1960年『渡り鳥いつまた帰る』

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　1960年『渡り鳥いつまた帰る』　

　　　　★ここでは、クレジットタイトルの採録とともに、各作品を詳細に解説します。過去に出された
　　　　　文献も参考にしながら、Web＠作者が2009年8月2日以降に検証した結果をまとめています。
　　　　　もちろん抜けもあり誤認も含まれているかとは思いますので、あくまでも作品を楽しむための
　　　　　参考としてください。新たな情報をお寄せいただきたいと思います。
　　　　　※当Webの恒例の方式により、“？”の付いている情報は、確定出来ていないものだと考えて
　　　　　ください。“？”の数により曖昧さが増します（笑）。また、“〔カタカナ〕”という表記は
　　　　　漢字表記が確定出来ない名称の表現です。カッコのないカタカナ表記は、そのままで正しいと
　　　　　考えてください。

◆

　　　　　監督：齋藤武市　企画：児井英生　原作：原健三郎　脚本：山崎巌、大川久男
　　　　　撮影：高村倉太郎　照明：大西美津男　録音：八木多木之助　美術：坂口武玄
　　　　　音楽：小杉太一郎　編集：近藤光雄　助監督：神代辰巳　色彩計測：幸田守雄
　　　　　現像：東洋現像所　製作主任：亀井欽一
　　　　　主題歌　コロムビア・レコード　“おけさ数え唄”
　　　　　　作詞：西沢爽／作曲：遠藤実／編曲：狛林正一　唄：小林旭、こまどり姉妹
　　　　　挿入歌
　　　　　“浅草姉妹”　作詞：石本美由起／作曲：遠藤実／編曲：藤原秀行　唄：こまどり姉妹
　　　　　協賛：佐渡観光協会、新潟交通株式会社、佐渡汽船株式会社

◆

　　　　　小林旭　…滝伸次（元・刑事であるギターの流し）
　　　　　浅丘ルリ子　…高見則子（高見鉱山の鉱山主の妹）
　　　　　宍戸錠　…日下部哲（弟を殺した男を佐渡へ追って来た通称“ハジキの哲”という拳銃使い）
　　　　　中原早苗　…片倉ユリ（滝伸次を追って佐渡へやって来たダンサー）
　　　　　川地民夫　…奥山庄造（高見鉱山の実質的な責任者）
　　　　　内田良平　…ジョー（実は日下部哲の弟を殺した殺し屋）
　　　　　高品格　…松戸（高見鉱山の作業員で榊原の子分）
　　　　　弘松三郎　…伊東（高見鉱山の作業員で榊原の子分）
　　　　　楠侑子　…かおる（キャバレー“おけさ”のマダム）
　　　　　小泉郁之助　…マルダイ味噌の店主
　　　　　　　　　　（高見鉱山に戦時中の隠匿物資が隠されているらしいことを滝伸次に告げる男性）
　　　　　玉村駿太郎　…“ゲン”（高見鉱山の作業員で榊原の子分。
　　　　　　　　　　　滝伸次が築いた鉱山の入り口のバリケードを壊そうとする時には、感電する男）
　　　　　青木富夫　…立川（高見鉱山の作業員で榊原の子分。
　　　　　　　　　　キャバレー“おけさ”でギターを弾いていて日下部哲に滝伸次と間違えられる男）
　　　　　島津雅彦　…高見利夫（高見静江の息子である小学生）
　　　　　こまどり姉妹〔コロムビア〕　…キャバレー“おけさ”で歌う歌手
　　　　　島村謙二（後に島村謙次）　…安西
　　　　　　（高見鉱山の従業員。ケガをした三木が事務所に運ばれて来た時には、水を飲ませる男性）
　　　　　瀬山孝司　…“ノブ”（高見鉱山の作業員で榊原の子分。
　　　　　　　ニット帽をかぶった男。襲った滝伸次に顔を見られたということでジョーに射殺される）
　　　　　岡村佶　…吉田？（高見鉱山の従業員。
　　　　　　　　　　　　ケガをした三木が事務所に運ばれて来た時には、高見静江に文句を言う男性）
　　　　　時照明　…キャバレー“おけさ”のボーイ
　　　　　光沢でんすけ（後に光でんすけ）
　　　　　　…三木（高見鉱山の作業員。“ゲン”たちに殴られてケガをする男性）
　　　　　高瀬将敏〔技斗〕
　　　　　南田洋子　…高見静江（高見鉱山の鉱山主）
　　　　　金子信雄　…榊原（高見鉱山の相談役でキャバレー“おけさ”の経営者）

