Secret Agent Station（“077”“3S3”シリーズ）

“077”“3S3”シリーズ

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▲北京波さんからいただいた稀少な『077 連続危機』のポスターです。

　　　　ここでは、イタリアで製作されたスパイ映画、“077”シリーズと“3S3”シリーズを紹介し
　　　　ます。前者の“077”シリーズは「007の11倍強い！（007×0011？）」という売り文句で作
　　　　られた作品で、本国では大人気になった一級作品（…賞を取っています）。007シリーズの名
　　　　前が映画史に残る限り、ショーン・コネリーさんの実弟であるニール・コネリーさんを担ぎ出し
　　　　て作られた『ドクターコネリー／キッドブラザー作戦』とともに名前が残るシリーズだと思いま
　　　　す。主演のケン・クラークという男優さんは、『荒野の用心棒』に出演したクリント・イースト
　　　　ウッドさんと同じように、ハリウッドからイタリアに流れて来たという人。史劇もの（…“サン
　　　　ダル・ムービー”などとも称されるヘラクレスやサムソンなどのヒーローが活躍する作品）やマ
　　　　カロニウェスタンにも出演していました。後者の“3S3”シリーズも、当時、数々作られたス
　　　　　パイ映画の中では上級な作品ではあると思います。

“077”シリーズ

　　1965年

　　　077 地獄のカクテル（本邦劇場公開済み）　Agente 077 Missione Bloody Mary
　　　　アメリカ公開題名／Agent 077 - Mission Bloody Mary
　　　　フランス公開題名／Operation lotus bleu
　　　　監督／テレンス・ハサウェイ／Terence Hathaway（セルジオ・グリエコ／Sergio Grieco）
　　　　音楽／アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ／Angelo Francesco Lavagnino
　　　　出演／ケン・クラーク／Ken Clark、ヘルガ・リーネ／Helga Line、
　　　　　　　フィリップ・ヘルセント／Philippe Hersent、ミツコ／Mitsouko、
　　　　　　　ウミ・ラホ／Umi Raho（ウンベルト・ラホ／Umberto Raho）、
　　　　　　　スーザン・テリー／Susan Terry（シルヴァーナ・ジャキーノ／Silvana Jachino）、
　　　　　　　アンドレア・スコッティ／Andrea Scotti、フランカ・ポレセロ／Franca Polesello、
　　　　　　　エリカ・ビアンキ／Erika Bianchi（エリカ・ブラン／Erika Blanc）、
　　　　　　　ミルコ・エリス／Mirko Ellis、アルフレド・マヨ／Alfredo Mayo、他
　　　　…新型原爆“ブラッディ・メリー”がアメリカの軍用機でヨーロッパに向う途中、行方不明にな
　　　　　る。CIAの秘密情報部員・ディック・マロイ／Dick Malloy（ケン・クラーク）は上司・ヘス
　　　　　トン／Heston（フィリップ・ヘルセント）の指令でパリへ。敵は国際陰謀団“ブラック・リ
　　　　　リー”で、その本部らしきベッツ教授／Prof. Betz（ウミ・ラホ）の整形病院に潜入、女医
　　　　　として働くCIAの同僚のエルザ・フリーマン／Elsa Freeman（ヘルガ・リーネ）から情報を
　　　　　得る。ディックはナイトクラブ“カプリコーン”で知り合った中国人ストリッパー・フォン／
　　　　　Fong（ミツコ）から“ブラッディ・メリー”がバルセロナ発の船に積載されることを聞き、
　　　　　ギリシャ方面へこれを追い、ロシアのスパイなどとも戦い、ついには“ブラッディ・メリー”
　　　　　を取り戻すことに成功するというのが大筋。シャドウズの主題歌がカッコいいのです。また、
　　　　　ここに出ているミツコという女優さんは、日系の女優さんという話ですが、どう見ても中国系
　　　　　の人なのでは？（英語名の綴りをよくご覧ください…笑）。ちなみに『007／サンダーボー
　　　　　ル作戦』の巻頭で、ジェームズ・ボンドの助手のパリ支局員・ル・ポール／Mademoiselle
　　　　　La Porteを演じている、マリーズ・ガイ・ミツコ／Maryse Guy Mitsoukoと同一人物です
　　　　　。他にも同様の作品に数々出演されています。フランスとスペインとの合作です。

