビドラマへの出演あり）。
　　　　　　《情報提供／由美子さん／NOBOさん》

　　　　　→詳細データ　

　　11月

　　　女（にょ）人の館
　　　　監督／春原政久　脚本／井出俊郎　撮影／伊佐山三郎　音楽／黛敏郎
　　　　出演／三國連太郎、北原三枝、東山千栄子、尾棹一浩（後に野村明司）、千田是也、
　　　　　　　水ノ江瀧子（水の江滝子）、馬淵（馬渕）晴子、村瀬幸子、山本和子、関千恵子、
　　　　　　　小田切みき、東野英治郎、松本克平、山本かほる、光沢（後に光）でんすけ、河瀬正敏、
　　　　　　　小峰千代子　●　朝美矢子？〔クレジットなし〕、宍戸錠〔同〕、
　　　　　　　花村信輝（後に彰則）？〔同〕、黒田剛？〔同〕、他
　　　　…白川渥原作作品。北原三枝さんの日活移籍第1作（すでに松竹で20本近い映画に出演されて
　　　　　います）。神戸にある学校の教師である丹野夫人（東山千栄子）の暮らす洋館には、その姪で
　　　　　19歳の丹野万津子（北原三枝）や画家の江木高代（水の江滝子）たち女性ばかりが住んでい
　　　　　て“女人の館”と呼ばれている。そこへ風変わりな青年・矢田八郎（三國連太郎）が下宿する
　　　　　ことに。当初、万津子は、八郎を毛嫌いするが、やがて惹かれて行く…というのが大筋。ここ
　　　　　での宍戸錠さんの役は、ご本人のお話では、下着泥棒（しかも三國連太郎さんに殴られる！）
　　　　　ですが（笑）、実際に作品を見た場合、下着泥棒ではなく、洋館に住む風巻シズ（関千恵子）
　　　　　の職場の同僚で恋人である岡田という役どころで、忍び込もうとするところは足元だけ、八郎
　　　　　ともみ合いになるところはロングで撮影、しかも後姿だけ…と、顔が全然映っていません（笑
　　　　　）。《情報提供／由美子さん》

　　　　　→詳細データ　

　　　　　→北原三枝さんについて　

　　　白き神々の座 （毎日新聞社＝日活）
　　　　監督／高木俊朗　撮影／依田孝喜　音楽／加藤光男
　　　　…昭和28・29年の二回に渡ってマナスル登頂を目指しながら、ラマ教徒の妨害に遭い（ラマ僧
　　　　　の寺院が雪崩に遭ったことを日本人が山を汚したせいだとして）、目標をガネシュ・ヒマール
　　　　　に変更して向かった際の日本山岳会の記録映画で、ブルーリボン賞を受賞。解説は宇野重吉さ
　　　　　ん。

　　　「暗闇の丑松」より 初姿丑松格子
　　　　監督／滝沢英輔　脚本／堀江正太　撮影／山崎安一郎　音楽／大森盛太郎
　　　　出演／島田正吾、島崎雪子、辰巳柳太郎、石山健二郎、秋月正夫、宮城千賀子、滝沢修、
　　　　　　　野村清一郎、清水彰、小沢慶太郎、久松喜世子、外崎恵美子、香川桂子、岡泰正、
　　　　　　　郡司八郎、波多昇、大町正作、明美京子、山本かほる、山村邦子（後にくに子）、
　　　　　　　美川洋一郎（後に陽一郎）、深江和久（後に章喜）、瀬山孝司、三島謙、山田禅二、
　　　　　　　村田寿男、弘松三郎、伊丹慶治、河瀬正敏、雪岡純（後に雪丘恵介）、
　　　　　　　光沢（後に光）でんすけ、馬渕晴子、岡和子、千秋実、清水一郎、御橋公、河野秋武、
　　　　　　　坂田耕造〔殺陣〕、新国劇総出演　●　鈴木俊子？〔クレジットなし〕、他
　　　　…長谷川伸原作《暗闇の丑松》の映画化作品。深川の料理屋“川竹”の料理人・丑松（島田正吾
　　　　　）は、女中のお米（島崎雪子）と祝言を挙げる。お米に横恋慕する巳之助（小沢慶太郎）は丑
　　　　　松の留守にお米に迫る。そこへ戻ってきた丑松は、争ううちに巳之介を誤って殺してしまい、
　　　　　お米を元締めの四郎兵衛（石山健二郎）・お今（宮城千賀子）夫婦に託して、熊ケ谷宿へ逃亡
　　　　　。二年後、板前の修行を済ませた丑松は、お米恋しさに江戸へ帰るが、途中の板橋宿で宿場女
　　　　　郎・お〔キヨ〕になっているお米と再会する。丑松に心変わりしたと誤解されたお米は、首を
　　　　　くくり自害してしまう。丑松は、お米を宿場女郎にしたのが四郎兵衛だと知り、江戸に戻り復
　　　　　讐するというのが大筋。馬渕晴子さんの役は、“川竹”の小女（ワンカットのみ）。
　　　　　　《情報提供／由美子さん／NOBOさん／ツカさん》