　　　　　以降、主なクレジットなしの出演者

　　　　　千代田弘
　　　　　　…大衆食堂“越後屋”の前の通行人（橋を渡って来た女性とすれ違う額の広い男性）
　　　　　　…キャバレー“おけさ”の前で滝伸次を殴る庄造を見る大衆食堂“越後屋”の主人〔二役〕
　　　　　　…小料理屋“春駒”の客
　　　　　　　　　　　　　（日下部哲と片倉ユリが入る店で、片倉ユリの声に振り返る男性）〔三役〕
　　　　　沢美鶴　…高見鉱山の作業員で榊原の子分
　　　　　　　　　　（キャバレー“おけさ”では花瓶で日下部哲を殴る茶色い革ジャンパーを着た男）
　　　　　福田文子？　…キャバレー“おけさ”のクローク係（青い衣裳の女性）
　　　　　夏今日子？　…キャバレー“おけさ”のクローク係（濃いピンク色の衣裳の女性）
　　　　　倉田栄三　…高見鉱山の作業員で榊原の子分
　　　　　　　　　　　（高見鉱山の事務所では、奥山庄造の後ろにいるヘルメットを背中に回した男）
　　　　　久松成次郎
　　　　　　…高見鉱山の従業員（伊東たちが事務所に来た時には、“ゲン”の後ろにいる男性）
　　　　　平塚仁郎　…キャバレー“おけさ”の楽団のトランペット奏者
　　　　　漆沢政子
　　　　　　…キャバレー“おけさ”の前で滝伸次を殴る庄造を見る居酒屋の女将風の和服の女性
　　　　　二木草之助
　　　　　　…キャバレー“おけさ”の客（こまどり姉妹が歌う時、カウンター席にいる口ヒゲの男性）
　　　　　神山勝
　　　　　　…キャバレー“おけさ”の客（こまどり姉妹が歌う時、カウンター席にいる長身の男性）
　　　　　東郷秀美　…キャバレー“おけさ”の客
　　　　　　　　　　　　（こまどり姉妹が歌う時、日下部哲の彼方のボックス席にいるメガネの男性）
　　　　　上釜孝允　…キャバレー“おけさ”のボーイ
　　　　　露木護
　　　　　　…キャバレー“おけさ”の客（フロアでえんじ色の衣裳のホステスと踊っている男性）
　　　　　黒木広美　…キャバレー“おけさ”のホステス
　　　　　　（フロアで客と踊っているえんじ色の衣裳の女性。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　後にジョーの銃が入ったバッグにぶつかる女性）
　　　　　近江大介？　…キャバレー“おけさ”の客（フロアで女性と踊っている黒縁メガネの男性）
　　　　　森みどり？　…キャバレー“おけさ”のホステス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（フロアで黒縁メガネの男性と踊っている緑色の衣裳の女性）
　　　　　吉田勇男（後に吉田朗人）
　　　　　　…キャバレー“おけさ”の客（入って来たジョーの彼方のボックス席にいるメガネの男性）
　　　　　榎木兵衛　…高見鉱山の作業員（鉱山の中で日下部哲と一緒に荷物を担いでいる男性）
　　　　　糸賀靖雄　…高見鉱山の従業員
　　　　　　（榊原の子分たちが作ったバリケードを退ける時には、白いヘルメットをかぶった男性）
　　　　　久遠利三
　　　　　　…キャバレー“おけさ”の客（日下部哲が帰って来た時に、階段のそばへ避難する男性）
　　　　　上原一二（後に上原一二三）
　　　　　　…小料理屋“春駒”の客（日下部哲と片倉ユリが入る店にいる白髪のメガネの男性）

