1960年『海から来た流れ者』

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　1960年『海から来た流れ者』　

　　　　★ここでは、クレジットタイトルの採録とともに、各作品を詳細に解説します。過去に出された
　　　　　文献も参考にしながら、Web＠作者が2009年9月6日以降に検証した結果をまとめています。
　　　　　もちろん抜けもあり誤認も含まれているかとは思いますので、あくまでも作品を楽しむための
　　　　　参考としてください。新たな情報をお寄せいただきたいと思います。
　　　　　※当Webの恒例の方式により、“？”の付いている情報は、確定出来ていないものだと考えて
　　　　　ください。“？”の数により曖昧さが増します（笑）。また、“〔カタカナ〕”という表記は
　　　　　漢字表記が確定出来ない名称の表現です。カッコのないカタカナ表記は、そのままで正しいと
　　　　　考えてください。

◆

　　　　　監督：山崎徳次郎　企画：児井英生　原作：原健三郎　脚本：山崎巌、大川久男
　　　　　撮影：姫田真佐久　照明：岩木保夫　録音：沼倉範夫　美術：中村公彦　編集：鈴木晄
　　　　　助監督：中島義次　色彩計測：佐藤重明　現像：東洋現像所　製作主任：林本博佳
　　　　　協賛：東海汽船株式会社　音楽：大森盛太郎
　　　　　主題歌　コロムビアレコード
　　　　　“ダンチョネ節”
　　　　　　作詞：西沢爽／作曲：遠藤実／編曲：狛林正一　唄：小林旭
　　　　　挿入歌　ポリドールレコード
　　　　　“ピンクレディー”
　　　　　　作詞：薩摩竜／作曲：大森盛太郎　唄：西田佐智子（後に西田佐知子）

◆

　　　　　小林旭　…野村浩次（25歳。関東甲信越麻薬取締事務所の麻薬Gメンだった）
　　　　　浅丘ルリ子　…藤田礼子（藤田建設の娘。東海汽船バスのバスガイド）
　　　　　葉山良二　…前岡達也（キャバレー“Red Fire”の用心棒。実は警視庁の刑事）
　　　　　筑波久子　…佐伯ルミ（東京で藤田五郎の愛人だった女性。津久田恭平の秘書）
　　　　　川地民夫　…三浦修（藤田建設の社員。藤田徳太郎の甥らしい）
　　　　　宍戸錠　…神戸〔カンベ〕昭三（キャバレー“Red Fire”を営む悪玉）
　　　　　二本柳寛　…津久田恭平（東京の津久田興業株式会社の社長）
　　　　　弘松三郎　…“テツ”（神戸昭三の子分。スタジアムジャンパーを着て船員帽をかぶった男）
　　　　　木浦佑三　…藤田五郎（二年前に家を出た藤田徳太郎の息子。野村浩次が追っていた男）
　　　　　杉幸彦　…中山（藤田建設の社員）
　　　　　深見泰三　…藤田徳太郎（通称・“藤徳”。大島にある藤田建設の社長）
　　　　　小泉郁之助　…大島の警察署長
　　　　　木島一郎　…“ヤス”（神戸昭三の子分。鳥打ち帽をかぶった男）
　　　　　榎木兵衛　…藤田建設の社員
　　　　　神山勝　…津久田恭平の秘書
　　　　　須藤孝（後に野村隆）　…キャバレー“Red Fire”のバーテン（チェック柄のベストの男）
　　　　　村田寿男　…漁船の船主（藤田徳太郎と一緒に警察署長に談判する男性）
　　　　　岩下浩　…町田（藤田建設の社員）
　　　　　河野弘　…吉田（関東甲信越麻薬取締事務所の麻薬取締主任で野村浩次の元の上司）
　　　　　天路圭子　…しげ子
　　　　　　　　　（キャバレー“Red Fire”のホステス。野村浩次が佐伯ルミのことを尋ねる女性）
　　　　　須田喜久代　…キャバレー“Red Fire”のホステス
　　　　　　　　　　　　　　　　（野村浩次が店に来た時には、野村浩次に席を譲って酒を出す女性）
　　　　　木城ゆかり　…キャバレー“Red Fire”のホステス
　　　　　　　（野村浩次が店に来た時には、神戸昭三の左隣／画面右にいるオレンジ色の衣裳の女性）
　　　　　佐久間玲子　…キャバレー“Red Fire”のホステス
　　　　　　　　　　　　　　　　（野村浩次が店に来た時には、神戸昭三の右隣／画面左にいる女性）
　　　　　和田怜子　…キャバレー“Red Fire”のホステス（黒っぽい衣裳の女性）
　　　　　水谷郷子　…キャバレー“Red Fire”のホステス
　　　　　鈴村益代　…大島の土産物屋の女将（藤田徳太郎と一緒に警察署長に談判する女性）
　　　　　福田トヨ　…おしげ（藤田家の婆や）
　　　　　近江大介　…“ロク”（神戸昭三の子分）
　　　　　二木草之助
　　　　　　…日本遊覧航空の飛行機を出迎える新聞記者Ａ（藤田礼子の後ろにいるメガネの男性）
　　　　　荒井岩衛　…神戸昭三の子分（青いニット帽をかぶった男）
　　　　　小林亘　…神戸昭三の子分（革ジャンパーを着た赤いニット帽の男）
　　　　　寺尾克彦　…藤田建設の社員
　　　　　　　　（神戸昭三の子分たちにケガをさせられた時には、同僚の手に包帯を巻いている男性）
　　　　　渡井嘉久夫　…“サブ”（神戸昭三の子分。細かいチェック柄の上着を着た男）
　　　　　白井鋭　…神戸昭三の子分
　　　　　高瀬将敏〔技斗〕