　　　　　→詳細データ　

　　12月

　　　お月様には悪いけど
　　　　監督／堀池清　脚本／柳沢類寿　撮影／中尾利太郎　音楽／古賀政男
　　　　出演／神楽坂はん子、若原雅夫、東谷暎子、小田切みき、島秋子（後に三佳子）、津村悠子、
　　　　　　　沢村貞子、十朱久雄、山村聰、田島義文、清水一郎、弘松三郎、加原武門、明美京子、
　　　　　　　藤久美子、福田トヨ、朝美矢子、力道山〔特別出演〕、遠藤幸吉〔同〕、
　　　　　　　古賀政男〔同〕、他
　　　　…女好きのツルカメ興行の社長・鶴田亀造（十朱久雄）と妻のはと子（沢村貞子）、社長秘書の
　　　　　桑原昭太郎（若原雅夫）、馴染みの芸者・神楽坂小はん（神楽坂はん子）に瓜二つの洋裁学院
　　　　　長・春雨いと子（神楽坂はん子）〔二役〕、エアガール（現・フライトアテンダントでしょう
　　　　　か）の小山あき子（東谷暎子）、芸妓・小きん（小田切みき）たちの恋愛模様を描いています
　　　　　。神楽坂はん子さんがタイトル曲も歌っています。いわゆる歌謡映画でしょうかね。

　　　俺の拳銃は素早い
　　　　監督／野口博志（後に晴康）　脚本／高岩肇　撮影／永塚一栄　音楽／仁木他喜雄
　　　　出演／河津清三郎、日高澄子、伊豆肇、植村謙二郎、石黒達也、清水将夫、名和宏、朝美矢子、
　　　　　　　星野みよ子（コロムビア）、柳谷寛、田島義文、清水一郎、本郷秀雄、香川良久、
　　　　　　　津村悠子、ハニー・ロイ、山田禅二、雪岡純（後に雪丘恵介）、村田壽男（寿男）、
　　　　　　　弘松巌（後に三郎）、花村信輝（後に彰則）、深江章喜、瀬山孝司、
　　　　　　　小柴隆（後に尋詩）、河瀬正敏、真杉隆一、神山勝、水谷謙次（後に謙之）、
　　　　　　　八代康二（後に康次）、植村進（後に長弘）、三島謙、久松晃（後に洪介）、今村弘、
　　　　　　　三浜元、青木富夫、衣笠一夫（後に真寿男）、美川洋一郎（後に陽一郎）、林茂朗、
　　　　　　　大森安行、若原初子、山村くに子、滝川まゆみ、久場礼子、五味三奈子、真下治子、
　　　　　　　明石淳子、藤久美子、西村昌野、星野昌子（後に晶子）、木室喜美子（後に郁子）、
　　　　　　　高瀬将敏〔技斗〕　●　宍戸錠〔クレジットなし〕、中原啓七？〔同〕、
　　　　　　　坂井（後に堺）美紀子？〔同〕、古田祥？〔同〕、三笠謙（後に池沢竜）〔同〕、
　　　　　　　河上敬子？〔同〕、柳瀬志郎〔同〕、山下千枝子（後に芝あをみ）〔同〕、
　　　　　　　大倉節美〔同〕、坂井一郎（後に阪井幸一朗）？〔同〕、他
　　　　…河津清三郎さんが志津野興信所の所長である私立探偵・志津野一平に扮する“志津野一平”シ
　　　　　リーズ第1作。主人公が暴漢の手から助けた結婚間近のスチュワーデス・植田幾子（朝美矢子
　　　　　）が、アパートの屋上から酔って転落死したことを発端に、幾子の友人であるキャバレー“グ
　　　　　ロリヤ”の歌手・萩原みどり（星野みよ子）の溺死などを追ううち、麻薬密輸組織の陰謀に巻
　　　　　き込まれていくというのが大筋。日高澄子さんの役は、主人公に近づくが意に反して主人公を
　　　　　好きになってしまう麻薬密輸組織のボスの愛人・加賀美京子。宍戸錠さんがクレジットなしで
　　　　　、香港から羽田空港に着いた飛行機のタラップを降りてくるベレー帽を被った乗客として顔を
　　　　　見せておられます。《情報提供／由美子さん／NOBOさん》

　　　　　→詳細データ　

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LAST UP DATE ◆ 2022年5月15日