▲北京波さんからいただいた稀少な『地獄の挑戦状』のポスターです。

　　1966年

　　　077 連続危機（本邦劇場公開済み）　Agente 077 dall'oriente con furore
　　　　アメリカ公開題名／Agent 077, Fury on the Bospherus／or Agent 077 Operation Istanbul
　　　　フランス公開題名／Fureur sur le Bosphore
　　　　監督／テレンス・ハサウェイ（セルジオ・グリエコ）
　　　　音楽／ピエロ・ピッチオーニ／Piero Piccioni
　　　　出演／ケン・クラーク、マーガレット・リー／Margaret Lee、フィリップ・ヘルセント、
　　　　　　　フェルナンド・サンチョ／Fernando Sancho、エヴィ・マランディ／Evi Marandi、
　　　　　　　ミカエラ／Michaela、ファビアンヌ・ダリ／Fabienne Dali、
　　　　　　　フランク・レッセル／Frank Ressel（フランコ・レッセル／Franco Ressel）、他
　　　　…原題は、“諜報部員077／激情の中近東”とでもいうような意味でしょうか？。休暇中だっ
　　　　　たCIAのパリ駐在員・ディック・マロイ（ケン・クラーク）は、物理学の権威・フランツ・ク
　　　　　ルツ教授／Prof. Franz Kurtz（エンニオ・バルボ）が、国際陰謀団“ブラック・リリー”に
　　　　　誘拐されたらしいという知らせをチーフのヘストン（フィリップ・ヘルセント）から受ける。
　　　　　教授が発見した新型放射線を使用して、あらゆる物体を消滅させる秘密兵器・エレクトロガン
　　　　　を作らせようとする“ブラック・リリー”は、教授の娘・ロミー／Romy（エヴィ・マランデ
　　　　　ィ）も人質に取る。ディックは、事件を追ってイスタンブールに潜入していた同僚の女性諜報
　　　　　部員・イヴリン・ストーン／Evelyn Stone（マーガレット・リー）とともに敵の本拠地であ
　　　　　る島に潜入し、エレクトロガンをソ連に運び込もうとするボスのゴールドウィン／Goldwyn
　　　　　（フランコ・レッセル）を倒し、敵組織を壊滅するというのが大筋。ファビアンヌ・ダリさん
　　　　　の役は、ゴールドウィンの愛人であるシモーヌ・ディガス／Simone Degas、ミカエラさんの
　　　　　役は、ディックがオークション会場で知り合う女性・ドロレス・ロペス／Dolores Lopez。数
　　　　　人の女優さんが登場しますが、やはり“イタリアのマリリン・モンロー”と言われていたマー
　　　　　ガレット・リーさんがイイです。フランスとスペインとの合作です。

　　　地獄の挑戦状（本邦劇場公開済み）　Missione Speciale Lady Chaplin
　　　　アメリカ公開題名／Operation Lady Chaplin
　　　　フランス公開題名／L'Affaire Lady Chaplin ／ or Mission speciale Lady Chaplin
　　　　監督／アルベルト・デ・マルチーノ／Alberto De Martino、
　　　　　　　テレンス・ハサウェイ（セルジオ・グリエコ）
　　　　音楽／ブルーノ・ニコライ／Bruno Nicolai
　　　　　　　（オテロ・コランジェリ／Otero Corangeryという表記の文献もあり）
　　　　出演／ケン・クラーク、ダニエラ・ビアンキ／Daniela Bianchi、
　　　　　　　ジャック・ベルジュラック／Jacques Bergerac、アルフレド・マヨ、
　　　　　　　イヴリン・スチュワート／Evelyn Stewart（イダ・ガリ／Ida Galli）、
　　　　　　　フィリップ・ヘルセント、ヘルガ・リーネ、メイベル・カー／Mabel Karr、他
　　　　…タイトルに“077”という冠が付いていませんね。また『電撃！ミサイル作戦』というテレ
　　　　　ビ放映題もあります。16発の核弾頭ミサイルと爆薬を積んだ米軍の原子力潜水艦スレッシャ
　　　　　ー号が大西洋で行方不明になる。その後、CIAのマドリッド支局に、潜水艦の情報を持つ男
　　　　　が現われ、CIAのヘストン部長（フィリップ・ヘルセント）とディック（ケン・クラーク）
　　　　　は、海運王のゾルタン／Zoltan（ジャック・ベルジュラック）に潜水艦引揚げを依頼するが
　　　　　断わられる。マドリッドへゾルタンを追ったディックは、美人デザイナーのアナベラ・チャッ
　　　　　プリン／Arabella Chaplin（ダニエラ・ビアンキ）に目を付ける。どうやらミサイルと爆薬を
　　　　　盗み出したのはゾルタンらしい。ラスト、ディックとゾルタンは乱闘になり、ゾルタンは飼っ
　　　　　ていたサソリに刺されて死んでしまうというのが大筋。ディックが乗るタクシーのナンバーが
　　　　　“077”だというギャグあり（笑）。イヴリン・スチュワートさんの役は、アナベラの助手
　　　　　・コンスタンス・ディー／Constance Day、メイベル・カーさんの役は、女スパイ・ジャク
　　　　　リーヌ／Jacqueline（火薬を混ぜた布で作られたドレスを着ていて、撃たれて爆死する！）。
　　　　　アナベラの名言…「お金は、その時、持っている人のものよ」。そのアナベラにちょっかいを
　　　　　出そうとすると、実は彼女はヘストン部長の姪だった！というオチがありますが、『0011／
　　　　　ナポレオン・ソロ～』の一編での女性諜報部員モードがウェイバリー課長の姪だったというネ
　　　　　タのパロディかもしれませんね。舞台はスペイン某所～ニューヨーク～マドリッド～ロンドン
　　　　　～パリ～コルシカ島？。フランスとスペインとの合作です。