　　　　　以降、主なクレジットなしの出演者

　　　　　石丘伸吾　…藤田建設の社員
　　　　　　　　　　　　（神戸昭三の子分たちにケガをさせられた時には、事務所に立っている男性）
　　　　　立川博　…神戸昭三の子分（黒と白の大きなチェック柄の上着を着た男）
　　　　　菅原義夫　…キャバレー“Red Fire”の客
　　　　　　　　　　　　　　　　（三浦修に殴られて倒れる“ロク”のそばのテーブル席にいる男性）
　　　　　北出桂子？　…キャバレー“Red Fire”のホステス
　　　　　伊豆見雄（後に伊豆見英輔）　…“Red Fire”の客
　　　　　坂巻祥子　…キャバレー“Red Fire”のホステス（黄色い衣裳の女性）
　　　　　漆沢政子？　…キャバレー“Red Fire”のホステス
　　　　　西田佐智子（後に西田佐知子）〔ただし歌手としてクレジットあり〕
　　　　　　…津久田恭平が経営しているらしい東京のナイトクラブで歌う歌手
　　　　　久遠利三　…津久田恭平が経営しているらしい東京のナイトクラブの客
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（津久田恭平と話すカウンター席のメガネの男性）
　　　　　二階堂郁夫　…津久田恭平が経営しているらしい東京のナイトクラブのボーイ
　　　　　宮川敏彦　…藤田建設の社員（首に白いタオルを巻いて帽子をかぶった男性）
　　　　　志方稔　…キャバレー“Red Fire”の客
　　　　　紀原耕（後に紀原土耕）
　　　　　　…大島の警官（藤田徳太郎たちが警察署長に談判する時、立っている男性）
　　　　　花村典克（後に花村彰則）
　　　　　　…日本遊覧航空の飛行機を出迎える新聞記者（新聞記者Ａの左隣／画面右にいる男性）
　　　　　柳田妙子　…日本遊覧航空の飛行機を出迎えるアンコ姿の女性
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（藤田礼子の右隣／画面左へ二番目にいる女性）
　　　　　八代康二（後に八代康次）
　　　　　　…船上の賭博場の客（ルーレットのテーブルで前岡達也のそばにいるメガネの男性）
　　　　　衣笠一夫（後に衣笠真寿男）
　　　　　　…船上の賭博場の客（ルーレットのテーブルで野村浩次の右隣／画面へ二番目にいる男性）
　　　　　古田祥
　　　　　　…船上の賭博場の客（ルーレットのテーブルで野村浩次の右隣／画面へ三番目にいる男性）
　　　　　川村昌之　…船上の賭博場のルーレットのディーラー
　　　　　大治誠（後に大路達三）
　　　　　　…藤田建設の社員（温泉が出た時には、事務所にいる藤田建設の法被を着た男性）
　　　　　上釜孝允
　　　　　　…藤田建設の社員（温泉が出た時には、事務所で藤田徳太郎の後ろに立っている男性）
　　　　　本目雅昭　…前岡達也に同行して来て津久田恭平に手錠をかける警官