◆ ◆ ◆

　　　　　●“渡り鳥”シリーズ第2作第3作『渡り鳥いつまた帰る』、今度こそ舞台は佐渡！（笑）。
　　　　　今回は戦時中に供出された貴金属が埋められているらしい高見鉱山を榊原（金子信雄）が鉱山
　　　　　ごと乗っ取ろうとしているので、それを滝伸次（小林旭）が阻止する話です。鉱山主の娘・高
　　　　　見則子（浅丘ルリ子）は知り合った伸次に一緒に働いてほしいと切り出すのですが、伸次は、

　　　　　伸次「渡り鳥ってやつはね、人に縛られるのが大嫌いな性分なんだ」

　　　　　…と断ります。それでも敵の様子を伺うために榊原に取り入ろうとする伸次は、銃の腕を売り
　　　　　込みます。ビールの空き缶を空へ。伸次に撃たれて吹き飛ぶ空き缶…しかし、缶は地面に落ち
　　　　　た途端に再び吹き飛びます。指を立てて「チッチッチッ…」と言いながら登場した“ハジキの
　　　　　哲”こと日下部哲（宍戸錠）は、自分と伸次がいれば、他のチンピラは用はないだろう？…と
　　　　　大きく出ます。彼方の子分がビール瓶を持ち、二人が同時に同じ瓶を吹き飛ばします。

　　　　　哲　「やるじゃねえか…」

　　　　　…哲は、自分の弟を殺した犯人を探して旅を続けているのですが、その犯人には殺した相手の
　　　　　顔の上にコインを乗せる癖があり、やはり榊原に雇われたジョー（内田良平）が真犯人だと知
　　　　　ることに。則子の姉である未亡人・静江（南田洋子）の子供を人質に取られ、発電所跡へ向か
　　　　　う伸次。その最後の銃撃戦に現われた哲が言います。

　　　　　哲　「もう一度、おまえの顔が見たくてな」

　　　　　…そう言った途端、帽子を撃ち抜かれた哲は、「榊原とジョーは俺がやる！」と銃にキスして
　　　　　敵に向かって突進します。ここでの決闘はなかなかの見せ場。ついには断崖から落ちそうにな
　　　　　り、ブラ下がる伸次（これも小林旭さん、もちろん吹き替えなしでしょう）。その手を足で踏
　　　　　もうとするジョーですが、哲に撃たれます。笑いながら海へ落ちていくジョー（内田良平さん
　　　　　が不気味！…笑）。やはりお決まりながら、なぜかタイミング悪く遅れて警官隊の到着です。
　　　　　哲は伸次に向かってニヤリと笑い、

　　　　　哲　「おまえとはゆっくり話し合おうと思ってたが、残念だな」

　　　　　そう言って哲は警官隊のほうへ向かいます。

　　　　　…祭りの日、やぐらの上で主題歌を唄う伸次は踊りの列の中に則子を発見（ここで伸次と歌う
　　　　　のを交代するのがこまどり姉妹）、降りていくけれど、東京から伸次を追ってきたダンサー・
　　　　　片倉ユリ（中原早苗）が来るので、子供の持つヒョットコのお面を借りて逃げ出します。則子
　　　　　は伸次に「お元気で」と言われ戸惑います（おけさ娘？の恰好をした浅丘ルリ子さんは抜群に
　　　　　可愛いのです）。則子が波止場に着くと、お面を貰ったという子供がいるだけで、伸次は連絡
　　　　　船で去って行くのでした（ここでは“ギターを持った渡り鳥”の二番の歌詞が流れます）。

LAST UP DATE ◆ 2015年9月15日
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