　　1967年

　　　影なき追跡者～非情の暗殺計画（テレビ放映済み）　Tiffany memorandum
　　　　フランス公開題名／Coup de force a Berlin
　　　　監督／テレンス・ハサウェイ（セルジオ・グリエコ）
　　　　音楽／リズ・オルトラーニ／Riz Ortolani
　　　　出演／ケン・クラーク、イリナ・デミック／Irina Demick、
　　　　　　　ルイジ・バヌッツィ／Luigi Vannucchi、ロレダナ・ヌシアック／Loredana Nusciak、
　　　　　　　ジャック・ベルティエ／Jacques Berthier、カルロ・ヒンターマン／Carlo Hinterman、
　　　　　　　ミシェル・バルディネ／Michel Bardinet、アンジェロ・インファンティ／Angelo Infanti、
　　　　　　　アンドリュー・スコット／Andrew Scott、ソルビー・スチュービング／Solvi Stubing、
　　　　　　　グレゴリー・アスラン／Gregoire Aslan、他
　　　　…実はこの作品、Web@作者も未見ですので、“077”シリーズなのかどうかの確定は出来て
　　　　　いません。では、なぜここに入れたのか？…ですが、まず、ケン・クラークさん扮する主人公
　　　　　が、ヘラルド・トリビューン紙の記者（077号の表向きの職業）・ディック（・マロイ？。
　　　　　ディック・ハラン／Dick Hallamであるとする文献もあり）であると解説されているという点
　　　　　と、監督が077シリーズと同じく、テレンス・ハサウェイことセルジオ・グリエコさんであ
　　　　　る点、プロデューサーも同じくエドモンド・アマティさんである点、製作会社も同じくイタリ
　　　　　アの“Fida Cinematografica”社とフランスの“Productions Jacques Roitfeld”である点
　　　　　など、共通点が多いことからです。ストーリーは、主人公がパリのカジノで出会ったエルサル
　　　　　バドルの大統領アギレスが射殺され、彼の運転手パブロと愛人のシルヴィア（イリナ・デミッ
　　　　　ク）をベルリン行の列車に追うが、列車は転覆して…という、暗殺団と戦う展開のようです。
　　　　　イタリアとフランスとの合作のようです。

その他の“077”

　　1964年

　　　Weisse Fracht fur Hongkong　（西ドイツ作品）
　　　　アメリカ公開題名／Mystery of the Red Jungle／or Operation Hong Kong
　　　　イタリア公開題名／Da 077: criminali a Hong Kong
　　　　フランス公開題名／Mystere de la jongue rouge
　　　　監督／ヘルムート・アシュレー／Helmut Ashley　音楽／ウィリー・マテス／Willy Mattes
　　　　出演／ホルスト・フランク／Horst Frank、ブラッド・ハリス／Brad Harris、
　　　　　　　ドロシー・パーカー／Dorothee Parker、マリア・ペルシー／Maria Perschy、
　　　　　　　ディートマー・ショーンヘル／Dietmar Schonherr、他
　　　　…詳細不明。あえてタイトルを付けるとすると“077／香港作戦”でしょうか。イタリアでの
　　　　　公開時にだけ勝手に077号とした可能性は高いですね（笑）。香港の麻薬組織と戦う話のよ
　　　　　うです。