◆ ◆ ◆

　　　　　●第1作『海から来た流れ者』。夜の倉庫街で女性と待ち合わせをしていた男を追った主人公・
　　　　　野村浩次（小林旭）は、突然現われた男たちに頭を殴られ倒れてしまいます…主題歌が流れて
　　　　　クレジット。

　　　　　大島へ向かう船上でギターを弾く男・三浦修（川地民夫）に浩次が言います。

　　　　　浩次　「3の弦が少し高いようだぜ…貸してみな」

　　　　　流麗にギターを爪弾く浩次。修は東京へ掘削機を買い付けに行ったらしく、浩次のほうはとい
　　　　　うと、

　　　　　浩次　「ただ何となくってやつさ…」

　　　　　カッコいいー！。“何となく”…そんなわけないだろー！（笑）。

　　　　　修はバスガイドの藤田礼子（浅丘ルリ子）の実家である藤田建設の社員で、悪玉の神戸〔カン
　　　　　ベ〕昭三（宍戸錠）一味に腹を立て、神戸の営むキャバレー“Red Fire”に乗り込むが逆に
　　　　　袋叩きに遭い、浩次に助けられる。なおも戦おうとする子分どもだが、神戸に雇われた前岡達
　　　　　也（葉山良二）がカウンターにスペードのAのカードを投げつけて現われ、また丁寧な応対を
　　　　　した神戸に対し、一応引き下がる浩次。しかし前岡が藤田建設の社員の給料を借金のカタに奪
　　　　　っていくので、それを追った浩次は“Red Fire”で大暴れ。そこへ女がやってきて神戸を呼び
　　　　　つけるので、浩次は「今日のところは…」と金庫の金を持って去ることに。そこで前岡が、

　　　　　前岡　「いつか試合のカタをつけようぜ」
　　　　　浩次　「ああ、おまえさんのコンディションのイイ時にな」

　　　　　店に来た女・佐伯ルミ（筑波久子）が、以前、港にいた女だと気付く浩次。悪玉たちの様子を
　　　　　伺うため、修たちに誤解されながらも浩次は神戸に雇われることに。浩次と前岡は銃の腕比べ
　　　　　をするが、前岡は手を撃たれてしまう。その後、ルミの口から浩次が麻薬Gメンであることが
　　　　　バレてしまう。東京から津久田恭平（二本柳寛）という男がやってきて、礼子たちに歓迎され
　　　　　るが、実は彼こそが、藤田建設の工事現場から湧いた温泉の利権を狙う陰の大ボス。その指示
　　　　　で神戸は礼子を誘拐する。実は前岡は警察の人間で、津久田とその秘書のルミを逮捕する。神
　　　　　戸は地下室に監禁していた礼子を連れ出すが、礼子が残したハートのAのカードから、三原山の
　　　　　火口へ向かう浩次と修。朝日が昇ってくる中、礼子を縄でくくって盾にする神戸。礼子は火口
　　　　　に滑り落ち（ルリ子さんに何てことを！。笑）、銃をよこせという神戸だが、隙をついた浩次
　　　　　と殴り合いになり、最後には神戸は火口に落ちていく。浩次と修に片手ずつケガをした手にハ
　　　　　ンカチを巻いてもらう礼子。浩次は礼子に自分がGメンであること、また組織を抜けようとした
　　　　　礼子の兄も殺されていたことを告げる。噴煙とともに“ダンチョネ節”が流れ、山を降りる浩
　　　　　次と礼子（珍しく馬に二人乗り）。この作品には別れのシーンはありません（しかし主人公が
　　　　　続く第2作で別の土地に現われるので、別れたに違いありませんが…笑）。ここでの宍戸錠さ
　　　　　んは全くの悪役で、宍戸錠さんが演じるべき役を葉山良二さんが演じています。

LAST UP DATE ◆ 2018年5月28日
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