　　　La Muerte silba un blues　（スペイン作品？）
　　　　フランス公開題名／Agent 077 operation Jamaique
　　　　監督／ジェス・フランコ／Jesus Franco
　　　　音楽／ジェス・フランコ、アントン・ガルシア・アブリル／Anton Garcia Abril
　　　　出演／コンラッド・サンマルティン／Conrado San Martin、Danik Patisson、
　　　　　　　パーラ・クリスタル／Perla Cristal、Maria Silva、Georges Rollin、
　　　　　　　Manuel Alexandre、ジェラール・ティチー／Gerard Tichy、他
　　　　…詳細不明。主人公の暗号名は実際には069号なのですが、フランスで公開する時に限っては
　　　　　『077号／ジャマイカ作戦』として公開したようですね。

　　1965年

　　　タンジールのスパイ（テレビ放映済み）
　　　　Marc Mato, agente S.077／or S.077 spionaggio a Tangeri（イタリア・スペイン作品）
　　　　アメリカ公開題名／Espionage in Tangier
　　　　監督／グレッグ・C・タラス／Gregg C. Tallas
　　　　音楽／ベネデット・ギリア／Benedetto Chiglia
　　　　出演／ルイス・ダヴィラ／Luis Davila、ホセ・グレチ／Jose Greci、パーラ・クリスタル、
　　　　　　　トーマス・ブランコ／Tomas Blanco、アン・キャスター／Ann Castor、
　　　　　　　アルフォンソ・ロハス／Alfonso Rojas、Barta Barry（Bernabe Barta Barri）、
　　　　　　　Joe Kamel、Alberto Dalbes、Alberto Cevenini、Amparo Diaz、Juan Cafinos、
　　　　　　　Rafael Vaquero、他
　　　　…諜報部員S.077号（？）・マイク・マーフィー／Mike Murphy（ルイス・ダヴィラ）が、光
　　　　　線兵器（透明光線？）を手にしたギャングたちと戦う話のようですね。

　　　リスボン秘密指令001（テレビ放映済み）
　　　　Mision Lisboa（スペイン・イタリア・フランス作品）
　　　　アメリカ公開題名／Espionage in Lisbon
　　　　イタリア公開題名／Da 077: intrigo a Lisbona
　　　　フランス公開題名／077 intrigue a Lisbonne
　　　　監督／テュリオ・ディミチェリ／Tulio Demicheli
　　　　音楽／ダニエル・ホワイト／Daniel White
　　　　出演／ブレット・ハルゼイ／Brett Halsey、マリル・トロ／Marilu Tolo、
　　　　　　　フェルナンド・レイ／Fernando Rey、ジャンヌ・ヴァレリー／Jeanne Valerie、
　　　　　　　エリカ・ブラン／Erika Blanc、バーバラ・ネリ／Barbara Nelli、アルフレド・マヨ、
　　　　　　　ダニエル・チェカルディ／Daniel Ceccaldi、Francesca Rosano、Iran Eory、
　　　　　　　Angel Terron、ラファエル・バルデム／Rafael Bardem、
　　　　　　　ジョージ・ネイダー／George Nader（カメオ出演）、他
　　　　…関西版“黄金のスパイ作戦”シリーズ第1弾。西側に亡命して殺人電波を開発し、行方不明に
　　　　　なった科学者を追って、リスボンへ派遣されるCIAの秘密諜報部員077号／ジョージ・ファレ
　　　　　ル／George Farrel（ブレット・ハルゼイ）の活躍を描いています。楽譜に仕込まれた殺人電
　　　　　波のデータを解読することになります。マリル・トロさんの役は、主人公の同僚で助手になる
　　　　　テリー・ブラウン／Terry Brown。“FBI”シリーズのジョージ・ネイダーさんがホテルの酔
　　　　　客の役でカメオ出演されているようです。

　　1966年

　　　ベイルート作戦・危機突破（本邦劇場公開済み）
　　　　Le Spie uccidono a Beirut（イタリア・フランス作品）
　　　　アメリカ公開題名／Secret Agent Fireball／or 077: Challenge to Killers
　　　　監督／ルチアーノ・マルチーノ／Luciano Martino（マリオ・ドーナン／Mario Donanで）
　　　　音楽／カルロ・サビーナ／Carlo Savina
　　　　出演／リチャード・ハリソン／Richard Harrison、
　　　　　　　ドミニク・ボシェロ／Dominique Boschero、ワンディサ・グイダ／Wandisa Guida、
　　　　　　　アラン・コリンズ／Alan Collins（ルチアーノ・ピゴッツィ／Luciano Pigozzi）、
　　　　　　　ジム・クレイ／Jim Clay（アルド・セッコーニ／Aldo Cecconi）、
　　　　　　　フランクリン・フレッド／Franklyn Fred（フランコ・フレダ／Franco Freda）、
　　　　　　　クレマン・アラリ／Clement Harari、ジャン・オゼンヌ／Jean Ozenne、
　　　　　　　カロル・ブラウン／Caroll Brown（Bruno Carotenuto）、Alcide Borik、
　　　　　　　Audry Fisher、Goffredo Unger、他
　　　　…リチャード・ハリソン扮するCIAの情報部員・ボブ（ロバート）・フレミング／Bob（Robert）
　　　　　Flemingが活躍するシリーズ第一作。ソ連の軍事機密のマイクロフィルムを持って東側から
　　　　　亡命してきた科学者たちを追って、パリ～ハンブルグ～ベイルートへ。秘密兵器としては、熱
　　　　　線の出る万年筆、胃の中で作動する超小型電波装置（追跡用）の入ったアスピリン、液体の爆
　　　　　薬を噴出する車などが登場。ソ連側の秘密兵器は毒針を発射するパイプなど（笑）。ドミニク
　　　　　・ボシェロさんの役は、ベイルートの金融業者グルーネの姪・リズ／Riz、ワンディサ・グイ
　　　　　ダさんの役は、科学者ポリウスキーの愛人で、実はソ連のスパイ・エレナ／Elena。

　　　殺し屋へ挑戦状（本邦劇場公開済み）　A 077, sfida ai killers（イタリア・フランス作品）
　　　　アメリカ公開題名／Killers Are Challenged／or Bob Fleming... Mission Casablanca
　　　　フランス公開題名／A 077 defie les tueurs

▲北京波さんからいただいた『殺し屋へ挑戦状』のポスターです。

　　　　監督／アンソニー・ドーソン／Anthony Dawson
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（アントニオ・マルゲリッティ／Antonio Margheriti）
　　　　音楽／カルロ・サビーナ
　　　　出演／リチャード・ハリソン、スージー・アンダーソン／Susy Andersen、
　　　　　　　ワンディサ・グイダ、ミツコ、マルセル・シャーベイ／Marcel Charvey、
　　　　　　　ジョン・ホークウッド／John Hawkwood、ジム・クレイ（アルド・セッコーニ）、
　　　　　　　Freddy Unger（Goffredo Unger）、ジャニーヌ・レイノー／Janine Reynaud、
　　　　　　　Fredlyn Frank、Gianni De Benedetto、Claudio Biava、他
　　　　…監督のアンソニー・ドーソン（本名／アントニオ・マルゲリッティ）さんは、イギリスの男優
　　　　　さん（62年『007／ドクター・ノオ』など）とは別人です。CIAのA077号（A077の“A”
　　　　　はAgentの“A”でしょうか？）ことボブ・フレミング（リチャード・ハリソン）が活躍する
　　　　　シリーズの続編。石油・石炭に代わる新エネルギーを発明した科学者たちを暗殺しようとする
　　　　　陰謀団を追って、ニース～カサブランカ～ジュネーブへ。実は陰謀団の首領は、最後に残った
　　　　　科学者・コールマン／Coleman（ジョン・ホークウッド）の妻・テリー／Terry（ワンディ
　　　　　サ・グイダ）で、テキサスの石油王・スタージェス／Sturges（マルセル・シャーベイ）と手
　　　　　を組んでいたのだった…というのが大筋。スージー・アンダーソンさんの役は、スタージェス
　　　　　の秘書で、実はソ連のスパイ（ただし主人公の味方になる）・ビッキー／Vicky、ミツコさん
　　　　　の役は、組織の女・モイラ／Moira。

　　1968年

　　　Golden Eyes Secret Agent 077　（インド作品）
　　　　監督／カマル・シャルマ／Kamal Sharma　音楽／バルデフ・ナス／Baldev Nath
　　　　出演／Mumtaz、Helen、Ram Kumar、Ravi Kumar、Sailesh Kumar、Asit Sen、
　　　　　　　Shabnam、Sheikh、B.M. Vyas、他
　　　　…詳細不明。ミュージカルからカンフー映画まで、何でもありのインド映画ですから、スパイア
　　　　　クションだって、あったでしょう。しかし、“秘密諜報部員077／ゴールデン・アイ”とは
　　　　　また題名はカッコいいじゃないですか（笑）。

“3S3”シリーズ

▲北京波さんからいただいた稀少な『地獄のパスポート』のポスターです。

　　1965年

　　　地獄のパスポート（本邦劇場公開済み）　Agente S3S passaporto per l'inferno
　　　　アメリカ公開題名／Secret Agent 3S3 Passport to Hell
　　　　監督／シモン・スターリング／Simon Sterling（セルジオ・ソリーマ／Sergio Sollima）
　　　　音楽／ピエロ・ウミリアーニ／Piero Umiliani
　　　　出演／ジョージ・アディソン／George Ardisson
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ジョルジョ・アーディソン／Giorgio Ardisson）、
　　　　　　　バーバラ・シモンズ／Babara Simons、セイナ・セイン／Seyna Seyn、
　　　　　　　レオンタイン・メイ／Leontine May、フェルナンド・サンチョ／Fernando Sancho、
　　　　　　　ジョルジュ・リビエール／Georges Riviere、ジョシュア・マルコス／Joshua Marcus、
　　　　　　　リリアン・フェルナイー／Liliane Fernay、他
　　　　…オランダのアンベルサでCIAの女性スパイが殺されたことを発端に、国際犯罪団“ブラック
　　　　　・スコーピオン”の暗躍が台頭してくる。そこでCIAは空手の名手でもある腕利きの諜報部
　　　　　員／3S3号ことウォルター・ロス／Walter Ross（ジョージ・アーディソン）を派遣する。
　　　　　敵のボスは“ミスターA”という謎の人物らしく、彼の娘でウィーンの大学に通うヤスミン／
　　　　　Yasmine（バーバラ・シモンズ）を訪ねたウォルターは、彼女と仲良くなる。組織員のステ
　　　　　ィーブ・ディクソン教授／Prof. Steve Dickson（ジョルジュ・リビエール）はヤスミンを
　　　　　誘拐しようとするが失敗。ヤスミンとウォルターはベイルートへ。そこで“ミスターA”の屋
　　　　　敷に忍び込むが、彼は地下室でミイラ化していて、実は現在はディクソン教授が、“ブラック
　　　　　・スコーピオン”の首領に収まっていた…というのが大筋。撮影監督のフィリップ・ペーパー
　　　　　さんによるウィーンや雪景色が美しい作品です。3S3がS3Sとなっている場合もあります（間
　　　　　違いでもないらしいところが、怪しい。どうやらイタリアとスペインでは、S3S名義らしい
　　　　　？？？…笑）。無線発信装置の付いたブローチや、毒針の飛び出すコンパクトなどが出てきま
　　　　　す。フランスとスペインの合作です。

　　1966年

　　　シークレット作戦009（テレビ放映済み）　Agente 3S3, massacro al sole
　　　　アメリカ公開題名／Agent 3S3, Massacre in the Sun／or Hunter of The Unknown
　　　　フランス公開題名／Agent 3S3, massacre au soleil
　　　　監督／シモン・スターリング（セルジオ・ソリーマ）
　　　　音楽／キャロル・ダネル／Carol Danell、ピエロ・ウミリアーニ
　　　　出演／ジョージ・アーディソン、フランク・ウォルフ／Frank Wolff、
　　　　　　　エヴィ・マランディ／Evi Marandi、フェルナンド・サンチョ、
　　　　　　　エドアルド・ファヤルド／Eduardo Fajardo、レオンタイン・メイ、
　　　　　　　マリア・グラナダ／Maria Granada、キティ・スワン／Kitty Swan、
　　　　　　　ルイス・インダニ／Luis Induni、ディーナ・ロイ／Dina Loy、他
　　　　…『見知らぬ追跡者』というテレビ放映題もあります。世界征服を狙う南米にある聖フェリペ島
　　　　　の独裁者・セクイラス将軍／General Siqueiros（フェルナンド・サンチョ。この人が演じる
　　　　　とマカロニ・ウェスタンのメキシコ革命の話みたいな雰囲気になりますが…笑）が毒ガスを搭
　　　　　載したロケットを作るために誘拐したカーレステン博士／Professor Karlesten（エドアルド
　　　　　・ファヤルド）を救出するために、アメリカの諜報部員“3S3”号ことウォルター・ロス／
　　　　　Walter Ross（ジョージ・アディソン）、イギリスの女性諜報部員・メリッサ／Melissa（エ
　　　　　ヴィ・マランディ）、ロシアの諜報部員であるイワン・テレシコフ／Ivan Tereczkov（フラ
　　　　　ンク・ウォルフ）たちがレジスタンスの協力も得て任務遂行を試みることに…。ルイス・イン
　　　　　ダニさんが主人公の同僚の“3S4”号ことマイケル・スミス／Michel Smithに扮しています
　　　　　。劇中、南米の島なのに着物を着た日本人が登場、また将軍の館に招かれた客（主人公も）は
　　　　　浴衣を着せられることに…（笑）。イタリアとスペイン、フランスとの合作のようです。

　　　連続危機～地下帝国を爆破せよ～（テレビ放映済み）
　　　　Asso di picche operazione controspionaggio
　　　　アメリカ公開題名／Operation Counterspy　フランス公開題名／As de pic
　　　　監督／ニック・ハワード／Nick Howard（ニック・ノストロ／Nick Nostro）
　　　　音楽／フランコ・ピサノ／Franco Pisano
　　　　出演／ジョージ・アーディソン、エレーヌ・シャネル／Helene Chanel、
　　　　　　　ティア・フレミング／Thea Fleming（イザベラ・ビアンキ／Isabella Biancini）、
　　　　　　　ウンベルト・ラホ、ヨアヒム・ディアズ／Joaquin Diaz、
　　　　　　　コリーヌ・フォンテーヌ／Corinne Fontaine、レオンタイン・メイ、
　　　　　　　レナ・フォン・マルテンス／Lena von Martens、他
　　　　…原題は“スペードのエース／対スパイ大作戦”とでも訳してみましょうか？。監督はイグナシ
　　　　　オ・F・イクイーノであるという文献もあります。この作品も“3S3”シリーズの一編である
　　　　　と二階堂卓也先生の著述である《キネマ旬報》の連載《イタリアン・アクションの誇りと栄光
　　　　　》には書かれてあったはずですが？？？。プレイボーイの貴族を装う男爵で実は特別諜報員で
　　　　　あるジョージ（3S3号？。ボンド・キャラハン／Bond Callaghanとする文献もあり）が、世
　　　　　界征服を企てる組織と戦うというのが大筋。主人公に扮したジョージ・アディソンさん以外に
　　　　　も、レオンタイン・メイという役者さんが、全作に出ていますので、やはりシリーズなのかも
　　　　　しれませんし、国によっては“3S3”シリーズとして公開したのかもしれません。イタリア
　　　　　とスペイン、フランスとの合作のようです。

　　1967年

　　　Omicidio per appuntamento　（イタリア作品）
　　　　西ドイツ公開題名／Agent 3S3 setzt alles auf eine Karte
　　　　監督／ミノ・グェリーニ／Mino Guerrini　音楽／イヴァン・バンドール／Ivan Vandor
　　　　出演／ジョージ・アディソン、ギュンター・ストール／Gunther Stoll、
　　　　　　　エラ・カリン／Ella Karin、ハンス・フォン・ボルソディ／Hans von Borsody、
　　　　　　　Mario Brega、Bettina Busch、Cesarino Miceli Picardi、
　　　　　　　Fanfulla Luciano Rossi、他
　　　　…実際には“3S3”シリーズではありませんが（主人公の名前は、アーヴィング・ドレイサー
　　　　　／Irving Dreyser）、ジョージ・アディソンさんの主演なので、西ドイツでは“3S3”シリ
　　　　　ーズとして公開されたようです（そう推測します）。タイトルは“殺しの逢引き”とでも言う
　　　　　ような意味のようです。

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LAST UP DATE ◆ 2021年4月1日